【元SIer営業の体験談】超効果的な職務経歴書の書き方 5つのステップ

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SIer営業の職務経歴書の書き方

今SIer営業として働いている方は、下記のような不安を感じたことはないでしょうか…?

SIer営業

自分は市場価値があるのだろうか・・・?
転職サイトに登録しようと思ったら職務経歴書の提出を求められた。
何をどう書けばいいのだろう・・・

実は、今SIer営業のあなたの業務経験を洗い出すことで、職務経歴書を作成し、市場価値を確認することができます。

私自身、10年間SIer営業として勤務してから初めての転職活動に挑戦した中で、職務経歴書の作成に最も時間を費やしました。
その結果、転職エージェントから多くの求人を紹介してもらえました。

この記事は、SIer営業が業務経験を洗い出して職務経歴書を作成した実体験を紹介します。
この記事を読むと、市場価値を正しく評価してもらうための職務経歴書の作成の仕方を知ることができます。

この記事の結論

SIer営業の職務経歴書の作成の流れは以下の通り

  • 業務経験の洗い出し
  • 自分が工夫した経験をチェック
  • 経験から自分の強みを抽出
  • エピソードとして整える
  • アピールしたい相手に合わせて職務経歴書を作成
目次

職務経歴書は自分という商品の提案書

職務経歴書の書きは自分自身の提案書

「転職活動を始める」「自分の市場価値を知る」には、職務経歴書が必須となります。

職務経歴書とは?

自分の業務経験やスキルを他人に確認してもらうための書類です。

これまでどのような仕事に携わり、どのような経験・スキル・知識を持っているかを相手に伝えます。

A4サイズの用紙1~2枚にまとめるのが一般的です。

「自分がどんな価値を提供できるかを表す」という意味では、職務経歴書は『自分という商品の提案書』とも言い換えられます。

SIer営業の方なら理解いただけると思いますが、段取りを考えずに高品質な提案書をゼロから作るなんて不可能ですよね・・・?

提案する際には少なくとも以下を洗い出し、どう書いたら相手に価値を伝えられるかを深く考えながら提案書を作るのではないでしょうか?

提案書作成時に洗い出す項目 例
  • 提案するソリューションが持つ価値
  • 提案先の顧客が抱えている課題
  • 提案のコンセプト
  • 提案するソリューションによって顧客の課題を解決できることの論理的解説
  • 顧客にどんなメリットがあるか
  • 他社とは異なる独自性
  • 顧客が感じるであろう懸念点へのフォロー

「自分自身の提案書」となる職務経歴書を作る際にも、上記のようなことを考える必要があります。

まずは漏れなく業務経験を洗い出す

業務経験の洗い出し

最初にやるべきは自分の業務経験の洗い出しです。

全てを漏れなく洗い出しておくことによって、今は気づけていない自分の強みやアピールできる業務経験に気づくことができます。

この時点では「もれなく全て洗い出すこと」が最重要です。
その業務経験が「アピールできるものか否か」や「自分がどんな活躍したか」といった考慮は不要です。

時系列に沿って、箇条書きで書き出すことをオススメします。

ここで洗い出した業務経験から、アピールできるものを抽出していくことになります。

ここで洗い出さなかったものはこの後の工程で検討対象になることはないので、質よりもとにかく量を優先して書き出してください。

洗い出した業務経験の中で、自分が工夫有無をチェック

自分が工夫した点がないかチェック

洗い出した業務経験リストの中で「目標や課題に対して、それを達成するために自分自身で策を考えて実行した」経験にチェックを入れてください。

その経験について「どんな目標/課題で、何を考え、何を実行して、どんな結果が出たか」を追記してみてください。

尚、この際、「自分自身がどれだけ試行錯誤・苦労したか」「良い結果が出たか否か」にはこだわらないでください。

自分は『当たり前』と思っていても周囲から評価されることがある

自分の評価だけを基準に業務経験を洗い出してしまうと、「自分の評価は微妙だけど他者からは評価される経験」を見落としてしまうリスクがあります。

そのため、「良い結果が出たか否か」「自分なりに工夫したか否か」にはこだわらず、「目標や課題に対して、それを達成するために自分自身で策を考えて実行した」経験にチェックを入れてください。

自分の判断では見落としてしまう業務経験がある!
  • 自分は「良い結果」と思っていなくても周囲は「良い結果」と思うケース
  • 自分は「これくらいやって当たり前、大した工夫していない」と思っていても周囲は「素晴らしい思考と実行力」と評価してくれるケース

自分が工夫していない経験は切り捨てる

どんなに良い結果が出ていたとしても、それが自分の行動によって引き起こされたものと説明できないなら自分の価値にはなりません

自分自身による工夫を施していない業務経験にはチェックを入れず、この段階で切り捨てましょう。

尚、SIerの取引規模は金額規模が大きくインパクトがあるため、つい結果をアピールしたくなりがちです。

しかし、外部から問われるあなたの価値は「あなた自身は何ができるか」の1点です。

たとえ「1,000億円の案件を受注した」というインパクトのある経験を職務経歴書に書いても、「あなたが何をした結果、その結果につながったのか」が論理的にわからないとあなたのアピールにはならないのです。

背伸びして書いたとしても、面接では必ず突っ込まれます。

その際、論理的に回答できないと「この人は話を誇張する傾向があるのでは」「この人は論理的な思考・説明ができない人では」と思われて大幅なマイナス点になってしまいます。

「自分で工夫した結果、その結果につながった」と自信をもって言える経験以外はこのタイミングでふるいにかけましょう

工夫した経験から読み取れる自分の強みの棚卸

自分の強みを棚卸

自分で工夫した業務経験リストができたら、その内容をもとに、自分にどんな強みがあるか抽出してみましょう。

例えば、自分が持っていると読み取れる「○○力」を書き出してみてください。

○○力はより具体的に!

自分の「○○力」を洗い出す際には、それがどんな能力か相手が頭の中で想像できるレベルまで具体的に書き出しましょう。

 具体的に想像できるレベル
 具体的に想像しづらいレベル
  • 「相手の目的や置かれた立場を把握しながらコミュニケーションをとり、複数の関係者と合意形成してものごとを進めていく力
  • コミュニケーション能力

具体化すると文字数が多くなると思いますが大丈夫です。尚、会社の外では活用できない「○○力」は転職市場では価値になりませんので、この段階で切り捨てましょう。

業務経験と工夫した点から○○力を書き出す

ここで注意したいのは、あくまでもここまでの工程で書き出した「自分で工夫した業務経験リスト」の中から自分の○○力を抽出することです。

誰かに自分の強みをアピールするなら必ずその根拠を求められます
相手は、あなががアピールする「○○力」が本当にあなたにあるのかチェックしたいからです。

自分が工夫した業務経験から○○力を抽出しておけば、その根拠を問われた際には、自分が工夫した業務経験という事実情報を回答することができます。

自分の強みをすでに把握している場合は、その根拠となる業務経験を結びつける方法もOK

SIer営業として勤務している中ですでに自分の強みを具体的に把握している方もいるでしょう。
キャリア形成意識の強い方はこの傾向にあります。

その強みが、会社外でも活用できる強みであるなら、その強みは職務経歴書に書ける内容です。

自分の強みを主張するための根拠として活用できそうな事実を「自分で工夫した業務経験リスト」から拾い出しましょう。

自分の強みを伝えるためのエピソードに整える

自分の強みを伝えるためのエピソードを整える

「自分の強みとその根拠となる業務経験」のセットをいくつか洗い出せたら、それを効果的に相手に伝えるための「強みエピソード」として整えます

職務経歴書に書ける文章の量や面接で話せる時間は限られています。職務経歴書はA4×2枚、面接で話せる時間は30分程度です。

限られたスペース・時間の中で、他人に自分の強みを最大限伝えるために、自分の強みをエピソード形式に整えることをオススメします。

尚、エピソード形式にするのは、自分の強みをわかりやすく伝えるためです。
相手に伝わらなければ意味がありません。
ここからは、私が実際に活用したエピソード化の手法を2点紹介します。

エピソードの整え方例:STARS法

この方法は、私が職務経歴書の書き方を学ぶ中で知った手法です。
洗い出した自分の強みとその根拠となる業務経験を、以下のような流れで肉付けしてエピソードを組み立ててみましょう。

業務経験を肉付けする「STARS」メソッド
  • Situation・・・どんな環境・状況で
  • Task・・・どんな目標を持ち/どんな課題に対して
  • Action・・・自分は何を考え実行して
  • Result・・・結果どうだったか
  • Self-Appraisal・・・振り返ってどう考えているか

実際に私がエピソードとして整えた際の例は以下の通りです。

筆者の例
  • Situation
    ○○業界向けxxソリューションの営業に従事。
    チームメンバー○人をマネジメント。
    チーム年間売上目標:○億円。
  • Task
    目標達成のためにはxxxxxが必要と考え、xxxxxを自身の課題に設定した。
  • Action
    具体的には、xxxxxxxxxxxxxxxを実施した。
  • Result
    その結果、○顧客獲得し、年間売上○億円を達成。
    価格以外の付加価値を訴求し、全案件にて競合ベンダより高額な提案価格で受注した。
  • Self-Appraisal
    自分にはxxxxという行動特性がある。

上記はかなり簡易化した例です。特にAcitonについてはより具体的に書き出してください。

また、上記の中には数字情報をできるだけ入れることで、より具体的なイメージを相手が描くことができます。

自己PR型エピソードとして活用できるPREP法

プレゼンの論法でよく使われるPREP法も、自身の強みを説明するエピソードとして整える際に活用できます。

PREP法
  • Point・・・結論
  • Reason・・・理由
  • Example・・・具体例
  • Point・・・結論

PREP手法の場合、「私には○○という強みがあります」という自己PRが先頭にきて、それを支える根拠として具体的なエピソードを並べるという構図になります。

STARS法とPREP法の使い分け

PREP法とSTARS法との違いは、説明する順番が異なるだけで、「具体的なエピソードを通じて自分の強みを相手に伝える」という点では変わりありません。

ただし、STARS法の方がより多くの具体的エピソード情報を盛り込めます
STARS法は、エピソードそのものが説明内容である一方で、PREP法は、エピソードは全体の中の1部であるためです。

私の場合は、エピソードを通じて自分自身の強みをより具体的に伝えることにを重視したため、STARS法のエピソードを主軸に置き、PREP法はサブ武器と設定しました。

先にSTARS法で自分の働く姿を鮮明にイメージさせた上で、後でPREP法を使い、相乗効果を狙うこともできます。

アプローチする相手に合わせて職務経歴書を書く

職務経歴書を書く

ここまでの流れで、自分の強み、それを相手に伝えるためのエピソードを書き出しました。
しかしここでいきなり職務経歴書を書くのはNGです。

職務経歴書は、自分を売り込みたい先の相手を意識して書くことをオススメします。

職務経歴書は自分自身の提案書。提案先に応じて内容を変える

SIer営業の方であれば理解いただけるかと思いますが、ある顧客への提案で使った提案書をそのまま別の顧客の提案に使うなんてことはしないのではないでしょうか・・・?

顧客が抱えている課題には共通点はあれど、完全に一致することはないでしょう。
課題の背景や、具体的に発生している問題等は千差万別です。

そのためたとえ同じソリューションを提案するにしても、強調するポイントは提案先顧客に合わせて変えるはずです。

転職活動における提案ソリューションは自分自身であり、提案書は職務経歴書に該当します。

職務経歴書の内容は応募する企業に合わせて書き分けることをお勧めします。

求人票の「求める人材像」を抑えておく

SIer営業の提案活動では、顧客が提案に求める要件については度重なるヒアリングが必要になります。

しかし転職活動においては、応募先企業が求人票に要件を明記してくれています。

多くの求人票には「必須要件」と「あるとうれしい歓迎要件」という形で要件が分類されています

尚、この要件は、企業が吟味して書き出した内容です。
企業としても、要件にあっていない人材が入社してしまうと大きな損害が発生します。

そのため、応募要件に記載されている求める人材像はかなり真剣に精査された内容です。
この応募要件を満たしていると思ってもらえるように、職務経歴書に書く内容を選別することをお勧めします。

転職サイトに登録用の職務経歴書であれば、『進みたいキャリア』に合わせた職務経歴書にする

SIer営業

そもそもまだ応募したい企業なんてないのだけど…

応募したい企業がまだ見つかっていない場合は、自分が進みたいキャリアにおいて求められる人物像の要件を洗い出して、そこにあわせた内容の職務経歴書としましょう。

SIer営業が転職できる先のキャリアは以下の記事にまとめています。

【元SIer営業の実体験】SIer営業の転職先・進めるキャリア

例えば私の場合は、SIer営業→営業ではなく、SIer営業→企画職というキャリアを志望していました。

そのため、「営業として目標を達成した」というエピソードよりも、「事業を拡大させるために、どのようなサービスにすべきかを自ら考えて周囲に働きかけ具体化していった」というエピソードを職務経歴書に記載しました。

その結果、企画職について多くの求人を紹介してもらえました。

尚、応募したい企業が見つかったら、転職サイトに登録した職務経歴書をそのまま活用するのはやめましょう。

転職エージェントは早めの書類提出を求めてきますが、企業の応募要件に応じて職務経歴書の内容は精査すべきです。

まとめ:職務経歴書はわかりやすさ、根拠、ロジック、提案先の要件を考慮してじっくり作る

以上、SIer営業だった私が職務経歴書を書いた時の流れを紹介しました。

繰り返しになりますが、職務経歴書は「自分自身の提案書」です。

SIer営業の方であれば顧客向けの提案書を作った経験はあるのではないでしょうか。

是非、その経験を活かして職務経歴書を作ってみましょう。
きっと素晴らしい職務経歴書ができあがると思います。

読んでいただきありがとうございました。

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