
エンジニアとしてスキルが上がってきたので単価を上げられたらなあ…
でも単価アップ交渉ってどうやったらいいのかわからない…
交渉した結果契約打ち切りになったら怖いから言い出せない…
エンジニアのあなたは、単価アップ交渉の具体的な手法を知っていますか?
実は、単価アップ交渉には慎重な準備と具体的な交渉テクニックが必要です。なぜならば、あなたの単価アップは、契約相手にとってのコストアップを意味するからです。
私は10年間IT営業として勤務してきた中で、エンジニアの契約単価アップ交渉を30回以上経験してきました。
この記事では、エンジニア単価アップ交渉の注意点やテクニックを解説します。
この記事を読むと、エンジニアの単価アップ交渉の適切な戦略を作成し、着実に単価アップへ進むことができます。
単価アップの交渉には以下を考慮して準備する。
- 単価アップの理由
- タイミング
- 落としどころ
SESエンジニアの単価交渉の大前提
大前提として、いきなり単価を上げたいと相談して「はい、わかりました」と受け入れられることはかなり稀です。
周到な準備なしにいきなり単価交渉を持ちかけると、「このエンジニアとこのまま契約を続けるのは危険かも」とクライアントに思われてしまうリスクがあります。



…いやいや、いきなり家賃を値上げしたいとか言われても困るでしょ…
何その不動産会社、ヤバいのでは?
不信感・戸惑い・反感を感じ、別の住居への引っ越しも検討したくなるはずです。
エンジニアがいきなり「単価を上げたい」とクライアントに交渉しても同じように思われます。
このような事態を避けるためにも、単価アップ交渉には以下のような周到な準備が必要です。
- 単価アップの理由を言語化する
- 単価を上げるとどんな価値を提供できるのか言語化する
- クライアントが欲しがっている価値を探っておく
- クライアントの予算どり時期を探っておく
- 交渉の落としどころを定めておく
- 交渉はメールで頭出しして、本格的な交渉はミーティングで実施する
以下、順に解説します。
SES単価アップの理由を言語化する
準備の中で最も重要なのは「単価アップの理由」です。
単価を上げるとは、契約相手にとってはコストアップ=利益が減ることを意味します。
単価アップする人 | 単価アップを受け入れる相手 |
---|---|
単価が40万/月から45万/月に上がった! 給料5万アップ! | コストが40万/月から45万/月に上がった… 利益が5万減る… |
支払うコストがなぜ上がるのか、相手が納得する理由が必要です。
最適な単価アップ理由は「エンジニアとしてのレベルの向上」
現状の単価で契約した際の過去の自分と今の自分とを比較して、明確なエンジニアとしてのレベルの違いはありますか?
当時と比較して明確にレベルが上がっていれば、単価アップ交渉の理由となります。
逆に、レベルが変わっていないなら単価アップ交渉は難しいです。なぜなら、契約相手には単価を上げる理由が無いからです。
自分が相手に提供している価値を明確化する
過去と比較して自分のレベルが上がっていたとしても、単価アップ交渉の武器として活用するにはもう1段階ブラッシュアップが必要です。
自分が考えるエンジニアとしてのレベルアップが、相手にどんな価値を提供しているかを言語化してください。
例えば、あなたは今賃貸マンションやアパートに住んでいたとして、家賃について以下のように告げられたらどう思いますか?



来月から家賃を1万円上げさせていただきます。
なぜなら、入居者のみなさまが利用できるヨガスタジオを1Fに作ったからです!
ヨガスタジオを使っていただける分、家賃を上げます。
あなたがヨガスタジオに価値を感じるか否かで、家賃アップに対する受け止め方は大きく変わるはずです。
後だしの単価アップ交渉は失敗する
契約当初と今とで自分が提供する価値が明確に変わっていたとしても、相手が即単価アップに応じてくれる可能性は低いです。



提供する価値が上がっているのはわかるけど、急に単価上げてって言われてもなあ…
たとえば、あなたは今契約している携帯電話の通信キャリア契約について、今の月額料金のまま新しいサービスの5G回線を利用できるようになったとします。これは、コストは変わらないまま、今までにはなかった価値を享受できるようになったと言えます。
その半年後に、以下の案内がきたらどう思うでしょうか?



5G回線は過去に提供していなかった価値です。
そのため来月から月額費用を3,000円アップさせていただきますね。
以下のような不満・不信感を感じませんか?



いや、今までの月額料金で提供してくれたじゃん…
だったら5G回線は使わないから以前の月額料金据え置きにしてよ。
上記を分析すると、以下の流れでは、『納得感を得にくい』ことがわかります。
- 新たな価値の提供を始める
- 新たに提供を開始した価値について、後から追加料金を請求する
単価を上げるとどんな価値を提供できるのか言語化する
相手の納得感を得るには、『もしも単価アップに応じてくれた場合に、自分が新たに提供する価値』を先に提示すべきです。



現在私は○○の業務を対応させていただきます。
もし、来月以降、単価を月5円上げていただけるなら、来月以降は●●の業務にもぜひ対応させていただきたいと考えています。
いかがでしょうか?
単価アップしたら提供する価値を高めるという交換条件は、相手にとってメリットがあるので単価を上げる理由になります。
ポイントは、『自分が新たに提供する価値』は、あくまでもクライアントが単価アップに応じてくれて初めて提供することです。
単価アップを価値を提供した後に申し出るのではなく、価値を提供する前に申し出るので、クライアントの納得感を得やすいです。
クライアントが欲しがっている価値を探っておく
あなたが単価アップと引き換えにクライアントに提供する価値は、何でもいいわけではありません。クライアントが価値を感じる内容にしてください。



どういうこと…?
今ない価値を新たに提供するなら、単価交渉の材料になるのでは・・?
- ホッカイロは砂漠では価値が小さく、北極では価値が大きい
- 水は砂漠では価値が大きく、山の清流では価値が小さい
エンジニアとしてあなたが提供する価値も、契約相手の状況に応じて大小が変動します。
- 今運用しているサービスをブラウザ提供に加えて、モバイルアプリも提供したい
- 新たなサービスを開発したい
- 開発の効率を上げたい
- バグ発生率を下げたい
相手のニーズに合わせた価値を提案すれば、単価アップの可能性は高まります。



もしも単価を月5万円上げていただけるなら、来月からフロントエンド
のコーディングも対応させていただきます!



フロントエンドは別のもっと単価の低いエンジニアさんが担当してくれていて十分なので、不要です。
相手のニーズからズレた提案をしないよう、相手がどんなニーズを持っているのか、さりげなく普段の会話の中で探っておく必要があります。
クライアントの予算どり時期を探っておく
相手が価値を感じる素晴らしい単価アップ交渉ができたとして、成功するか否かは交渉するタイミングに大きく左右されます。
なぜならば、どんなに価値を感じもらえても、支払えるお金が相手に無ければ単価アップはできないからです。



現在私は○○の業務を対応させていただきます。
もし、来月以降、単価を月5円上げていただけるなら、来月以降は●●の業務にもぜひ対応させていただきたいと考えています。
いかがでしょうか?



なるほど、それは魅力的ですね。
…ただ、もう今年度分の予算は確定してしまっていて、予算を上げる申請はハードルが高く、、、
今回は見送らせてください。
今投下できるコストに余裕があるのか否かをさりげなく普段の会話の中で探っておくことをオススメします。
予算どりのタイミングは狙いどき



さりげなく聞くなんて難しい…
企業は会計年度の途中で、来年度の事業計画を練り始めます。事業計画作成の際は来年度に使う予定の各種経費の見込みも立てます。
これは「来年度の予算をとる」と呼ばれます。システム開発・運用にかかる来年度分のコストも集計されます。
予算取りのタイミングにあわせて単価アップ交渉をしておくのがオススメです。「来年度に、○○という役割を担えるなら単価を○○円上げる」という約束をとりつけ、相手の事業計画に単価アップを盛り込んでしまうのです。
契約先企業の会計年度と予算取り作業の開始時期は日々の会話の中でそれとなく探っておいてください。大企業であれば期の始まりの半年前、中小企業であれば6~3か月前等に予算どりされることが多いです。
交渉の落としどころ・バックアッププランを用意しておく
金銭の交渉は想像以上に難航します。
なぜなら、「実際に支払えるか否か」という経済的な事情と、「支払ってもいい・支払いたくない」という感情的な事情の両方が影響するからです。
経済的な事情 | 直近で大きな投資を計画してるので、それ以外のコストは抑えたい |
この人の単価アップを受け入れるとと、今後他の人からも続々と単価アップ交渉を受けてしまうかもしれない | |
感情的な事情 | 「交渉すれば単価アップしてもらえるんだ」と安易に思われたくない |
相手の要求の「5万アップ」をそのまま受け入れるのは何となくいけすかない |



…「なんとなくいけすかない」ってひどくないですか…
「受けた要求に対して何の交渉もせずに100%受け入れるのはNG」と考えている人は残念ながら一定数います。
交渉の落としどころに自分の希望を合わせに行く
交渉を受けた際の落としどころをあらかじめ明確に準備してください。
例えば、自分の希望が単価5万円アップであれば、最初に「単価を5万円アップしたい」と要望するのはオススメできません。
先方が交渉してきた結果、最終的には「2万円アップ」「3万円アップ」といった落としどころに着地してしまう可能性が高いからです。
自分の希望が落としどころになるよう、交渉において最初に相手に投げかける要望のハードルを変えましょう。
バックアッププランを用意して不利なポジションを避ける
交渉した際、相手が強気な反応を示すこともあります。



…そうですか…当社は今そこまで利益に余裕が無いので、他の人に仕事を依頼することも考えないといけませんね…



(え!?単価アップどころか契約打ち切りの危険!?)
いえいえ、それなら仕方ないですね…アハハ…
たとえ相手が契約解除の素振りを見せてきたとしても、動揺して要求を即撤回する対応はしてはいけません。
要求を即撤回する素振りを見せると、「この人は本気で単価を上げたいわけではなく、あわよくばという軽い気持ちでふっかけてきたのかな」と思われます。すると以後まともに交渉に応じてもらいにくくなってしまいます。
「今の自分のスキルレベルであれば、2~3か月あれば他の企業と契約できる」と考えておくだけでも、相手から受けたカウンターへ冷静に対処する強い武器になります。
エンジニアの単価は交渉しないと上がらない



…なんか単価交渉って大変ですね…
自分から交渉するよりも、相手から単価アップを提案してくれることを待つ方が効率良いのでは…
原則、契約相手から単価アップ提案してくることは無いと考えるべきです。なぜなら、企業が負担するコストを自ら上げたいと申し出るメリットがないからです。
例えば、あなたは毎月の家賃を「来月からもう1万増やして支払いたい」と申し出ることはありますか?
無いはずです。なぜならあなたにとってのメリットがないからです。
役割の範囲拡大・レベルアップを求められたら単価交渉のチャンス
単価アップを企業から提案されることはありませんが、「今後は是非もっと高いレベルの役割を担って欲しい」と要求をうけることはあるでしょう。
その際は単価交渉のチャンスです。
「今より高いレベルの役割を担いたいので、是非その分単価を上げてほしい」と交渉してください。相手は受け入れざるを得ません。
SES単価は例文を活用すれば楽に交渉成功する



うーん、単価交渉の必要性はわかったけど、具体的にどうするべきかわからない…
SES単価交渉は、実際は例文を活用すれば定型的なコミュニケーションで楽に完結させて単価アップ成功します。
実際、私はIT営業を10年経験した中で、SES単価交渉のポイントを理解し、完全に手順化させました。
契約しているSESエンジニアから「単価アップしたい」と相談を受けたら、「はいわかりました」と即答し、その手順に則って淡々と作業を進めていくだけで単価交渉に成功しています。
SES単価交渉の例文と具体的な手順は、私が10年間の営業経験で身につけたノウハウのため、以下のnote記事で限定公開しています。
\ SES単価交渉の例文と具体的な手順 /
- 定型化された手順を踏むだけ!
- テンプレート例文でラクに単価アップ!
\ SES単価交渉の例文と具体的な手順
- 定型化された手順を踏むだけ!
- テンプレート例文でラクに単価アップ!
尚、上記noteでは以下を掲載しています。SES単価を上げたい人は是非参考にしてください。
SES単価交渉のための戦略 | note記事で限定公開しているノウハウ・手順 |
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単価アップの理由を言語化する | 単価アップ前と後を言語化するためのテンプレート |
単価を上げるとどんな価値を提供できるのか言語化する | |
クライアントが欲しがっている価値を探っておく | クライアントが欲しがっている価値を特定できる質問の仕方と例文 |
クライアントの予算どり時期を探っておく | クライアントの予算取り時期がわかる質問の仕方と例文 |
交渉の落としどころを定めておく | 上げたい額から逆算した、最初に持ち掛ける額の考え方 |
交渉を持ちかける | 交渉を持ちかける例文、交渉の場でのふるまい方 |
まとめ
以上、エンジニアが単価交渉する際の戦略について解説しました。
単価アップ交渉に際して交渉スキル・コミュニケーションスキルを身につけておけば、後々の更なる単価アップにも繋げられます。
短期目線での単価アップ、長期目線での差別化というメリットを考慮すれば、コミュニケーションスキルの習得は非常にコスパが良いです。
是非、コミュニケーションスキルの習得を検討してください。


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