ITエンジニアに興味あるけど、結局何をする職種なのかイマイチわからない…システムエンジニアとかプログラマーとか、横文字が多くて何が何だか…
実は、IT業界未経験の人には、「ITエンジニア」とはどんな職種なのかわかりづらいです。
- そもそもITの仕組みか何なのかわからないから
- 「プログラマー」「システムエンジニア」「インフラエンジニア」等、ITエンジニアと似た言葉があり混同するから
この記事では、IT業界未経験の人でも完全に理解できるよう、具体例を使いながらITエンジニアとはどんな職種なのかわかりやすく解説しています。
この記事を読めば、ITエンジニアの定義について圧倒的に理解度が上がり、ITエンジニアへの転職可能性が高まります。
ITエンジニアという職種とは簡単に言うと
ITエンジニアは情報技術(IT:Information Technology)を専門的に扱う技術者の総称です。
ITエンジニアとしてまとめられている中には、ソフトウェアの開発者、システムの設計者、ネットワークの構築者など、多岐にわたる技術者が含まれます。
それぞれの分野で求められる技術や知識には違いがあるため、「ITエンジニア」の中に含まれる各職種は、IT業界の中では別の職種として扱われています。
IT(Information Technology)とは
IT(Information Technology)とは情報技術のことで、コンピューターやネットワーク、ソフトウェアなどを用いて情報の収集、保管、分析などを行う技術全般を指します。
現代社会においてITは、企業運営の効率化、新たなビジネスモデルの創出、ビッグデータの解析、人工知能(AI)の開発など、多方面にわたって重要な役割を担っています。
また、ビジネスや研究分野に限らず、スマホ、電車、ネットショッピング、SNS、動画配信と、水道や電気のように一般の人々の生活を支える生活インフラになっています。
このように、ITはビジネスや社会の変革を推進し、人々の生活を守る基盤技術として不可欠です。
「ITエンジニア」の定義は広すぎるので細分化が必要
「ITエンジニア」とはIT業界以外の人達にわかりやすくイメージを伝えるための総称であり、IT業界の中では「ITエンジニア」という言葉は示す範囲が広すぎて使われていません。
そのため、エンジニアのコミュニティ内では「ITエンジニア」という表現は一般的に使われず、「プログラマー」や「システムエンジニア」といった専門職の呼称が用いられます。
ITエンジニアへの転職を検討するなら、「ITエンジニアになりたい」というざっくりとした希望ではなく、「ITエンジニアの中でもこの職種になりたい」という明確なイメージを持つ必要があります。
なぜならば、各職種によって役割や仕事内容が全く異なるからです。
例えば、「乗り物の運転手」といっても、以下の職種によって仕事内容や必要な知識・スキルは全く異なります。
- 電車の運転手
- タクシーの運転手
- 大型トラックのドライバー
- 飛行機のパイロット
- 船の操縦士
ITエンジニアの分類/種類/職種一覧と適性・難易度
ITエンジニアという総称のもと、多様な職種が存在します。
主な分類は以下です。
担当する領域による分類 | 担当する工程による細分化 | 開発する対象による細分化 |
---|---|---|
アプリケーションエンジニア | アプリ開発エンジニア | バックエンドエンジニア |
フロントエンドエンジニア | ||
アプリ保守運用エンジニア | - | |
インフラエンジニア | インフラ設計/構築エンジニア | - |
インフラ保守運用エンジニア | - | |
ネットワークエンジニア | - | - |
クラウドエンジニア | - | - |
データベースエンジニア | - | - |
セキュリティエンジニア | - | - |
例えばアプリケーションエンジニアは、担当する工程に応じてアプリ開発エンジニアとアプリ保守運用エンジニアに別れます。更に、アプリ開発エンジニアの中でも開発する対象に応じてバックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアに細分化できます。
また、たとえ同じアプリケーションエンジニアでも、開発対象が法人向けのWEBアプリか、ゲームアプリかなどによって、求められる技術や難易度は大きく異なります。
プログラマーやWEBエンジニア、特にバックエンドのWEBエンジニアは、プログラムの設計力とコーディング力が重要になります。
一方、ITインフラが対象の、インフラエンジニアやネットワークエンジニアは、ネットワーク構築の深い知識が必要になります。
データベースエンジニアの場合は、効率の良いデータベース設計やデータベースを操作するSQLの知識が必要です。
このように求められる知識や技術はそれぞれ異なるため、適性や難易度を単純には比較できません。
どのエンジニア職も最新技術を追い続けることが必要になるため、仕事をしていて面白く感じられるか、そして自ら最新情報をキャッチアップできるかどうかが適性の基準の一つと言えます。好きこそ物の上手なれです。
以下、各職種について詳細を解説します。
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアは、アプリケーションの開発、テスト、改良を担います。
開発工程には、要件定義、システム設計、プログラミング、ユーザーテスト、デプロイメントが含まれます。
アプリケーションエンジニアは、特定の開発環境やプログラミング言語に深い専門知識を持っており、それを活かしてソフトウェアを最適な形で開発します。
また、利用者からの評判などのフィードバックを取り入れて、機能改善を行うこともアプリケーションエンジニアの大事な業務の一つです。
アプリケーションエンジニアは担う業務の詳細に応じて更に以下に細分化されます。
担当する工程による細分化 | 開発する対象による細分化 |
---|---|
新たに作る機能の設計・開発を担当するアプリ開発エンジニア | 裏側の処理の開発を担うバックエンドエンジニア |
ユーザーが触れる画面の開発を担うフロントエンドエンジニア | |
既にある機能の維持を担当するアプリ保守運用エンジニア | - |
以下、詳細を解説します。
アプリ開発エンジニア
アプリ開発エンジニアは、スマホアプリやWEBアプリの設計と開発を専門とする技術者です。
今無い機能を新たに作る行為を指します。
ユーザーの要望をふまえて具体的な機能要件を定義し、アプリケーションを開発します。
コーディングだけを担当するのではなく、プログラミング言語の選択やフレームワークの活用など、開発に必要な全般的な技術的業務を担当します。
また、アプリケーションのパフォーマンスを最適化し、利用者にとって最良の体験を提供するために、テストと評価を繰り返しながら改善を行います。
アプリ開発エンジニアは更に担当する開発領域別に以下に細分化できます。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、WEBアプリやスマホアプリで利用者が触る裏側にあるサーバー側の開発の専門職です。
アプリケーションがデータを効率的に処理でき、安定的に運用されるようにシステムを設計する必要があります。
システムのパフォーマンスを最適化するためにキャッシング、データベース管理、セキュリティ対策なども担います
バックエンドシステムの安定性と効率性を保ちながら、フロントエンドの開発者や他のチームメンバーと協力して、ユーザーにとって魅力的なアプリケーションを開発します。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、WEBアプリやスマホアプリのユーザーインターフェース(UI)の設計と開発を担当する専門職です。
「接点」「接触面」という意味を持ち、利用者とシステム間の橋渡し役になります。
ここで言うシステムとは、主にバックエンドのサーバー側を指し、そこへの橋渡しの利用者が直接触れるアプリの画面の開発を行います。
フロントエンドエンジニアは、HTML、CSS、JavaScriptなどの技術を駆使して、使いやすく見た目が魅力的なデザインを実現します。
さらに今では、React、Angular、Vue.jsなどのフレームワークやライブラリを使用し、より動的でインタラクティブなWEB体験を構築する能力が求められます。
視覚的センスに加えて、コーディングスキルと新技術への適応力が不可欠です。
アプリ保守運用エンジニア
アプリ保守運用エンジニアは、既存のアプリケーションの維持管理と日々の運用を担当するエンジニアです。
バグの修正、定期的なアップデートの実施、アプリケーションの安定性の監視と改善を行うのがアプリ保守運用エンジニアの主な仕事です。
障害発生時には迅速な原因特定と修復を行い、利用者への影響を最小化します。技術に精通すると共に、問題解決能力と優れたコミュニケーションスキルが求められます。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、システムの基盤となるネットワーク、サーバー、その他のハードウェアおよびソフトウェアの設計、構築、運用を担う専門職です。
主な業務は、企業や組織のITインフラを安定して稼働させることです。
ITインフラとは、IT(情報技術)を提供するための物理的および仮想的な設備やサービスを指します。
コンピューターやサーバーのようなハードウェア、OSやデータベース管理システムのようなソフトウェア、そしてWi-Fiや有線LAN接続といったネットワークが含まれます。
これらが全て組み合わさって、普段使っているWEBアプリやサービスが動いています。
ITインフラは、企業活動の基盤にもなっています。
例えば、社内のデータを保存や処理するシステム、社外とのコミュニケーションを助けるネットワークなど、日常業務をスムーズに行うためにITインフラは欠かせません。
ITインフラの適切な管理は、企業がビジネスを運営するために不可欠です。
インフラエンジニアは、データセンターの管理、クラウドサービスの選定と導入、ネットワークのセキュリティ対策など、広範な技術知識を必要とします。
また、常に進化する技術に適応し、新しいソリューションを組織に導入することが求められます。
例えば、オンプレミスのシステムからクラウドベースのソリューション移行を管理したり、仮想化技術を利用してサーバー効率を高めたりします。災害復旧計画やデータバックアップ戦略の設計と実行も重要な役割の一部です。
技術的なスキルだけでなく、プロジェクト管理能力や問題解決スキルも非常に重要です。
インフラ設計・構築エンジニア
インフラ設計・構築エンジニアは、企業や組織のITシステムの基盤となるITインフラを設計し構築する専門職です。
主な業務は、必要なハードウェアとソフトウェアの選定、ネットワーク設計、サーバー構築等です。
システムの全体像を把握し、最適な技術選択を行う高度な専門知識が求められます。
また、災害復旧やデータバックアップの計画も設計し、ビジネスの継続性を支えるITインフラを構築します。
インフラ設計・構築エンジニアは、プロジェクトに初期段階から参加し、計画の策定から実施、監視、最終的な評価に至るまで関与します。
インフラ保守運用エンジニア
インフラ保守運用エンジニアは、ITインフラの日々の管理と維持を担当する専門職です。
主な業務は、企業のネットワーク、サーバー、データベース等が正常に動いているかの監視やメンテナンスです。アプリケーション同様、インフラも構築したら終わりではなく、定期的なシステムメンテナンスやアップデートの適用が必要です。
また、障害発生時には迅速な復旧対応が求められます。
また、データのバックアップと災害復旧計画を管理し、万が一の事態に備えて企業のデータとサービスの継続性を確保します。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、通信ネットワークの設計、構築、保守を専門的に担います。
インターネット接続、内部ネットワーク、広域ネットワーク(WAN)、地域ネットワーク(LAN)等のネットワークを構築し管理します。
インフラエンジニアと近い業務内容ですが、ネットワークエンジニアはネットワーク通信に特化しています。
一方でインフラエンジニアはサーバーやストレージなど、ITインフラ全体を対象としています。
ネットワークエンジニアは、ルーター、スイッチ、ファイアウォールなどのネットワーク機器を選定・構築し、安全で高速なネットワークを構築します。
ネットワーク上の通信を監視も重要な業務の一つです。障害が発生した場合には、迅速な原因特定と復旧が求められます。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、クラウドコンピューティング技術を専門とするITエンジニアです。
主な業務は、クラウド環境でのインフラの設計、データの移行、セキュリティの強化、ネットワークの構築、ストレージの管理等です。
主なプラットフォームには、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどがあります。
クラウドサービスの特性を理解し、ビジネスニーズに応じてクラウドアーキテクチャを設計する必要があります。
データベースエンジニア
データベースエンジニアは、データベースの設計、構築、運用維持を専門とするITエンジニアを指します。
SQLをはじめとするデータベース言語に精通している必要があります。
データベースのセキュリティ対策を強化し、バックアップに関する深い知見も求められます。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンシステムや企業内のIT環境を外部攻撃から守るために必要なセキュリティ施策を担うジニアは、ITエンジニアです。
主な業務は、セキュリティポリシーの策定、リスク評価、脆弱性の監査、外部からの攻撃を受けた際の対応計画の策定等です。
ファイアウォール、侵入検知システム、暗号化技術などを用いて、データの機密性、完全性、可用性を維持します。
従業員向けのセキュリティトレーニングの実施や、社内のセキュリティポリシーの更新など、教育的な役割も担います。
セキュリティエンジニアの努力により、企業の重要な情報資産が保護され、ビジネスの継続性と信頼性が保証されます。
ITエンジニアとプログラマーとの違い
ITエンジニアは情報技術分野の多様な専門職を含む総称で、プログラミング、システム設計、ネットワーク構築など広範な技術的業務が含まれます。
一方、プログラマー(PG:Programmer)はソフトウェアやアプリケーションのプログラム・コードを書く専門職です。
プログラマーの主な業務は、プログラミング言語を使用してソフトウェア開発を行います。プログラマーは、開発エンジニアやDEVエンジニア(Development Engineer)と呼ばれることもあります。
ITエンジニアはより広い視野でテクノロジーの問題に取り組むため、システム全体の設計や運用に関与することもありますが、プログラマーはプログラム・コードを書くコーディングという技術作業に集中します。
ITエンジニアとシステムエンジニア(SE)の違い
システムエンジニア(SE:System Enginee)は、システムの設計、構築、管理を専門とするIT専門職であり、特定のプロジェクトにおける技術的な要件を満たすソリューションを開発します。
システムエンジニアは技術面だけでなく、プロジェクト全体の進行管理やクライアントとのコミュニケーションも担当します。どのような形や仕組みで製品を作るべきかを決める要件定義から、設計、実装、テストと開発の最初から最後までを担当します。
プロジェクトの進み具合によっては、プログラマーと協力してコーディングやテストを行う場合もあります。
一方で、ITエンジニアという総称は、システムエンジニアを含む他の多くの職種も包含しています。
ITエンジニアとWEBデザイナーの違い
WEBデザイナーは主に、WEBサイトの視覚的なデザインを設計する職種です。
グラフィックデザイン、UI(User Interface)設計を行い、HTML、CSS、JavaScriptなどの技術でWEBサイトの外観を作成します。
ITエンジニアが製品の仕組みなど全体を考える人に対し、WEBデザイナーは利用者が気持ちよく操作するにはどのような形が良いか、製品の表側を考えます。
一方で、ITエンジニアの業務はデザインに限定されず、システム開発、プログラミング、ネットワーク管理など多岐に渡る技術的課題に対処します。
したがって、WEBデザイナーの業務は主にクリエイティブな作業に集中しているのに対し、ITエンジニアは技術全般にわたる問題解決を行います。
ITエンジニアとWebエンジニアの違い
WEBエンジニアは、WEBベースの技術に特化した専門職で、WEBアプリやWEBサイトを開発します。
主な業務は開発で、「フロントエンド(UI)」と「バックエンド(サーバーサイド処理)」に開発エリアが分かれます。
フロントエンド側は、利用者の目に触れ、操作する部分の開発を担当し、フロントエンドエンジニアと呼ぶ場合があります。
バックエンド側は、フロントエンドの裏側で処理をする部分の開発を担当し、バックエンドエンジニアと呼ぶ場合があります。
例えばオンラインショッピングサイトで、PCやスマホの画面で商品一覧を見る場合、まず商品一覧を表示するために必要な商品の写真や説明文のデータをバックエンドの処理によってデータベースから取り出します。
取り出した商品の写真や説明文のデータを、バックエンドの処理でフロントエンドに渡します。
最後に、商品の写真や説明文のデータを受け取ったフロントエンドが、PCやスマホに表示するための処理を行うという流れになります。
そのため、フロントエンド開発もバックエンド開発も魅力的なWEBサイトをつくるために協力しますが、使用する技術は異なります。
一方で、ITエンジニアはより広い範囲の技術問題に対処し、特にWEB技術以外の多くの異なる技術システムとも連携します。
ITエンジニアの仕事内容
ITエンジニアの主な仕事内容はITシステムの開発と運用です。「ITシステム」が指す対象は非常に広く、例えば以下が含まれます。
- LINEやInstagramなどのスマートフォンアプリ
- Amazon・楽天・食べログなどのWebサイト
- 企業の業務で使われる業務システム・アプリケーション
- 電車や飛行機などの交通機関を管理する仕組み
上記のようなITシステムを新たに作ったり、機能を追加したり、正しく安定的に動き続けるようメンテナンスするのがITエンジニアの仕事内容です。具体的には以下の作業に分類されます。
工程 | 具体的な仕事内容 |
---|---|
要件定義 | システムで実現したい目的やビジネス上のニーズをふまえて、何ができるシステムを作るべきかを決める。 |
基本設計 | 具体的にどんな機能を作るのかを決める。 |
詳細設計 | システムの設計書を作る。 |
製造 | 設計書に基づきプログラムを書きシステムを作る。 |
テスト | 作ったシステムが設計通りに正しく動くかテストする。 |
運用保守 | 完成したシステムが正しく動き続けるようメンテナンスする |
「ITエンジニア」と聞くと、PCの黒い画面でプログラムをカタカタと打っているイメージを持たれがちです。
一方で実際には、どんな機能を作るべきかをクライアントからヒアリングしたり、作るべきシステムの仕様を社内外の関係者とすり合わせたり等、プログラミング作業以外にも多くの業務があります。
1人で黙々とプログラムを書くのが得意な人はプログラマー、周囲をまとめるのが得意な人は開発チームをとりまとめるプロジェクトマネージャー等、ITエンジニアの中でも得意領域に応じて適切な職種が枝分かれしていきます。
ITエンジニアの仕事内容についてより詳細を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
ITエンジニアを目指す人にオススメの資格
ITエンジニアには多くの資格が存在します。
業務で役立ちやすい・転職時に評価される資格から、業務では役に立たない・エンジニアの世界でも評価されない資格まで様々です。
いずれの資格についても取得には一定の勉強時間が必要です。
これからITエンジニアを目指すのであれば、とるべき資格の順番は以下です。
ITに関して全く知識を持たない未経験者には、はじめにITパスポート試験の取得をおすすめします。
ITパスポートはITエンジニアに限らず全ての社会人を対象としています。出題範囲は、最新技術(AI、ビッグデータ)やアジャイル開発などの開発手法に関する概要をはじめ、経営戦略やマーケティングなどの経営全般、プロジェクトマネジメントに関する知識など幅広いです。
従って、まずIT業界そのものが自分に合うか否かを判断するのにITパスポートは打ってつけなのです。
合格率は約50%でIT関連の資格の中では易しい部類に属するため、しっかりと事前に学習しておけば合格できます。
もしもITパスポートの勉強を始めた上で「これは自分には合わない」と感じたら、ITエンジニアを目指すのはやめた方がいいです。なぜならば、ITエンジニアの仕事内容は、ITパスポートで学ぶ内容をより細かく突き詰めていくようなものだからです。
「ITパスポートは意味がない」という主張を耳にすることがありますが、ITパスポートはまずはIT業界そのものの全体像をつかむのに最適です。
ITパスポートを勉強して苦にならない人は、次のステップとして基本情報技術者資格がオススメです。
基本情報技術者ITに関する国家試験の1つであり、ITエンジニアの登竜門と呼ばれています。システムやソフトウェアを開発する人に必要な知識やスキルを問われます。
出題範囲は次のとおりです。
テクノロジ系 | ・基礎理論 ・コンピュータシステム ・技術要素 ・開発技術 |
---|---|
マネジメント系 | ・プロジェクトマネジメント ・サービスマネジメント |
ストラテジ系 | ・システム戦略 ・経営戦略 ・企業と法務 |
ITエンジニアとして更にキャリアップしていくなら、応用情報技術者等よりレベルの高い資格の取得への挑戦がオススメです。以下の記事では、ITエンジニアにオススメの資格をランキングが難易度別に解説しているため参考にしてください。
未経験からITエンジニアにはなれる
未経験からITエンジニアには転職できます。実際、IT企業の約70%は「未経験のITエンジニアを採用済又は採用を検討中」と回答しています。
ただし、チャンスがあるからといって、何の準備や対策も無しに未経験からITエンジニアになれる訳ではありません。なぜならば、企業側は「今は未経験でもITエンジニアとして活躍してくれそうな人」に対して内定を出すからです。
未経験からITエンジニアに転職するには、少なくとも以下の工程は必須です。
- ITエンジニアについて徹底的に調べる
- プログラミングを学ぶ
- 自分が就職したい企業を見つける
- 履歴書・職務経歴書を作りこむ
- 自信がつくまで面接練習する
以下の記事では、実際に未経験からITエンジニアに転職した際の具体的な体験談を解説しています。未経験からITエンジニアへの転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
ITエンジニアへの適性
年収の高さや安定性を理由に、異業種からITエンジニアへキャリアチェンジするケースは増えています。
ただし、ITエンジニアへの適性を知らずにキャリアチェンジを目指すのは危険です。なぜならば、もしも適性がないのにITエンジニアへ転職してしまうと後で苦しみ、結局ITエンジニアから元の職種へ戻る末路を辿ってしまうからです。
実際にITエンジニアを経験した身として感じたITエンジニアに向いている人の特徴は以下です。
- 論理的思考力がある人
- チーム活動が得意な人
- コミュニケーション力が高い人
- 新しいことに興味がある人
- パソコンが好きな人
上記のいずれかに当てはまるなら、ITエンジニアに向いている可能性があります。ITエンジニアへの適性に関しては以下の記事で詳細を解説しているため、参考としてください。
ITエンジニアは楽ではない
ITエンジニアは年収の高さや働き方の柔軟性から人気が高まっています。
しかし、職種として求められるスキルや性質にはクセがあり、実は万人に向いている職種ではありません。
ITエンジニアの良い面ばかり見て、ITエンジニアの大変さや適性を知らずに転職してしまうと大変な目に遭う恐れがあります。ITエンジニアに向いておらず、きつい・大変と感じてしまうのは以下に該当する人です。
- 自己研鑽が苦手
- 単独行動が好き
- 変化を楽しめない
以下の記事では、ITエンジニアの難しさや厳しさについて解説しています。
まとめ
以上、ITエンジニアとはどんな職種なのか解説しました。改めてまとめると以下です。
ITエンジニアという職種とは | 情報技術(IT:Information Technology)を専門的に扱う技術者の総称。 ITエンジニアの中には、ソフトウェアの開発者、システムの設計者、ネットワークの構築者など、多岐にわたる技術者が含まれる。 IT業界内では「システムエンジニア」という呼び方の方が普及している。 | |
ITエンジニア(システムエンジニア)に属する職種 | プログラマー | プログラミング言語を使用してソフトウェア開発作業を行う。 システム全体の設計や運用には関与せずコードを書くコーディング作業に集中する。 |
アプリケーションエンジニア | アプリケーションの設計、開発、運用を担う。 担当する業務の工程別に、新たに機能を作るアプリ開発エンジニアと、既にあるアプリの維持管理を担うアプリ保守運用エンジニアに細分化できる。 アプリ開発エンジニアは担当する領域別にフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアに細分化できる。 | |
インフラエンジニア | システムの基盤となるネットワーク、サーバー、その他のハードウェアおよびソフトウェアの設計、構築、運用を担う。 担当する業務の工程別に、インフラ設計・構築エンジニアと、インフラ保守運用エンジニアに細分化できる。 | |
ネットワークエンジニア | 通信ネットワークの設計、構築、保守を専門的に担う。 | |
クラウドエンジニア | クラウド環境でのインフラの設計、データの移行、セキュリティの強化、ネットワークの構築、ストレージの管理等を担う。 | |
データベースエンジニア | データベースの設計、構築、運用に特化したITエンジニア。 | |
セキュリティエンジニア | システムや企業内のIT環境を外部攻撃から守るために必要なセキュリティ施策を担う。 |
ITエンジニアという職種に興味がある人は参考としてください。