IT業界とは

システムインテグレーター(SIer)のビジネスを未経験者向けに解説

システムインテグレーター

「SIerはオワコン」というWeb記事を多く見かけます。
でも、実際SIerって結局どんな仕事をしているのか?なぜ今後不要と思われているのか?
外からはわかりにくいのではないでしょうか・・・?

私も、入社するまではどんな仕事なのか理解していませんでした。

そこで、実際にSIerで10年間働いていた私が、SIerのビジネスモデルをご紹介します。

SIerの主なビジネスは3種類に分類される

ITを活用したビジネス

SIer=システムを作って提供する会社というイメージがありますが、「システムを作って提供」という事業は大きく3種類に分類できます。

SIerのビジネス①企業が使うシステムを作って納品し、以後メンテナンスをする

1つ目は、最もイメージしやすいSIerのビジネスです。

企業活動には、業務用の情報システムが必要

現在の企業活動では、システムの利用が必須です。

スマホもパソコンも一切使わずに、紙とペンと電話だけで事業をする企業は現在かなり少ないと思います。

個人が使うパソコンやスマートフォンには、用途に応じて色んなアプリやソフトが入っていますよね。

個人が使うアプリ
  • メールを使いたい → Gmail
  • 動画を見たい → Youtube
  • SNSを使いたい → Instagram、TikTok、Twitter

企業の仕事においても、仕事の用途別にアプリがあった方が仕事をスムーズに進められます。

企業が使うアプリ
  • 効率的に営業活動したい → 営業管理システム
  • 在庫がどれくらいあるか見える化したい → 在庫管理システム
  • 社員の勤務状況を適切に管理したい → 労務管理システム

SIerは企業が使う業務用システムを作ってあげる

業務用システムを作るには、ITスキルを持つエンジニアが必要となります。
また、企業用のシステム開発は規模が大きいため、個人のプログラミングスキル以外に独特の知見も必要となります。

そこでSIerの出番です!企業からお金をもらって、システムを作ってあげるのです。

SIerの役割

手間のかかる企業用のシステム開発業務を、SIerが代行してくれるということですね。

簡単に言うとそんな感じです。

尚、最近は技術の進歩によってシステム開発の難しさが下がり、企業が自社主体でシステム開発に取り組むケースも増えてきました。
これは「内製化」というトレンドで、また別の記事でご紹介します。

システムを作って納品して終わりではなく、メンテナンスの面倒もみる

システムは作ったら終わりではありません。作った後のメンテナンスも必要となります。

SIerに作ってもらったシステムを企業が独力でメンテナンスするのは難しいので、システムを納品した後のメンテナンスもSIerが担当します。

SIerのビジネス②エンジニアを顧客企業に常駐させ、システム開発・運用の手伝いをする

2つ目の役割は、ソフトウェア・エンジニアリング・サービス(SES)というビジネス形態です。

SIerのエンジニアをお客様企業に常駐させ、お客様企業内のITに関する業務を支援する、というビジネスです。

先ほど挙げた「システムを作ってあげるビジネス」と何が違うのですか・・・?

「システムを作って納品してお金をもらうビジネス」と、「エンジニアを常駐させてその単価をもらうビジネス」という違いです。

SIerのビジネス③システム開発・運用に必要な製品・サービスを販売

3つ目は、「ソフトウェア」「ハードウェア」の販売事業です。

システムを作り上げるには、多くの外部製品を活用する

ITスキルさえあればシステムは作れるのではないでしょうか?

必要な全ての技術スキルを完璧にそろえていればその通りです。

でも、全てを自前で作るのは作業やコスト的にも非現実的です。
これは家を建てる作業に置き換えるとわかりやすいと思います。

システム開発においては、具体的には下記のような仕組みは外部の製品を活用することが多いです。

システム開発で外部製品を活用する例
  • システムを動かすための物理的なコンピュータ環境
  • 物理的なコンピュータ環境と、利用者のパソコンとを繋げる回線
  • OS(個人のパソコンでいう、WindowsやiOS)
  • データベースを作るためのソフト
  • システムが動いているか否かを監視するソフト
  • 外部からの攻撃を防御するセキュリティソフト
  • 効率的にシステムを作るためのツール

SIerは外部製品を販売して、中間手数料を獲得する

システムを作る過程で必要な外部製品は、そのシステムを作るSIerから購入するのが業界の一般的なルールになっています。

その際、SIerは販売手数料として利益をのせて顧客へ販売します。

えー、SIerに利益のせられると、購入する側はちょっと複雑だなあ・・・・

SIerの役割である「システムを作ること」の中には、「システムを作るために必要な外部製品の調達」も含まれています。

「システム開発作業なし、製品販売だけの案件」はSIerにとって嬉しい

え・・・?SIerは企業のシステムを作ることが役割だと思っていたのですが・・・

システムを作らずに製品を販売するだけの仕事もあるんですか・・・?

あります。エンジニアの人手が足りない現在は、こちらの方が「嬉しい案件」と思われる傾向も。

なんか、ただ製品を横流しているだけのような気が・・・

何か価値をのせないと顧客から買い叩かれてしまうので、SIerが間に入ることの価値を提案しなければいけません。

また、製品に不具合があった場合にはSIerも責任を問われますので、何でもかんでも売れば儲けられる、という訳ではありません。

「SIer=システムをつくる企業」というイメージが世の中一般的ですが、このような製品販売の方が売上の割合が大きいSIer企業も存在します。

尚、売上の大半を外部製品の販売が占めている場合、その外部製品の価値に依存しているというリスクでもあります。
もしもその外部製品の商品力が落ちてしまった場合、SIerの業績も伴って下がってしまいます。

SIer企業への就職を検討している際には、「外部製品の販売」による売上・利益がどれくらいを占めているかは確認した方が良いです。

まとめ

以上、SIerの主要なビジネス3種類をご紹介しました。

  1. 企業が使うシステムを作って納品し、以後メンテナンスをする。
  2. エンジニアを常駐させ、企業のシステム開発・運用の手伝いをする。
  3. システム開発・運用に必要な製品・サービスを販売する。

尚、これはかなり大きな分類で、ここから更に枝分かれしていきます。
今後、より詳細をご紹介していきます。

読んでいただきありがとうございました。