今営業職で転職を考えている。
これからの時代はIT営業がねらい目と聞いたけど、具体的に何をしたらいいのかわからない…
IT営業への転職を考えても、どんな流れで具体的に何をすべきかわからないのではないでしょうか?
一般的な転職の流れは転職サイトが公開しています。しかし実は、IT営業を目指すなら一般的な転職活動の流れとは異なるポイントがあります。
IT営業への転職活動では「どれだけ準備してきたか」が特に問われます。
なぜなら、IT営業は実際に仕事において、どれだけ準備できているかによって契約獲得率の高低が決まるからです。転職活動で抜かりなく準備してきた人は、採用した後に仕事でも細かく準備して結果を出してくれそうと判断されます。
そのため、IT営業への転職活動では、他業界への転職と比べてより周到な準備が必要となります。
この記事では、IT営業を10年経験してきた筆者が、未経験からIT営業になるための具体的なロードマップを解説しています。
この記事を読めば、IT営業へ転職するために今から具体的に何をすべきかを理解し、即行動を起こすことができます。
未経験からIT業界の営業職に転職するには…
IT営業に求められるスキル・マインドと自分の経験を分析し、自分がIT営業として活躍できそうと相手に理解させるストーリーを作る
未経験からIT営業になるためのロードマップ
未経験者がIT営業になるためのロードマップは以下の通りです。
- IT営業を知る
- 自己分析で自分を知る
- 中途採用を募集しているIT企業を知る
- 選考に応募する準備
- 書類選考
- 面接選考
- 内定受領
- 現職の退職
…なんか長いですね。
パパっと履歴書作ってすぐ応募した方が良いのでは?
IT業界ってスピード感が大事そうだし!
IT営業になるための転職活動では準備が何よりも重要です。
「この人はあまり準備していないな」と思われたら即落とされます。
IT営業の体験談:準備度合いは面接官にバレる
私は過去にIT企業で中途採用の面接官を担当したことがありますが、面接のやりとりを通じて応募者がどれだけ準備してきたのかは想像以上に面接官にバレています。
準備不足な応募者は、面接官からの質問に対する回答がイマイチなことが多く、面接通過率はガクンと下がります。
IT営業を知る
まず始めるにやるべきは、IT業界・IT企業・IT営業について知ることです。
え…?
まずは転職エージェントや転職サイトに登録して、中途採用を募集している企業を見つけてからその企業について調べるのでは?
順番が逆じゃないですか?
いえ、転職エージェントに登録する前に、IT業界・IT企業・IT営業の概要は知っておくべきです。
なぜなら、概要を理解しないまま転職エージェントに登録すると、転職エージェントからイマイチな評価を受け、IT営業の求人を紹介してもらえないリスクがあるからです。
概要を知っておくべきと言われても…具体的に何をしたらいいのですか?
業界研究本とか買って読めば良いの?
業界研究本も良いですが、実際にIT営業として働いている人にしかわからないこともあります。
本サイトIT業界ノートでは、10年間IT営業として勤務している筆者が、実体験に基づいてIT営業の仕事内容を解説しています。本サイトの解説記事を通じて、以下を説明できるレベルまで把握しておけばOKです。
- IT業界・IT企業は何を提供しているのか
- IT営業はどんな役割を担うのか
- IT営業の仕事内容
- IT営業に求められるスキル・マインド
IT業界とは?
IT業界とは「情報技術(Information Technology)」を取り扱う企業群をひとまとめにしたグループを指します。
ITってインターネットの略ではないのですね!
インターネットは情報技術の1つに過ぎません。インターネットがない時代にもIT業界は存在していました。
iT業界については、以下の記事で詳細を解説しています。
IT業界とは?未経験者向けに10年経験者が図解で解説
IT業界は日常生活と密接に関わっている
現代では、朝起きてから夜寝るまでの間で、IT業界が提供するサービスや製品に触れない日はありません。
IT業界は、電気・ガス・水道と同じような社会インフラになっています。
IT営業とは?
IT営業とは、IT業界・IT企業に属する営業職です。IT営業は、自社のIT製品・ITサービスを顧客に提案し契約を勝ち取る役割を担います。
「自社の製品の営業活動を行う」という意味では、他の業界の営業職と共通しています。10年のIT営業経験をもとにIT営業の詳細を以下の記事でも解説しています。
≫IT業界の営業職とは?【IT営業を10年経験した私の体験談】
IT営業の仕事内容
IT営業の仕事の主な工程は以下の通りです。
- サービス紹介・課題ヒアリング
- 課題分析・提案準備
- 提案
- 契約
- 製品・サービス導入後のフォロー
- 追加提案・オプション提案
サービス紹介・課題ヒアリング
自社の製品・サービスに興味を持ってくれた見込み顧客と商談を実施します。
自社やサービスの詳細を説明しながら、相手がどんな課題を持っているのかをヒアリングします。
課題分析・提案準備
ヒアリングした課題に対して、自社の製品・サービスがどのように解決できるのかを考え、提案書を作成します。
提案
作成した提案書を使って顧客へプレゼンします。
契約
提案の結果、顧客が製品・サービスを採用してくれる場合には契約を締結します。
契約締結後、顧客は製品・サービスを導入し、IT企業はその工程を支援します。
導入支援作業はIT営業ではなく、自社のエンジニアやサービス導入担当者が実施します。
サービス導入後のフォロー
契約後営業は顧客と関わらない訳ではありません。定期的に顧客へ連絡し、導入した製品・サービスを問題なく利用できているか?他にも課題がないかを確認します。
自己分析で自分を知る
IT営業の概要を理解したら、次は自分の強みと自分の価値観を整理する自己分析をします。
自己分析って新卒の就活でやることですよね?「学生時代力を注いだこと」とか。社会人の転職活動でやる必要あるの?
転職活動で自己分析は必須です。何故なら、転職活動とは自分の労働力という商品を、今まで取引のない企業に売り込む活動だからです。
自分という商品の価値を言語化する
毎日会社に通っていると、会社とは自分が所属しているチームのような感覚を持ちます。実際、あなたは会社に所属している会社員です。一方で、実際には社員と会社は雇用契約という契約で結びついています。
労働者と企業とで以下を約束する契約です。
- 労働者が企業に従い仕事をする
- 企業は労働者に報酬を支払う
社員は雇用契約に従って労働力を企業へ提供し、給料をもらっています。言い換えると、社員は労働力という自分の商品を企業に販売して、その対価を受け取っています。
転職活動とは、「自分の労働力」という商品を、今とは異なる企業に売り込むことを意味します。
今まで取引のなかった企業に商品を買ってもらうには、商品の価値を相手に理解させる必要があります。
自分の労働力という商品の価値を相手に理解させるには、まず自分自身が理解していなければなりません。だから自己分析は絶対に必要です。
未経験からIT業界を目指すということは、言い換えると、今までIT業界の企業に買ってもらったことがないあなたの労働力をIT企業に販売することになります。
提案先の企業に「未経験だけどこの人の労働力には買う価値がある」と思わせるような、戦略的な自己分析が必要です。
実際に筆者が転職活動時に行った自己分析の手順を解説します。
自分の仕事経験を洗い出す
まずやるべきはこれまでの仕事経験の洗い出しです。時系列に沿って、箇条書きでこれまで経験してきた業務を書き出してください。
この時点では「もれなく全て洗い出すこと」が最重要です。その業務経験が「アピールできるものか否か」や「自分がどんな活躍をしたか」といった考慮は不要です。全てを漏れなく洗い出しておくことによって、今は気づけていない自分の強みやアピールできる業務経験に気づくことができます。
ここで洗い出した業務経験から、アピールできるものを抽出していくことになります。
洗い出さなかったものはこの後の工程で検討対象になることはないので、質よりもとにかく量を優先して書き出してください。
洗い出した業務経験の中で、自分の工夫有無をチェック
洗い出した業務経験リストの中で「目標や課題に対して、それを達成するために自分自身で策を考えて実行した」経験にチェックを入れてください。そしてチェックを入れた経験について「どんな目標/課題で、何を考え、何を実行して、どんな結果が出たか」を追記します。
尚、「自分自身がどれだけ試行錯誤・苦労したか」「良い結果が出たか否か」にはこだわらないでください。失敗した経験でも構いません。
自分は『当たり前』と思っていても周囲から評価されることがある
自分の評価だけを基準に業務経験を洗い出してしまうと、「自分の評価は微妙だけど他者からは評価される経験」を見落としてしまうリスクがあります。
「良い結果が出たか否か」「自分なりに工夫したか否か」にはこだわらず、「目標や課題に対して、それを達成するために自分自身で策を考えて実行した」経験にチェックを入れてください。
自分が工夫していない経験は切り捨てる
どんなに良い結果が出ていたとしても、自分の行動によって引き起こされたと説明できないなら自分の価値にはなりません。自分自身による工夫を施していない業務経験にはチェックを入れず、この段階で切り捨ててください。
背伸びして書くと面接では必ず突っ込まれます。
突っ込まれた際、論理的に回答できないと「この人は話を誇張する傾向があるのでは」「この人は論理的な思考・説明ができない人では」と思われて大幅なマイナス点になってしまいます。
「自分で工夫した結果、その結果につながった」と自信をもって言える経験以外はこのタイミングでふるいにかけましょう。
結果の凄さよりも自分の思考・行動プロセスが重要
過去の経験を洗い出す際は、聞こえの良い結果をアピールしたくなりがちです。
- 社長賞を受賞した
- MVPを受賞した
- 歴代最高額を受注した
しかし、応募先のIT企業があなたに求めるのは「この人は当社で活躍してくれるか」の1点のみです。
そのため、結果よりも、何を考えどんな行動を起こしたのかを具体的に掘り下げてください。
インパクトのある結果をアピールしても、「この人が何を考えどんな行動した結果、その結果につながったのか?」「この結果につながったこの人の思考・行動特性は当社でも活かせるのか?」が論理的にわからないと、アピールにはならないのです。
工夫した経験から読み取れる自分の強みの棚卸
自分で工夫した業務経験リストができたら、その内容をもとに、自分にどんな強みがあるか抽出してみましょう。例えば、自分が持っていると読み取れる「○○力」を書き出してみてください。
自分の「○○力」を洗い出す際には、それがどんな能力か相手が頭の中で想像できるレベルまで具体的に書き出しましょう。
相手の頭の中で想像できるレベルまで具体的に!
具体化すると文字数が多くなると思いますが大丈夫です。尚、会社の外では活用できない「○○力」は転職市場では価値になりませんので、この段階で切り捨てましょう。
根拠となるエピソードを必ずセットに
あくまでもここまでの工程で書き出した「自分で工夫した業務経験リスト」の中から自分の○○力を抽出してください。
誰かに自分の強みをアピールする際は必ずその根拠を求められます。相手は、あなたがアピールする「○○力」が本当にあなたにあるのかチェックしたいからです。
自分が工夫した業務経験から○○力を抽出しておけば、その根拠を問われた際には、自分が工夫した業務経験という事実情報を回答することができます。
IT営業に必要なスキルとの共通点を抽出する
洗い出した「業務で自分が工夫した経験+その経験から読み取れる○○力」と、IT営業に必要なスキルとの共通点を探します。IT営業に必要なスキルは以下の通りです。
- 論理的思考力
- 周囲と協調するスキル
- ヒアリングスキル
- わかりやすく説明するスキル
IT営業に必要なスキルと共通するか否かで、IT営業への転職活動においてアピールするべき自分の強みを整理します。
- IT営業に必要なスキルと共通する点:
- メインでアピールすべき強み
- IT営業に必要なスキルと共通しない点
- 積極的にアピールはしない
IT営業に必要なスキルと共通点がない業務経験・スキルは、IT営業への転職活動では積極的にアピールしません。自分では思い入れがある経験だとしても、冷静に振り分けてください。
せっかくだから全部アピールしたいです…
自分の強みをアピールするための職務経歴書の枚数や面接での時間には限りがあります。
限られたスペース・時間の中で自分の労働力の価値を相手に理解させるには、優先度付けが必要です。
IT営業に必要なスキルと共通点がない業務経験・スキルは優先度を落としてください。
ただし、IT営業に必要なスキルと共通しないからといって、転職活動でアピールする強みの中から完全に捨て去る必要はありません。自分では需要がないと思っていても、応募先の企業や関係者によっては意外に需要があるケースもゼロではないからです。
積極的にアピールはしないものの、場合によっては刺さるかもしれないサブ的な位置づけに置いてください。
なぜ転職したいのか?転職の軸を洗い出す
ここまでは、IT企業に売り込むための自分の労働力の価値を整理してきました。言い換えると、企業に自分を選んでもらうための自己分析です。
一方で、自分が企業を選ぶための自己分析も必要です。
- 転職活動は様々な選択を迫られる
- 企業は応募者に対して、価値観の一貫性と自社との適合性を厳しく審査する
転職活動は選択の連続。目先にとらわれた判断は厳禁
転職活動を進めていると、選択を迫られるシーンに度々遭遇します。
- A社とB社どちらに転職するか?
- 内定は出たけど年収は現職より少し下がる。内定承諾すべき?
- ようやく内定が出て現職を退職しようとしたら強い引き止め交渉を受け、異動の希望をきいてあげると提案された…転職はやめるべきか?
仕事上の意思決定であれば上司や周囲へ相談しながら組織として意思決定します。
しかし転職活動では全て自分個人で意思決定しなければなりません。友人や家族に相談したとしても、最後に決めてその責任をとるのは自分自身です。
後悔しない選択をするために、自分自身の価値基準を明確に書き出しておくことをオススメします。
- なぜ転職したいのか?
- 今の仕事のままでは何故ダメなのか?
- 転職によって何を得たいのか?
転職活動を進めていく中で選択を迫られたら、自分の価値基準に立ち返ることで冷静に意思決定できます。
価値基準を認識せずにその場その場の気分で意思決定してしまうと、転職した後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクが高まります。
最初に自分の価値観を書き出しておけば、後の工程で迷った時の判断材料として活用できます。自分の価値観を書き出し認識しておかないと、後の工程で一貫性の無さを企業から指摘される恐れがあります。
全てを手に入れることはできない。優先度を決める
私の価値基準を書き出しました!
- 年収あげて良い暮らしがしたい
- ワークライフバランスのある企業で毎日17時に帰りたい
- ブランドのある有名大手企業で働きたい
- 今までとは違う仕事をしたい
- 市場価値を上げたい
全ての希望を満たすことはできません。
優先順位付けが必要です。
転職活動における企業選びは、住宅選びに似ています。住宅を選ぶ際、自分の希望を100%満たす物件は見つからないはずです。
- 1DK
- 駅から徒歩5分
- 近くにスーパーあり
- 築5年以内
- 宅配ボックスあり
- バストイレ別
- 独立洗面台あり
- 家賃5円以内
…こんな物件紹介してくだい!
ありません…
転職活動でも同様に、全ての希望を叶える企業は存在しません。優先順位が低い要望はそぎ落とす必要があります。
転職理由に立ち返れば優先順位は見えてくる
優先順位をつけろと言われても…どれもこれも捨てられません
今回の転職理由に立ち返ってください。
転職理由に直結する項目が、重視すべき要望です。
転職理由に直結しない項目は、そのレベルをどこまで落としても良いか許容範囲を考えてください。
転職理由 | 優先すべき項目 | どこまで下がってもいいか 考えておく項目 |
---|---|---|
年収を上げたい! | 年収 | ・ワークライフバランス ・業務内容へのこだわり ・企業名ブランド |
市場価値を上げたい! | 業務内容へのこだわり | ・年収 ・ワークライフバランス ・企業名ブランド |
自由な時間が欲しい! | ワークライフバランス | ・年収 ・業務内容へのこだわり ・企業名ブランド |
落としても良い許容範囲なんて言われても…
今あるものは失いたくありませんよ!
私自身が優先順位付けした際の体験談を紹介します。
転職経験者の体験談:優先順位付け
私はこれまで2回の転職を経験しています。自分の性格とこれまでの業務経験をふまえ、ジョブチェンジを理由とした転職でした。
転職理由 | 優先すべき項目 | 下がってもいいと覚悟した項目 |
---|---|---|
製品・サービス企画職の道に進みたい | 自分が得たい業務経験と合っているか | ・年収 ・ワークライフバランス ・企業名ブランド |
実際、1回目の転職では以下のような犠牲を伴っています。
- 年収ダウン
- 転職前830万→転職後730万へ
- 安定性ダウン
- 転職前は調査会社の格付けランクSの東証一部上場企業
転職後は調査会社の格付けランクDの未上場スタートアップ企業
「年収100万円ダウン」と聞くと、非常にネガティブな印象を受けます。しかし、税引き後の手取り額で見ると、実質下がる額は50万程です。
年収 | 税引き後手取り額 |
---|---|
830万 | 610万 |
730万 | 548万 |
更に、自分の生活コストを正確に計算すると、私は月25万あれば十分に満足して生活できることに気付きました。
- 自分に必要な年間コストは25万×12か月=300万
- 転職しても年間コストは十分に賄えるので金銭的なリスクはない
- 転職すれば自分が欲している経験が手に入る
以上のように、事実を冷静に整理した結果、「今は目先の年収よりも経験を優先する」と判断し、年収ダウン転職を決意しました。
今まであったものを失うのは誰しもが怖いものです。しかし、実際に何をどれだけ失うのか?失ったときに自分には具体的にどんな弊害があるのか?を冷静に分析すると、恐れるほどの損失ではないこともあります。
曖昧な不安を恐れるのではなく、具体的なリスクを冷静に見つめることで、自分が許容できるリスクを見極めることができます。
転職の軸は企業からもチェックされる
転職活動の軸は応募先の企業からも入念にチェックされます。何故なら、どんなに応募者の経歴やスキルが魅力的でも、入社してくれない又は入社後すぐ退職されたら企業にとってはメリットがないからです。
- 応募者の企業選びの軸が本当に自社と合っているか?
- 応募者の企業選びの軸と、面接での発言内容に一貫性はあるか?
内定をもらうためにも、自分の価値基準を見つめて、今回の転職に何を求めるのかを明確に言語化しておく必要があります。
中途採用を募集しているIT企業を知る
自己分析したら、応募するIT企業を探します。中途採用を募集しているIT企業の探し方は以下の2通りあります。
- 転職エージェントからIT企業を紹介してもらう
- 転職サイト上で自分で探す
それぞれの詳細を解説します。
転職エージェントからIT企業を紹介してもらう
最もオススメの探し方です。転職エージェントサービスに登録して、自分の希望にあったIT企業の募集枠を転職エージェントから紹介してもらいます。
転職エージェントとは?
「エージェント」とは日本語で「代理人」という意味です。
転職エージェントは、人を採用したい企業と転職希望者とを仲介する存在です。転職希望者を企業へ紹介し、選考の結果転職が決まると成功報酬を企業から受け取ります。
あなたに人材としての強みがあり転職できる可能性があるなら、転職エージェントは積極的にIT企業の募集枠を紹介してくれます。
何故なら、転職エージェントは、あなたの転職が決定すると内定年収の約30%を成功報酬として受け取るビジネスモデルだからです。
転職エージェントにとって、転職希望者は企業に売る商品と言い換えられます。転職活動とは、あなたの労働力という商品を、新たな販売先である企業に売り込むことを意味します。その過程で、転職エージェントは新たな販売先をあなたに紹介してくれる役割を担います。
転職エージェント利用の流れ
- 転職エージェントサイトに登録
- 転職エージェントと面談
- 転職エージェントから求人の紹介を受ける
- 応募したい求人に対して、職務経歴書と履歴書を提出して選考開始
転職エージェント利用にかかる費用
転職エージェント利用に際して、転職したい応募者側で費用はかかりません。転職エージェントは、応募者の転職が決定すると内定年収の約30%を、企業側から成功報酬として受け取るビジネスモデルです。
転職エージェントのメリット
転職エージェントは各企業の採用部門と繋がっており、世の中には公開されていない求人情報(非公開求人)を保有しています。公開されている求人についても、実際企業はどんな人を欲しているのか、表には書けない内部情報を持っています。
転職エージェントを利用することで、より多くの求人・情報に接触して、転職活動を優位に・効率的に進めることが可能です。
また、優秀な転職エージェントは求人を紹介するだけでなく、職務経歴書といった書類を応募前に添削してくれます。
転職エージェントをうまく活用すれば、未経験からIT営業に転職できる確率が大幅に上がります。
転職エージェントのデメリット
応募者にあまり魅力がないと転職エージェントに判断された場合、転職エージェントは積極的に求人を紹介しません。
「あなたに紹介できる求人はありません」とキッパリと断ってくる転職エージェントすらいます。
ひどい…!
転職エージェントも仕事でありビジネスなので仕方ありません。
転職エージェントは応募者の転職が決まらないと報酬をもらえません。転職が決まらなそうな人にはなるべく時間や手間をかけたくないのが、転職エージェントの本音です。「とりあえず応募だけでも」と闇雲に企業に紹介してしまえば、転職エージェントは企業側から「こんな人を紹介しないでほしい」とクレームを受け企業からの信頼を損なってしまう恐れがあります。
転職エージェントにとって、応募者は商品であり、お金を払ってくれる顧客は企業なのです。
転職エージェントを有効活用するためには、自分の労働力という商品の価値を転職エージェントに認識させることが重要です。
また、応募者の周到な準備によって転職エージェントを味方につけられたとしても、転職エージェントその人の良し悪しは完全に運任せです。優秀ではない転職エージェントに当たってしまう可能性もあります。
デメリットへの対策は本記事の後半で紹介しています。
転職サイト上でIT企業を探す
求人を公開している転職サイトを通じて、中途採用を募集しているIT企業を自分自身で探す方法です。
- リクナビNEXT
- DODA
転職サイトのメリット
自分自身で好きなだけ探して、好きなだけ応募することが可能です。
転職サイトのデメリット
公開されている情報のため、あなた以外の多くの転職希望者も同じ情報を見て応募してきます。必然的に、転職サイト経由での選考への応募数は大きくなります。大手企業や魅力的な求人であれば尚更です。
すると企業の採用担当者は、膨大な数の書類選考応募に対して、1つ1つ目を通して精査する時間をとれずに、ざっくりとした基準でふるいにかけてしまう可能性があります。じっくり時間をかけて職務経歴書を準備したのに、IT業界未経験という理由だけで落とされてしまう恐れがあります。
未経験からIT営業を目指すなら転職サイトより転職エージェント
一方で、転職エージェント経由の応募の場合は、どんな人でも選考に応募できるわけではなく、「この人は選考に応募する価値があるか」というふるいにかけられます。そのため、企業の採用担当者にとって、転職サイト経由での応募と転職エージェント経由での応募とでは大きな違いがあります。
転職エージェント経由で応募された書類については、企業の採用担当者はしっかりと目を通します。
以上をふまえ、「IT業界未経験」というハンデを乗り越える必要のある人は、転職サイトよりも転職エージェントを利用すべきです。
転職エージェントを有効活用するポイント
転職エージェントにはメリットとデメリットがあると本記事で解説しました。メリットを最大化しデメリットを打ち消すための対策を紹介します。
転職エージェントとの面談前の準備を徹底する
自分に対して転職エージェントがどれだけ人材としての価値を感じるか否かで、転職エージェントの対応品質は大きく変わります。
転職エージェントとの初回面談で自分の価値を感じてもらえなければ、IT営業への転職の道は一気に狭まります。転職エージェントとの面談は、企業との面接の前の、0次面接くらいのつもりで臨むべきです。
具体的に準備すべき内容は以下の通りです。
自己分析で整理した内容を転職エージェントサイトに登録しておく
転職エージェントサイトに自分の情報を登録すると、転職エージェント企業内であなたを担当する転職エージェントが割り振られます。転職エージェントサイトに登録する内容は以下の通りです。
- 住所、氏名、連絡先といった基本情報
- これまでの職務経歴
- 保有するスキル
- 転職を検討している理由
- 転職先として興味のある業界
- 転職後の希望年収
あなたを担当する転職エージェントは、転職エージェントサイトに登録した内容を見て、あなたの人材としての価値を一次判断します。
職務経歴と自分のスキルは、何も考えずに思うがままに入力する場合と、本記事にて解説したように体系的に整理した内容を入力する場合とではそのレベルに雲泥の差が生まれます。
必ず、転職エージェントサイト登録前に自己分析を済ませて、自己分析をふまえた職務経歴・自分のスキルを記載してください。
良い転職エージェントとのみ付き合う
どんな転職エージェントが自分の担当になるかは転職エージェント企業側で決定され、応募者側が選ぶ権利はありません。言い換えると、あなたがどんなに魅力的な人材であっても、転職エージェントのアタリハズレは完全に運任せとなります。
転職エージェントの当たりハズレって…?転職エージェントは転職のプロフェッショナルだから皆優秀ではないのですか?
転職エージェントも人間です。
転職エージェントとしてのスキルの高低はどうしてもバラつきがあります。
ダメな転職エージェントの特徴
私が出会ってきた、ダメな転職エージェントの特徴を紹介します。
こちらの要望をきかずにとにかく大量の求人を紹介してくる
転職をエージェントから多くの求人を紹介されると「自分にはこんなにチャンスがあるんだ」と思いがちです。
成功報酬目当てに、どこでもいいからとにかく転職させたいと考えている可能性があります。
自分が転職させたい企業に誘導尋問してくる
転職エージェントの成功報酬は、転職者のオファー年収の30%が相場です。そのため、転職者のオファー年収が高いほど成功報酬の額は高くなります。
- 年収600万で内定が出て転職→転職エージェントの報酬は180万円
- 年収400万で内定が出て転職→転職エージェントの報酬は120万円
成功報酬欲しさに、応募者の希望よりもとにかく年収重視の転職をすすめてくる転職エージェントも中には存在します。
IT営業を目指して転職活動をしているのに、こちらの要望を受け流して別業界の営業職をゴリ押ししてくる転職エージェントには注意してください。
良い転職エージェントの特徴
良い転職エージェントとは、応募者の要望や転職活動の軸を十分に理解した上で求人を紹介してくれます。
彼らは転職はあくまでもスタート地点であり、本当の目的は応募者が転職後にその企業で活躍することと理解しています。
良い転職エージェントは、初回面談において応募者の転職理由をかなり細かく質問してくる傾向があります。
転職エージェントは応募者に対して初対面の中で、人生を左右する転職先という選択肢を提案しなければなりません。
応募者の人生における価値観を理解した上で求人を紹介するために、細かく応募者へヒアリングするのは当然です。
初回面談で質問され続けると戸惑うかもしれませんが、たくさん質問してくるのは良い転職エージェントの証拠です。
ダメな転職エージェントに出会った時の対策
ダメな転職エージェントに当たってしまった場合、早々に見切りを付けて深く関わらないことを強くオススメします。
周到に準備してきたのに、運悪くダメな転職エージェントに当たってしまったせいで不本意な結果に至ってしまったら最悪です。
転職という人生の一大イベントは常に自分で主導権を持ってコントロールしましょう。
最適な転職エージェント登録は3~4社
優秀な転職エージェントに当たるかダメな転職エージェントに当たるかは完全に運任せです。
また、悪くない転職エージェントに当たったとしても、コミュニケーションの相性が合わないこともあります。
転職エージェントサイトを1社のみ登録していると、ダメな転職エージェントや相性の悪い転職エージェントに当たった際、他に選択肢がありません。
自分の人生を左右する転職という一大イベントを、運悪く当たってしまったダメな転職エージェントに委ねてはいけません。
ダメな転職エージェントに当たってしまったときは即距離を置くことを目的に、あらかじめ複数の転職エージェントサイトに登録してください。
同時に登録すべき転職エージェントサイトの目安は3社です。
3社の転職エージェントと面談すれば、どれか1人はまともな転職エージェントに出会えるはずです。
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hape Agent(エイプエージェント)の評判やメリット・デメリットなどの詳細は以下の記事で解説しています。
未経験者がねらい目のIT企業
10年間IT営業として勤務していた筆者の経験から言うと、未経験からIT営業を目指す人には、これまで属していた業界に関連するIT営業職のポジションがオススメです。
なぜなら、これまでの経験をふまえた即戦力性が評価されやすく、転職後も活躍しやすいからです。
IT企業の中には、特定の業界向けのサービスを提供している企業や、特定の業界向けの部署を持っている企業が存在します。
自分がこれまで所属していた業界相手にサービスを提供している企業・部署に入れば、過去の経験を活かすことが可能です。
ターゲットを絞るほど課題解決度合いが深まる
なぜわざわざ特定の業界向けのサービスや部署を作るのですか?
ターゲット顧客を絞った方が顧客の課題解決の度合いが深まるからです。
ターゲットを絞らない商品 | ターゲットを絞った商品 |
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フィット感抜群のシューズ | ・中高年がウォーキングするときに膝を傷めないシューズ ・サッカー部員が試合で実力を発揮できるスパイクシューズ ・登山で足を守るトレッキングシューズ |
以上は身近なものに例えた例ですが、IT業界でも同様です。
ターゲットを絞らない商品 | ターゲットを絞った商品 |
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販売管理システム | ・保険会社向け販売管理システム ・建設会社向け販売管理システム ・アパレル向け販売管理システム |
IT企業の中で業界別に部署が分かれているケース
大手IT企業では、担当する顧客をグルーピングして部署を分けているケースが多いです。
営業部の中で業界別に部署を分けているパターンと、営業+エンジニアがセットの事業部ごと業界別に分けているパターンがあります。
- 担当顧客の業界別に部署を分けているIT企業
- 富士通、NTTデータ、日立 等
IT企業1社まるごと特定業界に特化しているケース
IT企業の中で業界別に営業部を分けるのではなく、IT企業そのものが特定の業界に特化しているケースもあります。
- 特定の業界に特化しているIT企業
- エス・エム・エス、スパイダープラス、メドレー、キャディ
特定業界の経験はIT企業内で重宝される
正直、ITに関する知識はIT企業に入れば仕事をしていく中で身につけられます。
IT企業はITを専門としている企業であり、社内に知見もたまっているからです。
しかし、IT企業にとっての顧客の業界に関する専門知識は別です。
貴重な顧客との商談の中で情報収集したり、市販されている書籍や業界紙から学ぶくらいしか手段がありません。
そのため、特定の業界内での業務、風習、文化、トレンドを知っている人はIT企業内では貴重な存在なのです。
IT企業によっては、自社製品開発における重要な情報提供者として「ドメインエキスパート」という職種で採用をかけているケースもあります。
例えIT業界は未経験だったとしても、あなたがこれまで培ってきた経験を欲しているIT企業は存在するのです。
IT営業の実体験:IT業界未経験でも前職の業界知識を活かして貢献
実際、私がIT営業として特定の業界向けのサービスを担当していた時、中途入社でIT業界未経験の人が隣の部署に入社してきました。
彼は私が担当するサービスの提案先業界に勤務していた経験があったので、業界の勉強会を開いていただき、チームに対して非常に有益な情報を教えてくれました。
IT営業の求人を探す際は、自分のこれまでの経験と関連するサービスを提供しているIT企業や部署の中途採用枠がないか是非調べてみてください。
選考に応募する準備
応募するIT企業を見つけたら、書類選考の準備に着手します。
必要な書類は職務経歴書と履歴書の2点です。
職務経歴書と履歴書の書き分け
職務経歴書と履歴書は役割が異なるため、記載する内容は明確に分けます。
- 職務経歴書とは
- 自分の業務経験や仕事に活かせるスキルを伝えるための書類です。経験してきた仕事の具体的内容を記載します。
- 履歴書とは
- 年齢・生年月日・住所・連絡先・学歴・現在年収・配偶者有無といった基本的なプロフィールを伝えるための書類です。
他、志望動機も記載します。
転職の選考において企業が重点的に内容を見るのは職務経歴書です。
なぜなら、企業側は選考を通じて応募者が活躍してくれそうかを知りたいためです。
職務経歴書と履歴書の最適な枚数
- 職務経歴書の枚数
- A4サイズ×2枚
ただしアピールしたい経験・スキルが2枚に収まらない場合は最大4枚まではOK - 履歴書の枚数
- A4サイズ×2枚
履歴書と職務経歴書はそれぞれA4サイズ×2枚が最適です。
しかし、自己分析の結果、応募先のIT企業で活かせそうな経験・スキルを記載しようとするとどうしても2枚には収まらない場合は最大4枚までは許容範囲です。
実際、私は2回目の転職活動時は4枚の職務経歴書を提出し内定をもらっています。
職務経歴書と履歴書はパソコンで作成してPDF提出
IT企業への応募においては、職務経歴書と履歴書を手書きで作成してはいけません。
必ずパソコンで作成し、PDFファイルで提出します。
手書きの書類は即落選のリスクあり
紙に手書きで書いた方が本気度合いが伝わるのでは?
紙でも電子ファイルでも読み取れる情報に変わりありません。
逆に紙の場合、提出先の企業内で共有する際、先方がスキャンして電子ファイルにする手間が発生して利便性に欠けます。
そもそもIT企業においては手書きで書類を作成するシーンはほぼありません。
全てパソコンで作成し電子ファイルでやりとりします。
手書きの書類で応募したら、「この人は当社の仕事のイメージが全くできていないな」と判断され、内容を見る前に即落とされる可能性すらあります。
GoogleDocs・Googleスプレッドシートでの作成がオススメ
パソコンで書類作成する際は、以下のアプリの中のどれかがオススメです。
- 文書作成アプリ
- GoogleDocs
- 表計算アプリ
- Googleスプレッドシート
どれも無料で使えます。
職務経歴書・履歴書のフォーマット
職務経歴書と履歴書に決まったフォーマットはありません。
応募先の企業から指定されることもなく、応募者が自由に決定します。
言い換えると、自分の経験やスキルを最も効果的に企業に伝えるためのフォーマットを自分で選択できるのです。
IT営業経験者が転職活動に使ったフォーマットを公開
私が転職活動において実際に使用した職務経歴書と履歴書のフォーマットを公開します。
以下のダウンロードボタンを押して利用してください。
職務経歴書のフォーマット
IT営業ノートの職務経歴書フォーマットのメリット
- 時系列に沿った業務経歴欄
- 特に伝えるべき業務エピソードを記載する「活かせると考える具体的業務経験」欄を用意
- 「STARフレームワーク」に沿ったわかりやすい表形式
履歴書のフォーマット
IT営業ノートの履歴書フォーマットのメリット
- 履歴書として必要な情報をシンプルに記載するフォーマット
- 選考で重要視される志望動機は目立つよう欄を大きめに設定
職務経歴書のポイント
IT営業職を目指す場合、職務経歴書の完成度は合否を左右します。
何故なら、企業に刺さる職務経歴書を作成できる応募者に対しては、IT営業として入社後に活躍できそうと企業側は感じるからです。
職務経歴書は自分自身の提案書
IT営業は実際の業務において提案書を作成することが多々あります。
顧客は提案書の内容を見てどのIT企業の製品を契約するか決定します。
顧客からの受注を目標とするIT営業にとって提案書とは、それまで受注のために費やしてきた労力の結晶です。
これまでヒアリングしてきた顧客の課題、課題の分析、課題に対して自社製品の価値訴求、ヒアリングした顧客の予算感を考慮した提案価格など・・・
準備してきた全てを漏れなく・ダブリなく・わかりやすく並べて、顧客から受注を勝ち取るのが提案書です。
提案書作成スキルの高低はIT営業のレベルそのものを表すといっても言い過ぎではありません。
一方で、転職活動とは、自分の労働力という商品を企業に売り込む活動です。
転職活動における職務経歴書とは、自分自身の提案書と言い換えられます。
応募する求人に合わせて職務経歴書を作成する
職務経歴書は自分という商品を相手に買ってもらうための自分自身の提案書です。
「自分の経験・スキルをアピールする書類」ではなく、「相手の要望を自分が満たすことを伝える書類」という意識が必要です。
まずは提案先の相手の具体的要望を把握することから始めます。
応募先の求人票に記載されている、求める人材像を細かく確認し分析してください。
求人票には以下のような内容が記載されています。
- 仕事内容
- 求める経験・スキル(必須要件)
- 求める経験・スキル(希望・歓迎要件)
- 志向・スタンス
1ページ目には時系列に沿った業務経歴の要約
読み手がまず目にする1ページ目には、自分がどんな経験をしてきたのかがパッとわかるように業務経歴を箇条書きします。
ただし、書けるスペースには限りがあるため、全ての経験を漏れなく書き出すとスペースが足りなくなる可能性もあります。
自己分析の際に洗い出した、「IT営業に必要なスキルと共通する点」を優先的に記載してください。
また、あなたの職務経歴書を読む応募先の人事部やIT営業には、あなたがこれまで経験してきた仕事や分野に関する知識は全くありません。
いきなり業務経験を箇条書きすると読み手が混乱する恐れがあるため、以下のような順で記載しましょう。
- 担当業務の要約
- その業務を担っていた時期
- その業務における自分の役割
- (法人向け営業業務であれば)担当する顧客の業界・規模
- 経験した具体的業務の箇条書き
- 実績の箇条書き
部署異動や過去にも転職していて、複数の業務を担当していたことがある場合は、その業務のブロック毎に上記を記載してください。
尚、私が公開している職務経歴書フォーマットでは、上記ブロックがあらかじめ作成されています。
2ページ目には思考特性・行動特性を交えたエピソードを記載
具体的業務を箇条書きしただけでは職務経歴書として不十分です。
何故なら、「実施してきた具体的業務」という事実を伝えるのみでは、IT業界未経験のあなたがIT営業として活躍できそうという判断ができないからです。
そこで2ページ目には、あなたの思考・行動特性も交えたエピソードを記載します。
壁にぶつかった時、何を考え・どんな行動を起こしてきたのかというエピソードは、あなたがIT営業になった際も同様の思考・行動を起こしてくれるのではという期待感を相手に感じさせます。
このエピソードは職務経歴書の中で最大の武器です。エピソードから読み取れる思考・行動特性が応募先のポジションが求める人材にどれだけ当てはまるか否かで、書類選考およびその後の面接選考の合否が大きく変わります。
言い換えると、「壁にぶつかった時、何を考え・どんな行動を起こしてきたのかというエピソード」によって、応募先ポジションの「求める人材の要件」を満たせそうと企業に思わせれば、書類選考は確実に通ります。
エピソードは「STAR」の順に
どんなに素晴らしい経験をしていても、それが相手に伝わらなければ価値を感じてもらえません。
簡潔に、確実にあなたの価値を伝えるためには、「STAR」フレームワークを用いてください。
STARフレームワークとは、職務経歴を効果的に伝える手法であり、以下の順に自分の経験を書き出します。
- Situation・・・どんな環境・状況で
- Task・・・どんな目標を持ち/どんな課題に対して
- Action・・・自分は何を考え実行して
- Result・・・結果どうだったか
STARにおける文量の比率には注意してください。
最も具体的且つ詳細に書き出すべきは、「Task」と「Aciton」の2つです。
全体の中での文量の割合 | ||
Situation | どんな環境・状況で | できるだけ簡潔に書き、分量の割合を小さく |
Task | どんな目標を持ち/どんな課題に対して | できるだけ具体的に詳細を書き、文量の割合大きく |
Action | 自分は何を考え実行して | できるだけ具体的に詳細を書き、文量の割合大きく |
Result | 結果どうだったか | できるだけ簡潔に書き、分量の割合を小さく |
結果はアピールした方が良いのでは…?
逆です。職務経歴書に記載するエピソードでは結果は二の次であり、思考・行動特性をアピールすべきです。
どんなに聞こえの良い成果でも、それを聞いただけでは、同レベルの成果を別の環境でもたらしてくれるかはわかりません。
IT業界とは別の業界での結果を下手にアピールすれば「IT業界で同じ結果出せると思っているのか?」と反感を持たれる恐れすらあります。
企業が知りたいのは、あなたがIT営業になった後にこれまでと同様の結果を再現してくれそうか否かなのです。
再現性を判断するためには、伝えるべきは結果情報よりも、「自分はこういうシーンではこんなことを考えこんな行動を起こす特性がある」というプロセス情報です。
エピソードにはできるだけ数字を入れる
情報を読み手に正確に・有効的に伝えるためには数字を活用してください。
数字を用いることで、読み手はあなたのエピソードについて具体的なイメージが沸くと共に、「この人は定量情報を抑えているんだな」と読み手に感じさせるアピールにもなります。
用いる数字の例 | ||
Situation | どんな環境・状況で | ・何人のチーム? ・部署の売上 ・利益の規模は? |
Task | どんな目標を持ち/どんな課題に対して | ・目標数字はいくら? ・目標に対してその時の達成率はどれくらい? 課題を数字で表すと? |
Action | 自分は何を考え実行して | ・施策を考えた時は何か数字情報を用いて施策を考えた? |
Result | 結果どうだったか | ・施策実施前後で数字がどう変化した? ・目標達成率は? |
実際にIT営業は顧客への提案時にも定量情報を多用します。
エピソードは2~4つ
エピソードは職務経歴書の柱となるコンテンツです。
1つだけでは企業への価値訴求が弱いので、2つ以上は書いてください。
1~2つしかないという場合は、1つのエピソードの記載内容の具体性を上げてボリュームを大きくし、エピソード数ではなく1つのエピソードの質の良さで勝負してください。
自己PR欄には「自ら学んだ経験」が有効
エピソードを書いた上で欄が余っていれば、自己PRを記載してください。
自己PRは「業務に活用できる知識を自ら収集した経験」を記載するのがオススメです。
IT業界が他の業界と大きく異なる点として、技術進化のスピードが速すぎることがあります。
3年前に主流だった技術や製品が廃れてしまうという事態が普通にあります。
IT業界未経験に対して企業側は「この人はIT業界のスピード感についてこれるかな?」という懸念を必ず持ちます。
技術進化のスピードについてこれるかという懸念に対しては、「これまでも仕事に必要な知識を自ら学んできた」という経験は非常に有効です。
尚、あなたが自発的に学んだ知識がIT技術である必要はありません。
自発的に知識を収集した姿勢が重要なのです。
余った最後の1行に資格情報を記載
自己PRを記載し、最後に余った欄には保有資格を記載してください。
IT営業への転職活動において資格の取得有無は影響しないので、最後の1行に書く程度で全く問題ありません。
書類選考通過後も使われることを意識する
職務経歴書は書類選考を通過したら役目が終わるわけではありません。
最終面接後の審査まで企業内で使われます。
面接では面接官は職務経歴書の内容に沿って質問してきます。
書類選考後の面接とは、「職務経歴書の内容に関するQ&A」と「他に企業が聞きたいことのQ&A」と言い換えられます。
面接でどんな質問がきても回答できるよう、「この仕事は自分でやってきた」と自信を持って言える内容を職務経歴書に書いてください。
職務経歴書の使いまわしは厳禁
1つの職務経歴書をそのまま使いまわして複数の求人に応募してはいけません。
1つ1つの求人の求める人材像に合わせて職務経歴書を作成してください。
1社毎に職務経歴書を作るのはめんどくさいです…
確かに効率面を考えたら1つの職務経歴書を使いまわした方が良いでしょう。
しかし、応募先の求人の仕事内容や会社の文化はそれぞれ微妙に異なります。
言い換えると、求める人材像も異なるということです。
職務経歴書を使い回していると、応募先の企業担当者からも見透かされる恐れもあります。
尚、優秀なIT営業は提案書の使い回しはしません。
同じIT製品の提案でも、提案先の顧客が抱えている課題が全く同じことはないからです。
提案先の顧客に100%合わせた提案書を作ることで、提案内容の価値の訴求度合いを少しでも上げることを狙います。
逆に、あまり優秀ではないIT営業は提案を使い回す傾向があります。
中には、提案書を使いまわしたことにより別の顧客に提案した時の顧客名が提案書内に残っていて、顧客からの信頼を損ねる事故が発生することもあります。
履歴書の記載内容
履歴書には、以下の基本的なプロフィール情報と志望動機を記載します。
- 氏名
- 年齢
- 生年月日
- 住所
- 連絡先
- 学歴
- 職歴
- 現在年収
- 配偶者有無
学歴は「どの高校をいつ卒業したか」から記載してください。
小学校・中学校の入学・卒業時期は不要です。
職歴については、履歴書に記載するのはこれまで勤務してきた企業名とその入退社日のみで問題ありません。
職歴の詳細は職務経歴書に記載するからです。
履歴書に貼る写真はスタジオで撮影してデータで受領
履歴書に貼る写真はスタジオで撮影してください。
スマートフォンで自撮りすれば0円で済みますが、自撮りとプロに撮ってもらう写真では品質に雲泥の差があります。
撮影した写真は必ず画像データでもらってください。
履歴書をExcelやGoogleスプレッドシートで作成するためです。
画像データのファイル形式はjpgにしましょう。
スタジオ撮影で画像データ納品希望の場合、撮影に必要な費用の相場は5,000円~10,000円です。
自撮りでも写真は撮れるのだから、10,000円近く払うのはもったいないのでは?
逆です。
10,000円近く払えば好印象な写真を撮れるのはお得です。
選考は他の応募者との競争でもあります。
企業側で応募者を絞り込んでいった際、最終的にあなたと他の応募者1人のうちどちらに内定を出すかという状況になることは珍しくありません。
その際に、履歴書の写真の印象といったわずかな差であなたが競り負けてしまう可能性はあります。
せっかく時間をかけて準備してきたのに、履歴書の写真1つで内定を逃すのは非常にもったいないです。
自分を評価してもらうためには細部まで手を抜いてはいけません。
写真については10,000円程度の出費で細部への対策をとれてしまうので、安い買い物と考えてください。
志望動機は選考の合否に関わる
履歴書には基本的プロフィール情報の他に、志望動機を記載します。
履歴書と職務経歴書を比較すると選考において重要なのは圧倒的に職務経歴書なのですが、履歴書に記載する志望動機だけは別です。
志望動機は、職務経歴書に記載する経験やスキルと同じくらい選考の合否に影響します。
企業は「入社してくれそうで、長期間活躍してくれそうな人」が欲しい
企業はただただ優秀な応募者に内定を出すわけではありません。
なぜなら、「この人はIT営業として活躍しそう」と思っても、内定を出して辞退されたり、入社後短期間で退職されたら意味がないからです。
内定を出すこと、中途採用で人を採用することは、企業側でリスクを背負っています。
内定を出す | 中途採用で人を採用する | |
企業が背負う リスク・コスト | 採用枠は限られているため、良いなと思っている候補者が他にいてもその候補者を選考から落とす必要がある | 採用した候補者の年収の30%を転職エージェントに成功報酬として支払う |
企業が損害を 負うケース | 他の候補者は選考から落とした上で1人に内定を出したが、その人から内定辞退された。イチからまた選考しないといけない。 | 内定者の年収30%を転職エージェントに支払い、内定者が入社した。しかし3か月後、その内定者が退職した。 |
応募者がIT営業として活躍してくれそうか否かは、職務経歴書の内容から読み取れます。
一方で、「内定を出したら本当に入社してくれそうか否か」「入社後すぐに辞めずに長期に渡って活躍してくれそうか否か」は職務経歴書からは読み取れません。
職務経歴書には、応募者の経験、スキル、思考・行動特性は記載されていても、応募者の仕事に対するモチベーションや価値観は明記されていないからです。
企業側は、履歴書に記載された志望動機をもとに、応募者の入社意欲と入社後の定着性を判断します。
未経験からIT営業を目指す際の志望動機
未経験からIT営業への転職の場合、応募者はIT業界での仕事経験がない状態でIT業界を志望していることになります。
IT営業に転職したい本音を洗い出す
まず、IT営業を志望している本音を書き出してください。
自己分析の時に洗い出した「なぜ転職したいのか?」という転職の軸をそのまま書き出す形でOKです。
書き出した本音はそのまま志望動機にはしません。
企業が応募者を採用したくなるような志望動機に変換していく必要があります。
IT業界・IT営業への志望動機
他の業界ではなくなぜIT業界の営業職を志望しているのかを書き出してください。
この際、企業側が見た時に「この人は他業界ではなくIT業界でIT営業として働く意欲がありそう」と感じそうかを意識してください。
例えば、以下のような志望動機からは意欲を感じられません。
IT業界・IT営業への志望動機 | 企業側が感じる疑問 |
---|---|
年収を上げたい | 年収を上げるだけなら他業界でも良いのでは?本当にIT業界で働きたいのか? |
将来性のある業界で働きたい | 他業でも将来性はあるのでは?本当にIT業界で働きたいのか? |
でも、本音は転職エージェントが紹介してくれて興味持ったから応募した程度なので…
実際、その通りだと思います。
そこで、IT営業未経験者が使いやすい志望動機のテンプレートを紹介します。
面接官経験者が公開する志望動機テンプレート
自分の過去の業務経歴をもとに、以下の作文が書けないか考えてください。
- 現職での顧客とのやりとりを通じてIT業界を志望 型
- 現職では○○業界で営業職として、担当顧客へ○○を提案する業務に従事しています。
その中で、各顧客は市場での競争力を上げるために、業務のデジタル化による効率化や、データ収集の仕組み化とその活用による商品設計等、IT投資に積極的に踏み出していることを知りました。
顧客と会話をしていく中で、今後は私もITの力で顧客を支援する世界に挑戦したいと考え、IT業界の営業職を志望しています。
自分の実体験をもとにした志望動機は、誰にでも書ける内容ではないため他の応募者との差別化に繋がります。
「現職での担当顧客とのやりとりを通じてIT業界を志望した」という志望動機は、応募先企業に「この応募者は社会全体がIT化を進めようとする気配を肌で感じ取っているんだな」と、あなたのビジネス感覚をアピールする効果もあります。
でも、現職で顧客とITの話なんてしていませんよ…
エピソードを捏造してもいいのですか?
捏造はいけません。
突っ込まれて質問を受けた際にぼろが出ます。
現職で担当顧客とITの話をしたことがないなら、以下のテンプレートを活用してください。
- 現職での顧客への更なる価値提供を目的に調査した結果、IT業界を志望 型
- 現職では○○業界で営業職として、担当顧客へ○○を提案する業務に従事しています。
今後の顧客の経営戦略を調査している中で、いずれの顧客も、市場での競争力を上げるために、業務のデジタル化による効率化や、データ収集の仕組み化とその活用による商品設計等、IT投資に積極的に踏み出していることを知りました。
営業として担当顧客へ提供できる価値をより大きくしていくには、今後各顧客が投資を増やしていくIT領域へ自分も挑戦したいと考え、IT業界の営業職を志望しています。
上記のテンプレートであれば、顧客とITの話をしていなくても採用可能です。
ただし、面接の中で「具体的にどんな企業を担当していて、その企業はどんなIT投資をしようとしているの?」と突っ込まれる可能性はあります。
上場企業であればIR資料にIT投資戦略内容が記載されているので、面接で突っ込まれても回答できる情報があると確認した上で、上記テンプレートを採用してください。
作成した書類を転職エージェントに添削してもらう
職務経歴書と履歴書を作成したら、必ず提出前に転職エージェントに中身を見てもらってください。
自分では気付けない観点の指摘をもらえたり、単純な誤字脱字のチェックにも役立ちます。
職務経歴書と履歴書をPDFファイルにして、メール添付で転職エージェントへ送付しましょう。
書類選考
職務経歴書と履歴書を転職エージェントに添削してもらったら、書類選考に応募します。
応募といっても、PDFファイルにした職務経歴書と履歴書をメール添付で転職エージェントに送付し、書類選考への応募を依頼するだけで大丈夫です。
企業への送付は転職エージェントが対応します。
書類選考の合否結果は1週間が目安です。
準備しつくした上での落選は仕方ない
ここまで紹介してきた手順で準備した上で書類選考に落選したら仕方なしと捉えてください。
企業が求める人材要件と、あなたの経験がたまたま合わなかっただけです。
転職活動は需要と供給のマッチングの世界であり、人材としての価値の高低は全く関係ありません。
選考に落ちたからといって「自分の価値は低いのでは」等思ってはいけません。
あなたは今回未経験のIT業界への転職に挑戦しているので、募集企業の需要と合わないケースが発生するのは自然なことです。
もしもあなたが現在所属している業界の中で転職活動すれば、必ずあなたを欲しがる企業はいます。
これまで仕事をして給料をもらってきている以上、あなたの労働力に価値があるのはゆるぎない事実です。
3回連続で落選したら要注意
書類選考での落選は仕方ないことですが、もしも3回連続で書類選考落ちしたら、職務経歴書と履歴書の内容が、IT営業を募集している企業の需要と合っていない可能性があります。
IT営業に求められるスキル・マインドと、職務経歴書に記載の仕事経験やエピソードが合っているか見直してください。
また、落選理由を企業側へヒアリングしてほしいと転職エージェントへ依頼しましょう。
何故落選したのか理由がわかれば、適切な対策を施せます。
重要なのは、落選をそのままスルーして何も考えずに次の企業の書類選考に応募するのではなく、落選の事実を冷静に受け止めて改善していくことです。
重要なのは、落選をそのままスルーして何も考えずに次の企業の書類選考に応募するのではなく、落選の事実を冷静に受け止めて改善していくことです。
面接選考
書類選考を通過すると、次は一次面接に進みます。
面接選考を行うということは、企業はあなたに対して「この人はIT営業として当社で活躍できるかもしれない」という期待を持ったという事実を意味します。
未経験でもIT営業になれるチャンスを得た事実を認識し、自信を持ちましょう。
面接は減点方式。準備が全て
企業は面接を通じて、以下の点をチェックしてきます。
- 職務経歴書を見るとIT営業として活躍できそうな感じはするけど、職務経歴書の内容はどこまで本当なのか?
- 書類選考だけでは感じ取れない、人柄、雰囲気、ビジネスマナーはどうか?
- 1対1のコミュニケーション能力はどうか?当社の営業として顧客の前に出しても大丈夫なレベルだろうか?
一般的に、職務経歴書は加点方式、面接は減点方式と言われています。
つまり、徹底的に準備することで減点をゼロにできれば、あなたは職務経歴書の内容通りの人物と認定され、内定をもらうことができます。
想定問答表を作成し事前練習しておく
面接官から聞かれる質問は大体予想できます。
必ず想定問答表を作成して回答を頭に叩き込み、事前に練習してください。
質問に対する回答を面接のその場で考えて回答してはいけません。
受けるであろう全ての質問を事前に書き出し、回答を準備し覚えておくのです。
全部事前に準備して覚えておくのですか…?
なんか、やらせっぽいのでは…?
企業はあなたがどれだけ面接の準備しているかもチェックしています。
面接のその場で回答を考えている素振りを見せれば、「この人は準備をせずに仕事する人なんだ」と思われてしまいます。
- IT営業は準備が命
- 実際にIT営業が仕事において重要な提案プレゼンを行う際、優秀なIT営業は必ず徹底的に事前練習しています。
予想される質問も全て事前に洗い出して回答を準備しています。
やり直しの聞かない、且つ受注できるか否かを左右するプレゼンという一大イベントに、事前練習無しに臨むのはIT営業として自殺行為です。
人生を左右する転職活動の中で、面接とは、自分の労働力という商品を企業に買ってもらえるか判断してもらう重要なイベントです。
人生を左右するかもしれない転職面接の場に、練習なしにのぞむのは危険すぎます。
また、ここまで職務経歴書・履歴書に多大なる時間を投下してきたのに、練習しないで面接に臨んだ結果落選するのは非常にもったいないです。
回答内容だけでなく話し方も準備次第で変わる
事前に想定問答表を準備しておけば、回答内容だけでなくあなたの話し方も洗練されます。
考えながら話すよりも、事前に用意して練習しておいた内容を話す方が精神的に余裕が生まれて声のトーン・話すスピード・自分の表情に気を配れるからです。
特に大きなメリットとして、「えー、」「あのー、」「そうですね、」といった、意味のない繋ぎ言葉を完全に消し去ることができます。
同じ内容を話していても、無意味な言葉あるか否かで聞き手の印象は全く変わります。
以下は全く同じ内容の話をした際の比較です。
- 無意味な言葉がないパターン
- 私は現在金融機関で法人営業を担当しています。
これまでの業務で顧客の資金計画を支援していく過程で、積極的なIT投資をすることで財務体質を改善していった顧客を何度も見てきました。
その経験の中で、今後はITの力で顧客を支援していく側に回れば、顧客の経営戦略まで踏み込んで貢献できるのではないかと考え、IT業界に興味を持ちました。 - 事前に練習せずに無意味な言葉を挟んでいるパターン
- えー、私は現在金融機関で、えー、法人営業を担当しています。
そこでですね、えー、これまでの業務でですね、顧客の資金計画を支援していく過程で、えー、積極的なIT投資をすることで、えー、財務体質を改善していった顧客をですね、何度も見てきました、はい。
その経験の中で、えー、今後はITの力でですね、えー、顧客を支援していく側に回れば、顧客の経営戦略まで踏み込んで貢献できるのではないかと考えまして、IT業界に興味を持ちました、はい。
上記を読んだ際にどちらがIT営業として活躍できそうな印象をもつかは一目瞭然です。
つい口癖で「えー」って言ってしまいそう…
回答内容を覚えて練習しておけば確実に減らせます。
「えー、」「あのー、」「そうですね、」といった、意味のない繋ぎ言葉を使ってしまう原因は、次に続く言葉を言うまでの間の沈黙を恐れているからです。
回答内容を覚えて練習しておけば、次に何を言うかは頭の中に叩き込まれていて沈黙を恐れる必要がないので、「えー」等言わなくて済むのです。
事前に準備しておけば簡潔な話し方もマスターできる
面接では、質問への回答内容、その話し方だけでなく、どれだけ簡潔に回答できるかもかなり重点的に見られています。
以下のようなコミュニケーションをとるIT営業は社内外から信頼されないからです。
ダメなIT営業のコミュニケーション
- 結論からは話さず、最後まで聞かないと何を言いたいのかわからない
- 結局何が言いたいのかわからない
- 話が長い
上記のようなコミュニケーションを面接でとってしまうと、「この人はIT営業として活躍できないな」と判断されて即落とされます。
簡潔なコミュニケーションをとるスキルは1日やそこらで短期的に身につくものではないため、今から面接までに完璧に身につけるのは難しいです。
しかし、あらかじめ簡潔な回答内容を準備して練習しておけば、面接においては「簡潔なコミュニケーションをとれる人だ」と思わせることができます。
想定問答表で回答を準備する際は、以下のポイントに気を付けてください。
簡潔な回答を準備するための質疑応答表の書き方
- 回答は結論から書く
- 回答の文字数は600文字以内にする。(300文字のスピーチ=1分間が目安であり、1回の回答は2分以内に必ず納める)
面接は自己PRの場ではない
想定問答表で回答を記載する際は、以下の点を意識してください。
- 面接は自己PRの場ではない
- 面接とは「この会社で成果を出し続けてくれるか?」を企業が判断するデータ収集の場
- 面接の質問の意図は全て「この会社で成果を出し続けてくれるか?」の1点のみ
面接の本質を理解しているか否かで、準備する回答の内容が変わってきます。
面接の本質をとりちがえていた筆者の体験談
私は以前、面接とは自分の強みや過去の経歴をわかりやすくシンプルに伝える場だと考えていました。
そのため、やったことない業務については「その業務はやったことありません」と正直に簡潔に答えていました。
しかし正直に答えるだけでは質問の意図に答えていないのです。
なぜなら、「やったことはありません」という回答は、正直で簡潔ではあるものの、「この応募者はこの会社で成果を出し続けてくれるか?」を判断するための情報になっていないからです。
質問に回答するのではなく、質問の意図に応える
例えば、IT業界の営業職は、日常の提案の中で提案書を作成します。
一方で、他の業界の他の仕事では、提案書を作成しない仕事もたくさんあります。
あなたはこれまで提案書を作った経験が無い中で、面接官から「当社の営業は提案書を作成することになるのですが、提案書の作成経験はありますか?」と質問されたらどう回答しますか?
面接の本質を理解しているかで回答の仕方は大きく変わります。
面接官が本当に知りたいのは「提案書の作成経験があるか否か」ではなく、「あなたがIT営業として成果を出し続けてくれるか否か」です。
面接官の本当の要望に焦点を当てれば、以下のような回答ができます。
- 面接官の質問の意図をとらえた回答
- 現職で提案書を作成したことはありません。
ただ、提案書とは、顧客の現状と理想を分析し、理想に近づくために自社の製品がどのように貢献するのかのシナリオを相手にわかりやすく記載した書類だと考えています。
そのような経験なら、現職のxxxにおいて経験があります。
上記の回答であれば、面接官は「この人はIT営業の提案書作成と似たような経験をしているから、当社で活躍してくれるかも」と思うのではないでしょうか?
少なくとも、面接官の真の要望を理解せずに「いいえ、提案書作成の経験はありません」とシンプルに回答するよりは確実に良いはずです。
質問の意図を意識して質疑応答表を準備しておく
質問の意図を見抜いて応えるのは高等スキルです。
その場その場でのコミュニケーションにおいて都度相手の質問の意図に的確に回答するには長期間の訓練が必要です。
しかし、あらかじめ質疑応答表で回答を準備しておくと、じっくりと回答を練ることができます。
質疑応答表で回答を作成する際は、全ての回答に対して、「この回答は相手に対して「私がIT営業として成果を出し続けられる」ことの根拠になるかな?」とチェックしてください。
尚、質問の意図を見抜いて応える技は高等スキル故希少性があり、他の候補者との差別化要素になります。
未経験からIT営業を目指す人はIT知識では他の候補者よりも劣るため、面接は徹底的に準備して「質問の意図に応えられる人」という印象を相手に植え付けてください。
「この人はIT業界は未経験だけど、こちらの質問の意図を汲んで的確に回答してくれる。こんな感じでお客様とコミュニケーションしてくれたら、きっと優秀なIT営業になれる」と思わせたら面接は通過したも同然です。
Web面接は事前の接続検証と静かな場所の確保を
想定問答表は完璧に準備しておいたのに、Web面接の当日Web会議ツールの接続がうまくいかずあわててしまい、平常心で臨めなかった…
そんな事態は絶対に防ぎましょう。
ここまで周到に準備してきたのに、Web会議ツールの接続トラブルで調子を崩されるなんて最悪です。
Web面接の場合は、企業側がWeb会議ツールを準備し、当日の面接用のURLが事前にメール等で共有されます。
- zoom
- googlemeet
- teams
面接時に使う自分のPCで、Web会議ツールを問題なく使えるかどうか事前にテストしておきましょう。
特に、zoomとteamsはブラウザではなくPCアプリのDLを求められるため、PCにアプリが無い状態で使おうとするとDLに1~2分はかかります。
事前にテストせずに面接開始1分前にURLにアクセスしたら、アプリDLを求められて面接開始に遅れてしまったという失敗はWeb面接でよくあります。
必ず事前にテストしておいてください。
また、場所は静かな場所であればどこでも大丈夫です。
Web会議ツールの機能で背景モザイクをONにしておけば、あなたがどこから面接に参加しているかは相手はわかりません。
誰にも邪魔されず、リラックスして面接に臨める場所を事前に確保しておいてください。
落ちたら落選の原因を分析
面接選考は書類選考以上に、落選の原因分析を徹底してください。
何故なら、書類選考と比較して面接選考は、落選の原因となる要素の幅が広いからです。
面接選考での落選の原因 例
- 職務経歴書の内容を掘り下げて聞いたら、求める人材要件とは合っていなかった
- 結論から話してくれないため話がわかりにくい
- 話し方がフランクでビジネスマナーに不安を感じる
- 終始表情が暗く、入社意欲が感じられなかった
- こちらからの質問内容が置き去りにされており、質問に対する回答になっていなかった
- 掘り下げて質問するとやや不満な表情が感じられ、ストレス耐性に不安がある
落選の原因を把握せずに別の選考に臨んではいけません。
実際、IT営業の仕事においても、他社とのコンペになり自分の提案が選ばれないことはあります。
コンペで負けた際、優秀なIT営業は必ず敗因分析をして次に活かします。
面接で落ちた理由をそのままにして、別の選考でまた同じ理由で落選するのは本当にもったいない機会損失です。
落選理由の確認は転職エージェントへ事前に依頼しておく
面接で落選した場合の落選理由をあなたが企業へ直接聞くことはできません。
転職エージェント経由で応募した選考では、面接の機会以外で応募者と企業が直接やりとりすることはないからです。
面接日時の日程調整、合否の結果連絡等は転職エージェントを通じてやりとりします。
そのため、落選理由を確認するなら転職エージェント経由で確認します。
優秀な転職エージェントは依頼しなくても落選理由を確認してくれる傾向があります。
しかし、気遣いのできる転職エージェントは「落選理由をそのまま応募者に伝えると応募者を悪くするのでは?」と懸念し、あえて落選理由を応募者に伝えない可能性もあります。
落選理由を欲していることを転職エージェントに事前に伝えておけば、転職エージェントは必ず落選理由を企業に確認してあなたに伝えてくれるでしょう。
私が実際に転職エージェントに依頼した時のメール文面を以下に紹介します。活用してください。
- 転職エージェントへの落選理由確認依頼文面
- ○○様
お世話になっております。○○です。
本日、株式会社△△様との面接を終えました。
今後、先方からの合否結果が○○様の元へいくと思いますが、もしも不合格だった場合、その理由を先方へヒアリングの上私はご共有お願いできますでしょうか。
不合格理由を把握することで、今後の転職活動へ活かしたいためです。
恐れ入りますが、何卒よろしくお願い致します。
実体験:筆者が面接選考で落ちた時の落選理由
実際に私が面接選考で落ちた際に、転職エージェント経由で確認した落選理由を紹介します。
- IT営業ノート筆者のとある面接での落選理由
- 面接担当者からのフィードバックと致しましては、基本的なスペック部分は当社とマッチしており、また一定現場まではちゃんと足を運ぶ泥臭いタイプであることは観測出来たのですが、一方で質問に対する回答が大きくずれていたり、答えが浅はかな点が見受けられ、地頭面に懸念が残ったため、今回はお見送りの結論となりました。
「地頭面に懸念が残った」って…けっこうきついですね。
地頭が悪いと言われているみたい…
この時の面接は、Web面接に慣れてきた中でオフィス現地での面接を要望されてオフィスで実施しました。
久しぶりのオフィスでの面接で緊張してしまい、受け答えがうまくできなかった自覚がありました。
オファー面談=内定面談
全ての面接を通過すると、「オファー面談」というイベントがあります。
- オファーとは
- 転職したことが無い人は聞きなれない言葉ですが、転職市場では内定のことをオファーと呼びます。
転職エージェントから求人の紹介を受けたことを「オファーをもらった」と言う人がたまにいますがそれはオファーという言葉の意味を理解していない誤った使い方です。
内定をもらう面談のことをオファー面談と呼びます。
オファー面談では企業から以下のようなやりとりが行われます。時間はだいたい30~40分程度です。
- 企業側担当者から応募者に対して、内定を出したいことの通達
- 企業が応募者のどんな点を評価し期待しているのか
- 応募者に着任してほしいポジション・担当してもらいたい業務
- 年収・福利厚生・勤務条件といった各種条件
- 内定承諾の期限
- 内定承諾してくれた場合に想定している入社日
- 他社の選考状況は?
- 選考中の他社と比較した自社の優先順位は?
- 内定承諾してくれた場合の入社可能日は?
オファー面談の実施は、企業があなたを採用したいという意思表示をしたことになります。IT営業になりたいというというあなたの要望は少なくとも叶うことが確定しています。
オファー面談のその場で内定承諾する必要はありません。
内定承諾の期限までに回答すればOKです。
内定承諾書にサインしたら他社選考を辞退
内定承諾書は企業側で作成して応募者に送付されるため、応募者の方で何か準備する必要はありません。
電子契約サービスを使った内定承諾書の場合は、企業からメール等で送られるURLをクリックして、その先のWebサイト上で住所氏名などを入力して完了します。
書面の内定承諾の場合は、記名押印して完了です。
企業からもらった内定承諾書にサインしたら、内定承諾したことになり以下のような法的な効力が生まれます。
- 応募者は内定承諾した企業に入社する
- 企業は応募者の入社を受け入れる
もし他の企業の選考が並行して進んでいた場合は、他の企業に対しては選考の辞退を申し出てください。
現職への退職申し入れ
仕事を続けながら転職活動していた場合は、内定承諾後に現職企業への退職を申し入れます。
退職の申し入れには、面接とは違ったストレスを感じる方も多いのではと思います。
実際、私はかなり緊張し軽く震えながら上司へ申し入れました。
具体的な申し入れの手順は、「相談事項がある」と議題を名言せずに30分ほどの打ち合わせをセットしてください。
打ち合わせが始まったら、単刀直入に退職を申し出ましょう。
未経験からIT営業を目指す際のポイント
以上、自己分析から内定承諾までの具体的な手順を解説してきました。
改めて未経験からIT営業への転職活動のポイントをまとめると、「徹底的に準備すること」です。
改めて未経験からIT営業への転職活動のポイントをまとめると、「徹底的に準備すること」です。
転職活動は椅子の取り合いです。あなたが応募した採用枠を希望しているのはあなただけではありません。
新卒の就活のように企業説明会や集団面接といった場が無いので気付きにくいのですが、あなた以外にも多くの人がその採用枠に応募しています。
IT業界未経験者は、経験者と比べれば確実に不利です。
全てが同じ評価であれば、企業は必ずIT業界経験者を選びます。
業界未経験者はそのハンデをひっくり返すほどの優位性を身につけなければなりません。
その唯一の答えが、徹底的な準備です。
準備の具体的な手順は本記事であますことなく解説しました。
「他の応募者もここまでは準備しないはず、でも俺は/私はやってやる」という勢いで、貪欲に、周到に準備してください。
IT営業はいらない?
IT業界未経験の人は、「IT営業はいらない」というネット上の記事を見かけたら不安に思うはずです。
将来性があって市場価値が上がると思ってIT営業を目指しているのに、IT営業って今後いらなくなるの…?
IT営業経験者として断言します。
IT営業がいらなくなることはありえません。
もしもAIの進化によってIT営業がいらなくなるとしたら、それはIT営業だけでなく、この世の全ての営業職やITエンジニアもAIによって不要になった時です。
- IT営業が売る商材は金額が大きい
- 企業が製品・サービスを購入する際は緻密な情報収取が必要
購入金額が大きい商材の販売では営業の存在価値が大きい
例えば、コンビニでお茶を買う際、営業を受けることはありません。
「営業から提案を受けたい!」とも思わないでしょう。
- 自分で選んだ方が早い
- 特に商品に対して質問事項はない
一方で、車を買う際、コンビニと同じように営業がいなかったらどうでしょうか。
車を自分だけで選ぶのは不安であり、営業を通じて購入したいと思いませんか?
- 大きな買い物なので慎重に選びたい
- どの車が自分に合っているかわからない
- 何がどう違うのかわからない
購入金額が大きい取引では、営業の存在価値が大きくなります。
- IT業界でも個人向けサービスに営業はいない
- IT業界が提供する全ての製品・サービスに営業が存在するわけではありません。
IT業界でも金額が小さい取引、特に個人向けの製品・サービスでは営業はいません。
消費者が自分でコンビニでお茶を選んで購入するのと同様に、アプリストアで自分でアプリを選んで購入しています。
企業向けIT製品・サービスの販売では営業が必須
企業向けにIT製品・サービスを提供するビジネスでは、営業の存在が非常に大きくなります。
何故なら、企業が何かを購入する際は、その製品が自社に合っているのか?使いこなせるのか?を慎重に判断する必要があるからです。
例えば、個人での買い物の際は、良く調べないで買って失敗したら、困るのは購入者本人です。
一方で、企業がIT製品をよく調べないで購入して失敗した場合、困るのは担当者だけではありません。
組織として損害を受けてしまいます。
そのため、企業はIT製品を購入する際、慎重に情報収集し、十分に精査した上で社内稟議にかけます。
調査に際しては、情報提供の窓口となる営業が不可欠です。
IT営業の将来性
IT営業は全業界の営業職の中でも将来性が高いと言えます。
なぜなら、IT業界そのものが成長し続けているからです。
IT業界は成長市場
現在、日本は人口が減り続けています。
人口が減れば、お金を使う人数が減り、経済成長も鈍化します。
しかしIT業界は成長し続けています。
以下は経済産業省による、IT業界の売上高合計に関する調査結果です。
(出典)経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」よりグラフ作成
IT業界全体が成長するなら、業界に所属するIT企業も成長していきます。
IT企業が成長すれば、IT営業にはこの先も活躍するチャンスが増え、幅広いキャリアの選択肢を得ることができます。
IT営業はやめとけと言われたけど…
IT営業への転職を考えていると知人に話したら、IT営業はやめとけと言われました…
ひと昔前のIT営業は、確かに労働時間が長く、決してクリーンなイメージはありませんでした。
しかし現在は異なります。
労働基準法の改正によって、2019年4月より時間外労働の上限が規制されています。
上限以上の時間を社員に働かせると企業は罰則を受けるため、生産性の向上による労働時間削減をIT企業も進めています。
元IT営業の体験談:2012~2015年は22時退社が普通だった
私は2012年にIT営業として就職しました。
当時の営業部署の残業状況は以下の通りです。
退社時間 | 印象 |
---|---|
18~19時 | こんな時間に退社するIT営業はいない。 |
19~20時 | 1割の人が「今日は早めに帰りますね」といってこの時間に退社 |
20~21時 | 2割「ちょっと早いけどお先に失礼します」といってこの時間に退社 |
21~22時 | 3割が「今日はこの辺で切り上げるのでお先に失礼します」といってこの時間に退社。平均的退社時間。 |
22~23時 | 3割が「そろそろ帰ります」といってこの時間に退社。この時間から「残業している感」を感じている。 |
23~24時 | 1割が「終電なんで帰ります」と言ってこの時間に退社 |
当時はこの時間間隔が当たり前でした。
中高年層には「若手は遅くまで仕事するべき」と発言している人もいました。
しかし、2020年代の今はIT企業にも「長時間労働は悪」という文化が定着しています。
なぜならば、長時間労働の文化を継続していけばどんどん人が他社へ流出していってしまうため、どのIT企業もこの10年間で長時間労働の是正に取り組んできたからです。
IT営業に向いている人
未経験からIT営業を目指す場合、IT営業に必要な全てのスキルを現時点で保有している必要はありません。
必要なスキルは入社後に身につければOKです。
入社後に必要なスキルを身につける素養がある、言い換えるとIT営業に向いているのは以下のような人です。
人の話を聞くことが嫌いではない
IT営業はとにかくヒアリングが最重要です。
ヒアリングして事実を正確に把握できなければ全ての営業活動は無駄になってしまいます。
ヒアリングスキルは今保有していなくても、後から学べばOKです。
ヒアリングスキルを身につけるための素養として、人の話を聞くことが苦ではないことが求められます。
チームで仕事を進める姿勢がある
IT営業は必ず複数の関係者と仕事を進めていきます。
誰かと協力しながら1つの目標を追うことが苦じゃなければ、IT営業の素養があると言えます。
新しいことを学ぶ姿勢がある
未経験からIT営業になるなら、転職後も多くのことを新たに学び身につけなければなりません。
スキルを身につけてIT営業として1人前になっても、継続して成果を出し続けるには最新情報を追い続ける必要があります。
自分が今まで知らなった知識を学ぶことに苦を感じないなら、IT営業として活躍できる素質があります。
未経験からIT営業を目指す場合、IT営業に必要な全てのスキルを現時点で保有している必要はありません。
なぜなら、必要なスキルは入社後に身につけられるからです。