IT業界とは

IT業界とは?未経験者向けに10年経験者が図解で解説

IT業界とは
IT業界未経験者

IT業界への転職に興味あるけど、何をしている業界なのかイマイチわからない…

業界未経験者でもわかるように解説してほしい…

IT業界って何をしている業界なのかわかりにくいですよね。

専門用語やカタカナ言葉が多くて、IT業界未経験者は専門書などを読んでもイマイチ理解できないと思います。

この記事では、IT業界で10年以上働いている私が、未経験者でも理解できるよう、10個以上の図解を用いてIT業界について解説しています。

この記事を読めば、IT業界とは何をしている業界なのか具体的に理解できます。

この記事の結論

IT業界とは、「情報技術(Information Technology)」を取り扱う企業群をひとまとめにしたグループを指す。

一言でいうなら、皆が普段スマートフォンを通じて利用している便利なアプリやサービスを支えている業界。

大きく分けて以下の5つに分類される。

  • 皆が使っているアプリを提供するインターネット業界
  • コンピューター装置を製造しているハードウェア業界
  • 企業が使うアプリを提供するソフトウェア業界
  • 皆のスマホをネットにつなげる通信キャリア業界
  • 企業のIT活用を支援する情報通信サービス業界
この記事を書いた人

IT業界勤務ヒロマン

  • 10年間IT業界に勤務し、IT企業3社にて営業と企画開発を経験。
  • 長時間労働・顧客からのクレーム対応役といった高ストレス業務に耐えながら2回転職。
  • 現在は毎日9-18時勤務で年収800万の生活中。

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IT業界とは

IT業界とは「情報技術(Information Technology)」を取り扱う企業群をひとまとめにしたグループを指します。

一言でいうなら、皆さんが普段スマートフォンを通じて利用している便利なアプリやサービスを支えている業界です。

IT業界未経験者

ITってインターネットの略ではないのですね!

IT業界経験者

はい、インターネットは情報技術の1つに過ぎません。インターネットがない時代にもIT業界は存在していました。

IT業界の5分類

現在、IT業界はその役割に応じて大きく5つに分類されます。

  • インターネット業界
  • ハードウェア業界
  • ソフトウェア業界
  • 通信インフラ業界
  • 情報通信サービス業界

分類によって、提供している商品・サービス・役割は異なります。

例えば、一言で「小売業界」といっても、以下の分類によって提供している価値が全く異なるのと同様です。

  • スーパーマーケット業界
  • ドラッグストア業界
  • 百貨店業界
  • コンビニ業界

以下、IT業界の5つの分類について順に解説します。

インターネット業界は皆が使っているアプリを提供する

インターネット業界とは

インターネット業界とは、インターネットを通じて利用できるアプリやWebサイト等を開発し提供している業界を指します。

個人向けのサービスを展開しているため、IT業界未経験者でも聞いたことがある企業が多いです。

インターネット業界に属する企業例
  • LINE
  • メルカリ
  • 楽天

インターネット業界の特徴

  • 個人向けのサービスを展開
  • 新しい企業が多い

以下、順に解説します。

個人向けのサービスを展開

IT業界の中で唯一、主に個人向けのサービスを展開しているのがインターネット業界です。

実は、IT業界のサービスは個人向けよりも企業向けの方が圧倒的に多いです。

なぜならば、個人がパソコンや携帯電話を保有し始めたのは約20年程前ですが、企業は50年以上前からコンピューターといったIT製品を活用しており、企業向けビジネスの方が歴史が長いからです。

その中で、唯一インターネット業界は個人向けのITサービスを主力展開しています。

「どの会社で働いているの?」と問われて相手に会社名を伝えれば、ほとんどの相手には伝わるでしょう。

「誰もが知っている有名な会社で働きたい」と思っている人にはインターネット業界は向いています。

新しい企業が多い

インターネット業界とは、その名の通り「インターネットを通じて世の中に価値を提供している業界」です。

世の中に生まれたのも、インターネットが社会に普及し始めた2000年以降です。
IT業界の中では最も新しい業界に分類され、属する全ての企業も2000年以降に生まれています。

「IT企業」というと、「若い社長のもと新しいことに挑戦する企業」といったイメージをもつ人が多いですが、インターネット企業はそのイメージを体現しています。

若くて勢いのある企業で働きたい!と思っている人にはインターネット業界は向いています。

インターネット業界の将来性

インターネット業界の将来は極めて高いです。

なぜならば、インターネットを通じて利用できるアプリやWebサイトは、消費者の生活に欠かせないものになっているからです。

今後世の中からインターネットサービスが消えていく未来は想像できないはずです。
消費者の「便利なサービスを使いたい」という欲求はなくならないので、インターネット業界も成長し続けます。

業界が成長し続ければ、その業界内での人材への需要が高まり、給料や働く環境の向上が見込めます。

 ハードウェア業界はコンピューター装置を製造・販売する

ハードウェア業界とは、物理的なコンピューター装置を開発し販売しているメーカーと言い換えられます。
IT業界では、物理的なコンピューター装置をハードウェアと呼んでいます。

身近な例を挙げるなら、みなさんが普段使っているスマートフォンやPCを開発して世の中に提供している業界です。

ハードウェア業界に属する企業例
  • Apple
  • DELL
  • HP
  • 日立
IT業界未経験者

Appleは知っているけど…DELL?HP?そんなメーカー知りませんよ?
Androidは?

IT業界経験者

Androidはスマートフォンで広く名が知れ渡っていますが、Appleとは異なり実はメーカーではありません。

ハードウェア業界の主な顧客は個人よりも企業が圧倒的に多いです。
そのため、ハードウェア業界の企業名は一般にはあまり知れ渡っていません。

全てのアプリはハードウェアの上で動いている

IT業界未経験者

一般消費者ではなく企業向けのニッチな業界なのですか?

IT業界経験者

ハードウェア製品は全てのITサービスになくてはならない存在です。
決してニッチな業界ではありません。

あなたが普段使っているSNSやアプリ、Amazonや楽天といったネットショッピングサービスも含め、全てのITサービスはハードウェアの上で動いています。

あなたは自分のスマートフォンやPCから、インターネットを通じて、企業が世界のどこかに構えているハードウェアにアクセスして、アプリ等を利用しているのです。

ハードウェアにはいくつかの種類がありますが、最も多く使われているのは「サーバー」という業務用のコンピューターです。

例えば、Googleは世界中に計90万台のサーバーを設置し、そこでGoogle検索やgmailといったITサービスを動かしています。

ハードウェア業界の特徴

  • ほとんどが大企業
  • メーカーに似ている

以下、順に解説します。

ほとんどが大企業

ハードウェア業界に属するIT企業はほとんどが大企業です。

なぜならば、ハードウェア事業では、商品であるコンピューターを生産し組み立てる工場や人手が必要であり、資金力が無いと事業運営できないからです。

必然的にハードウェア事業を運営できるのは資本力のある大企業となります。

ハードウェア業界は年収や福利厚生が高い水準に位置します。

メーカーに似ている

ハードウェア業界はIT業界に分類されますが、実際は機械メーカーに近いビジネスです。

IT業界というと「パソコンでカタカタとプログラムを打ち込む仕事」というイメージを持つ人が多いでしょう。

しかし、ハードウェア業界は、「部品を生産して、工場のラインで組み立てて、梱包して工場から発送する」といった流れで、事業運営の流れはメーカーに似ています。

メーカーで働いていた人は、ハードウェア業界に転職しても仕事の進め方が似ていると感じることが多々あるでしょう。

メーカー経験者はハードウェア業界へ転職しやすいと言い換えられます。

ハードウェア業界の将来性

ハードウェア業界の将来は高いです。

なぜならば、個人が使うアプリやWebサイトも企業が使う業務用システムも、全てのITサービスを動かすにはハードウェアが絶対に必要であり、社会からニーズがなくならないからです。

更に、今後はスマートフォンやPC等といった今身の回りにあるコンピューター機器だけでなく、生活を送る上で使っているモノの中にも小さなコンピューターが仕込まれてインターネットに接続されます。

これは「IoT(アイオーティー。「Internet Of Things」の略称)」と呼ばれる新しいトレンドで、ハードウェア業界にとっての新たな大きな市場と言われています。

IoTの具体例
  • 外出先からスマホアプリで自宅のエアコン、洗濯機、風呂の湯沸し器等を操作できる
  • 冷蔵庫の中に入っている食材の量をスマホアプリで確認して、必要な食材をネットスーパーに注文する
  • ドローンが宅急便を運んでくれる

アプリやインターネットサービスの需要・IoTの発展と共に、ハードウェア業界も成長し続けます。

業界が成長し続ければ、その業界内での人材への需要が高まり、給料や働く環境の向上が見込めます。

ソフトウェア業界は企業が使うアプリを提供する

ソフトウェア業界とは、企業向けのアプリを製品として開発し提供している業界です。

IT業界未経験者

企業向けのアプリ…?何ですかそれ?

個人が使うパソコンやスマートフォンには、用途に応じて色んなアプリが入っていますよね。

用途用途に応じて使うアプリ
メールを使いたいGmail
動画を見たいYoutube
SNSを使いたいInstagram、Twitter

実は、企業向けにも、用途に応じて色々なアプリが存在します。
企業向けのアプリは、一般的にはソフトウェア(略称はソフト)と言われています。

用途用途に応じて使うアプリ
取引先とメールしたいメールソフト
自社の財務状況を管理したい会計ソフト
社員のスケジュールを管理したいスケジュール管理ソフト

用途に応じた企業向けのアプリ=ソフトを開発して自社の商品として提供するのがソフトウェア業界です。

ソフトウェア企業の例
  • マイクロソフト
  • トレンドマイクロ
  • SKY

ソフトウェア業界の特徴

  • 企業向けビジネス
  • 継続型ビジネスに移行している

順に解説します。

企業向けビジネス

ソフトウェア業界の顧客は企業です。

中には個人向けの製品を販売・提供している企業も存在しますが、主力製品はあくまでも企業向けです。

ソフトウェア業界では、企業向けビジネスのイロハを身につけることができます。

継続型ビジネスに移行している

従来のソフトウェア業界のビジネスは「自社の製品を企業に購入してもらう」形式ですが、近年は「自社の製品を企業に継続利用してもらう」ビジネスに移行しています。

IT業界未経験者

購入と利用?どう違うのですか?

IT業界経験者

例えるなら、個人向けサービスでいう、「買切り方型」と「継続利用型」の違いです。

従来の買い切り型ビジネス継続利用型ビジネス
音楽CD販売月額制の音楽配信サービス
映像作品DVD・ブルーレイ販売Netflixなどの映像配信サービス
本・雑誌書店で販売定額制の電子書籍読み放題

インターネット技術の進化により、企業向けのソフトウェア業界においても、「製品を買って使う」のではなく、「必要な分だけ利用して、毎月利用料を支払う」というビジネスモデルに移行しています。

必要な分だけ利用して、利用した分だけ支払うビジネスモデルでは、自社の製品を顧客にいかに長く使ってもらえるかが重要です。

顧客の製品利用を支援する「カスタマーサクセス」という職種を置いているのもソフトウェア業界の特徴です。

以下の記事では、カスタマーサクセスの仕事内容を詳しく解説しています。

ソフトウェア業界の将来性

ソフトウェア業界の将来は高いです。

なぜならば、企業における働き手は今後確実に減っていくことから、企業はソフトウェアを導入して業務を効率化することが必須だからです。

現在、日本は人口が減り続けています。
企業はより少ない人数で今の事業を運営し、成果を上げ続けなければなりません。

なぜならば、「働ける人が足りないから」という理由で商品やサービスの品質を下げることは、消費者から納得を得られないからです。

人手が足りないという理由には納得してもらえない

例えば、あなたが普段使っているスマホが通信障害で使えなくなったとして、その理由を「人手が足りないから」と説明されたら納得できないはずです。

「働ける人は減っていくけど、今まで以上の品質で事業を運営したい」という企業のニーズに対して、ソフトウェアは人手をかけていた企業の業務を効率的に回せるようにします

人口の減少と共に、ソフトウェア業界も成長し続けます。

業界が成長し続ければ、その業界内での人材への需要が高まり、給料や働く環境の向上が見込めます。

通信インフラ業界

通信インフラ業界は、電話回線やインターネット回線といった通信インフラを整備し提供している業界です。

屋外でスマートフォンを使ったり、家の中でwifiを利用できるのは全て通信インフラ業界のおかげです。

通信インフラ企業の具体例
  • NTT
  • KDDI
  • ソフトバンク
  • 楽天モバイル

総務省の調査によれば、日本国内でのガラケーも含めた携帯電話の所有率は2019年時点で96%です。
携帯電話を持たない高齢者世帯でも、固定電話は置いているでしょう。

全ての日本人は、通信インフラ業界のサービスを利用していると言えます。

通信インフラ業界の特徴

  • 大企業のみ
  • 参入障壁が高く競争に巻き込まれにくい

大企業のみ

通信インフラ業界に属するのは大企業のみです。

なぜならば、通信インフラを事業として提供するには、莫大な設備投資額が必要だからです。

例えば、2020年に楽天モバイルというサービスを始めて通信インフラ業界に参入した際の、楽天の設備投資額は1兆円を超えています。
携帯キャリアのサービスを提供するには、電波を発信する電波塔を国内の各地に建設する必要があったからです。

通信インフラ事業を運営できるのは、巨額の設備投資に耐えられる大企業に限定されます。

参入障壁が高く競争に巻き込まれにくい

通信インフラ事業は、総務省から認可をもらわなければ運営できません。
通信インフラは国民の生活に関わる事業なので、一定レベルの品質のサービスを提供できるか国から監視されます。

「莫大な設備投資」と「国からの認可」は、そのまま参入障壁の高さに繋がるため、新たな参入者が競争に加わることは極めて稀です。
通信インフラ業界内でももちろん競争はありますが、限られた数社の中での競争です。

過度な競争に巻き込まれることがなく、IT業界の中でも最も安定した業界と言えます。

通信インフラ業界の将来性

通信インフラ業界の将来性は以下を理由に高いです。

  • 世の中に必要不可欠
  • さらなる進化によって社会がより便利になると期待されている

今の社会では、電話ができない・インターネットに接続できない状態が続くと大混乱が起きます。
社会に提供されている多くのサービスはインターネットを前提に提供されているからです。
今後「インターネットはいらない」という世界がくることはあり得ません。

また、更に便利な世界を実現するために、通信インフラ業界は研究開発を進めています。

例えば、2030年代には、「6G」という次世代のインターネット回線が世界に普及していきます。

次世代通信 6G とは?

一言でいうと「近未来のwifi」です。

超キレイな映像・音声だけでなく、触覚や匂い等も一瞬で届けられると言われています。

例えば、「すご腕の外科医が遠隔地からロボットを操ってリモート手術できるようになる」等、様々な分野での活用が期待されています。

実際に、国も次世代通信技術の研究開発を大々的に支援をしています。

次の世代の Beyond 5G(いわゆる 6G)は、サイバー空間を現実世界(フィジカル空間)と一体化させ、Society 5.0 のバックボーンとして中核的な機能を担うことが期待される。

参考 総務省 Beyond 5G 推進戦略 -6G へのロードマップ-

国の支援のもと、通信インフラ業界は成長し続けます。

業界が成長し続ければ、その業界内での人材への需要が高まり、給料や働く環境の向上が見込めます。

情報処理サービス業界

情報処理サービス業界とは、企業が抱える課題に対して、ITを活用して課題解決に取り組む業界です。

情報処理サービス業界は更に以下の2つの業界に分類できます。

  • システムインテグレーター(SIer)業界
  • システムエンジニアリングサービス(SES)業界

システムインテグレーター業界

システムインテグレーターとは、簡単にいうと「企業向けの、ITに関するなんでも屋さん」です。

何でも屋さんなので、事業領域や扱う商材は幅広いです。

システムインテグレーターの役割 例
  • 企業向けにオーダーメイドのシステムを開発する
  • 企業のニーズに合ったハードウェアやソフトウェアを選び使える状態にしてあげる
  • 自社のエンジニアを企業に派遣する

複数のIT製品や技術を組み合わせてシステムを開発する役割から、「システムインテグレーター」と呼ばれています。
略称はSIer(エスアイヤー)です。

システムインテグレーター企業の例
  • NTTデータ
  • 野村総合研究所
  • 伊藤忠テクノソリューションズ

システムインテグレーター業界の特徴①業務の幅が広い

システムインテグレーター企業は「ITに関する何でも屋さん」なので、業務の幅は多岐に渡ります。

IT企業っぽい仕事そんなこともするの?と感じる仕事
システムの設計書を作る顧客企業内で使われる資料を作成する
プログラムを書く顧客企業内の派閥の仲介をする
システムが問題なく動くかテストをする開発チームメンバーの人生相談にのってあげる

ITで顧客の課題を解決するためには多くの障壁や仕事が発生します。
それを一手に引き受けるのもシステムインテグレーター企業の役割です。

私自身、システムインテグレーター企業に約9年程在籍し、営業と企画職を経験しました。
私が経験した珍しい仕事の例を紹介します。

  • サーバー1,000台を受注後、納品した際の梱包段ボール1,000箱の廃棄作業
  • 顧客企業に派遣しているエンジニアが居眠りしてしまう問題への対策検討
  • 顧客側の担当者と、自社の開発チームリーダーの相性が悪いためその仲裁
IT業界未経験者

それってIT企業の仕事なのですか…

IT業界経験者

正直、「自分はIT業界で仕事していると言えるのか?」と迷ったこともあります。

しかし、幅広く業務を経験したことで、後々別の仕事で役立ちました。

システムインテグレーター業界の特徴②企業規模は大小様々

システムインテグレーターは中小企業~大企業まで数多く存在します。

中小のシステムインテグレーターは主に中小企業を顧客に持ち、大手システムインテグレーターは大企業相手にビジネスしています。

企業規模に応じて年収が比例する傾向があり、大手システムインテグレーターの平均年収は800万円台と高水準です。

システムエンジニアリングサービス業界

システムエンジニアリングサービス業界とは、一言でいうと「ITエンジニアの労働力を企業向けに提供する業界」です。

通称「SES業界」と呼ばれます。

IT業界の中の他の業界は、自社が生産・開発した商品やサービスを提供したり、システムをそのものを作って納品したりしていますが、SES業界は商品やサービスは提供しません。

SES業界は、自社のITエンジニア社員の労働力のみを企業相手に提供しています。

SES企業の具体例
  • 日本コンピュータシステム
  • システムサポート
  • メディアファイブ

システムエンジニアリングサービス業界の特徴①人材派遣に近い

SES業界は他のIT業界と異なり人材派遣業という特色が強いです。
SES企業のエンジニアはほとんどの場合、顧客企業に常駐して仕事をします。

顧客企業がリモートワークを許容している場合は、常駐せずに在宅勤務も可能です。

どこで働くにしても、SES企業のエンジニアは、顧客企業の社員になり替わって業務をする姿勢が求められます。

自分がどんな仕事をするのか?どんな人達の仕事をするのか?は、顧客企業によって大きく変わります。

環境にあわせて柔軟に適応できる力が求められますが、その反面、エンジニアとして幅広い経験を積むことができます

SES企業の営業は、特定の商品を販売するのではなく、自社のエンジニアを顧客に売り込む形になります。

顧客のニーズに合った人材を提案するという点では、人材紹介業や派遣業に似ています。
人材系の企業で営業経験がある人は、経験を活かして活躍しやすいです。

情報処理サービス業界の将来性

情報処理サービス業界の将来性は高いです。

なぜならば、各企業はIT技術を事業に活用しないと生き残れない時代になっているからです。

例えば、以下の2つのお店のうちどちらを選びますか?

IT技術を活用しない店と活用する店

IT技術を活用しているお店を選ぶはずです。
企業は生き残りをかけて、自社の事業・サービスにIT技術を取り入れています。

しかし、ほとんどの企業はIT技術を専門に研究開発している訳ではないので、自社だけではIT技術を活用するためのスキルや知識が足りません

そのため、企業に対してITを活用して課題解決に取り組む情報処理サービス業界へのニーズは今後も高まり続けます

世の中の企業がIT技術を活用するほど、情報処理サービス業界は成長し続けます。

業界が成長し続ければ、その業界内での人材への需要が高まり、給料や働く環境の向上が見込めます。

1つの企業が複数の機能を持つことも

以上にあげたIT業界の5つの分類のうち、1つの企業が複数の分類を兼ねるケースも存在します。

企業名所属する分類事業
Appleインターネット業界iTunes、AppleMusicの提供
ハードウェア業界iPhoe、Macbookの生産・販売
NTT通信インフラ業界電話回線、ネット回線の提供
インターネット業界Dポイントサービスの提供
富士通ソフトウェア業界企業向けソフトウェアの開発・販売
ハードウェア業界個人向けパソコンの生産・販売
情報処理サービス業界企業向けシステムの開発・運用

IT業界のメリット

実際にIT業界で10年以上働いている私が感じた、IT業界で働くことのメリットは以下の2つです。

  • 業界全体が成長中で年収や働く環境が向上しやすい
  • 人材流動性が高く転職しやすい

以下、順に解説します。

業界全体が成長中で年収や働く環境が向上しやすい

IT業界は10年以上毎年成長し続けています
以下は経済産業省による、IT業界の売上高合計に関する調査結果です。

IT業界の売上高推移
(参考)経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」よりグラフ作成

IT業界全体の成長とは、業界を構成するIT企業の成長・事業拡大を意味します。
事業拡大していくには、人手が必要です。
人材に対する需要が高まります

需要が高まると人材の取り合い競争が激化し、各企業は以下の魅力をアピールします。

人材への需要が高い業界で各企業がアピールする例

  • 柔軟に働ける環境を提供
  • スキルに応じて高い年収を支払う

なぜならば、働く環境の条件が他社と比較して劣っていれば社員は他社に転職してしまい、事業拡大が難しくなるからです。

IT業界の柔軟な働き方の例
  • 完全リモートワークOKで出社不要
  • コアタイムにさえ働いて入れば勤務開始・終了時刻は何時でもOK
  • 産休・育休は即取得OK
  • 育児や介護で時短勤務OK

実際、これまで年功序列の給与体系をとってきた日系の大企業ですら、スキルを持った若い人材には年収1,000万以上出すと宣言しています。

NEC、新卒に年収1000万円超 IT人材確保に危機感

日本のIT(情報技術)大手が若手の研究者や技術者の報酬を増やす。NECは優秀な研究者には新入社員でも年収1000万円以上を支払う制度を導入する。富士通はカナダの人工知能(AI)子会社で役員待遇の報酬を検討する。IT業界ではGAFAなどの米国企業などが厚遇で世界の人材を集めている。危機感を強めた日本企業は若手を照準に市場価値に見合った評価を導入し、硬直的な賃金制度を見直す。

2019年7月9日付 日本経済新聞

以上をふまえ、IT業界では自分の年収や働く環境が向上しやすいメリットがあります。

人材流動性が高く転職しやすい

IT業界は転職がさかんです。

私が所属してきたIT企業3社でも、同じ部署の半分以上が転職者でした。

筆者が勤務した企業同じ部署にいた人のうち転職者の割合
1社目システムインテグレーター企業60%が転職者
2社目ソフトウェア企業100%が転職者
3社目インターネット企業80%が転職者
IT業界未経験者

100%が転職者ってどういうこと…?

IT業界経験者

新卒採用せずに中途採用でしか人を募集しない企業の場合、社員は100%転職者となります。

IT業界では転職すること自体がポジティブに捉えられており転職のハードルが低いです。
何かしらの理由で転職したくなった際、転職先が見つかりやすいメリットがあります。

IT業界未経験者

転職者が多いっていうことは、ブラックな業界なのでは…?

IT業界経験者

もしもIT業界全体がブラックなら、そもそもIT企業には転職せずに他の業界にいくはずです。
IT業界へ転職してくる人が多いということは、IT業界全体がブラック企業ではないことを表しています。

もちろん、全てのIT企業が超ホワイト企業という訳ではありません。

企業によって社風も仕事量も異なりますし、たとえホワイト企業であっても急な人事異動で超絶パワハラサイコパス部長が自分の上司になる可能性もあります。
しかし、IT業界では転職したくなった時に転職しやすいのです。

予期せぬ事態に陥り転職したくなった時に、すぐにその環境を抜け出せるのがIT業界の良いところです。

IT業界のデメリット

IT業界は良い面だけでなくデメリットも存在します。

  • 学び続ける必要
  • 主体的にキャリア設計しないと路頭に迷うリスク

以下、順に解説します。

学び続ける必要

IT業界が他の業界と大きく異なる点として、技術進化のスピードが速すぎることがあります。
例えば、3年前には業界内で主流だった技術や製品が廃れてしまうという事態が普通にあります。

エンジニアでも営業でも、新しい技術を学び続けなければ埋もれていき、いずれはお払い箱となってしまう可能性が高いです。

IT業界未経験者

業界全体が成長しているIT業界なら、路頭に迷うリスクはゼロと思っていたのに・・!

IT業界経験者

成長業界に所属していればスキルや年収が上がりやすいのは事実です。
しかし、それは自ら学び続けて自分のスキルを高めている人だけです。

学ぶことをやめた人には暗い未来が待っています。

例えば、業界最大手のIT企業でも最近は早期退職を募集するケースが増えています。

早期退職とは?
  • 従業員が通常よりも早く自主的に退職するための制度
  • 会社が退職者を募り、それに応募した従業員が通常よりも早く自主的に退職する
  • 会社が募った退職に応じてもらう代わりに、退職者に対して支払う退職金を割増しして支払う

早期退職を実施したIT企業の例

技術進化のスピードが早い分、過去の経験が全く活用できなくなるタイミングが早く訪れるのがIT業界です。

スキルの賞味期限が早いのです。

逆に、ずっと同じことを続ける事にやりがいを感じず、新たな知識を学んで新たな仕事に積極的に挑戦していきたいと思っている人にはIT業界は合っています。

主体的にキャリア設計しないと路頭に迷うリスク

IT業界では、「自分のキャリアは会社に決めてもらう」という姿勢でいると非常に危険です。

なぜならば、意志を持たずに会社の言いなりになって仕事をしていると、いずれ需要がなくなる仕事ばかり任され、気が付いたら市場価値が低い人材になってしまうからです。

IT業界は技術進化のスピードが早い一方で、廃れ始めた古い技術や商品・ビジネスであっても、完全に需要がなくなるまでは誰かにその仕事を担当してもらう必要があります。

古い技術や製品を使っている企業が、新しい技術や製品に移行するにはある程度の期間を必要とするからです。

しかし、自分のキャリアを主体的に考えている人は、古い技術や商品を担当する仕事は嫌がります。
社会から消えていくことがわかっている技術を扱っても自分の市場価値が上がらないことを理解しているからです。

そこで、IT企業は、主体的なキャリア設計をせず「こういう仕事をやっていきたい」と自己主張しない社員に対して、古い技術や製品の面倒を見る仕事を任せるのです。

すると、気付かないうちに市場価値が低い人材になってしまう恐れがあります。

IT業界では、主体的にキャリアを考えてどんな仕事をして自分の価値を上げていくか考える必要があります。

IT業界の平均年収は300~1,000万

IT業界全体の平均年収は433万(2021年度doda調べ)ですが、業界全体で見るのはざっくりしすぎていてアテになりません

なぜならば、IT業界では、職種やスキルレベルに応じて平均年収が大きく変動するからです。


例えば、私は大学卒業後にIT企業へ入社後大した成果も上げていませんでしたが、年功序列の横並びの昇給で入社3年目で450万は超えていました。

平凡な25歳の若造が、業界の平均年収を超えてしまったのです。

IT業界の平均年収は、業種・職種・企業規模に応じて全く異なると考えてください。

参考として、経済産業省による、IT業界の職種別の年収調査結果を紹介します。

職種平均年収職種を置いているIT業界職種の解説
ITコンサルタント928万情報処理サービス業界経営戦略に沿ってIT戦略を策定し、システム開発の提案やシステムの最適化を通じて、企業の経営を助ける。
プロジェクトマネージャ891万全てのIT業界顧客企業のシステム開発や自社製品の開発といった、「複数の関係者を動かし」「期日までに」「何かを達成する」プロジェクト型の仕事を推進する。
高度ITエンジニア778万全てのIT業界企業のシステムや自社製品について、どんな技術を用いたら最高の結果を得られるか、高い技術力をもとに設計できるハイレベルなエンジニア。
インターネットサービスのエンジニア592万インターネット業界「この機能をこんな風に作ってください」という依頼を受けて、インターネットサービスやモバイルアプリの一機能を作りテストをする。
SE・プログラマー
(企業向けシステム開発)
593万情報処理サービス業界「この機能をこんな風に作ってください」という依頼を受けて、企業向けシステムの一機能を作りテストをする。
SE・プログラマー
(ソフトウェア開発)
568万ソフトウェア業界「この機能をこんな風に作ってください」という依頼を受けて、自社製品のソフトウェアの一機能を作りテストをする。
ITスペシャリスト758万全てのIT業界データベース、セキュリティ、ネットワーク等の特定技術に深い技術を持ち、周囲のエンジニアを支援する。
IT運用・管理(企業向けシステム運用)608万全てのIT業界企業のシステムが安定して動き続けるよう、メンテナンスする。
IT保守(企業向けシステム保守・サポート)592万全てのIT業界既に動いている企業のシステムに対して、追加の開発や改善を施す。
IT営業783万全てのIT業界企業向けのIT製品を提案したり、オーダーメイドのシステム開発を企業へ提案して契約を勝ち取る。
インターネットサービスのサポート・ヘルプデスク390万インターネット業界インターネットサービスやアプリの利用者からの問い合わせを受けて回答する。

職種によって求められるレベルは異なり、高いスキルが必要な職種ほど平均年収は上がります。

未経験からいきなりハイレベルの職種に就くことはできません。

例えば、年収が高いITコンサルタントやプロジェクトマネージャーも、皆最初はシステムエンジニアやプログラマーからキャリアをスタートしています。

未経験からIT業界に転職は可能

私はIT業界で10年以上勤務していますが、未経験からIT業界へ転職してきた人は周囲に一定数いました。

正しい手順をふめば、未経験からIT業界への転職は可能です。

未経験から目指す場合、エンジニア職か営業職かで手順が大幅に異なります。

未経験からITエンジニアを目指すなら技術の基礎を学んでおく

ITエンジニアを目指したいなら、プログラミングスキルを学んでおくことをオススメします。

なぜならば、企業は未経験者を採用する際、以下のリスクをかなり警戒するからです。

  • 未経験で採用したけどエンジニアとしての素質がなかった
  • 採用した未経験者の育成に時間がかかり、かえって既存のエンジニアが疲弊してしまった

あなたにどんなにやる気があっても、企業側はあなたが本当にITエンジニアとして働けるか確信を持てません。

しかし、プログラミングを学び既に一定のスキルを持っていること・IT技術に抵抗がないことを示せれば、企業にとってあなたを採用するハードルはぐっと下がります。

高額なスクール受講は必須ではないが、「無料サービスで勉強しただけ」では厳しい

IT業界未経験者

プログラミングスクールに通わないとだめなのですか?

IT業界経験者

スクールの受講は絶対条件ではありません。

「技術を学び一定のスキルを持っていること」さえ示せればいいのです。

だからといって、「本を一冊読みました」「無料のプログラミング学習サービスで学びました」程度では説得力にかけます。

「勉強しました」と言うだけなら誰でも言えるため、実際にスキルを持っていることを証明できないからです。

「自分で学んで、こんなアプリを作ってみました」等、自分で作ったものを紹介できるとかなり有効です。

もしくは、資格の取得も知識を持っていることを客観的に証明できるので有効です。

未経験からIT営業を目指すなら技術の勉強だけでは足りない

IT業界の営業職を目指す場合は、エンジニアほどの事前学習量は必要ありません。
もちろんIT営業職も技術に関する知識は必要となりますが、営業の場合は内定後に学べば事足りるからです。

逆に、IT技術ばかり学んでも未経験からIT営業に転職するのは難しいです。

IT営業は、IT技術だけでなく、顧客と関係を構築してビジネスを創り出すための以下のスキルが求められるからです。

IT企業の営業職に求められるスキル
  • 顧客の課題をヒアリングする
  • ヒアリングした顧客の課題を分析する
  • 顧客の課題に対して、自社の提案ならどう解決できるのか、どんなメリットがあるのか考え抜く
  • 考えた提案を、IT知識がない顧客が理解できるよう、提案書類に落とし込む
  • 自社の提案には費用対効果があり契約する価値があると顧客を納得させる
  • 顧客企業内の関係者全員と合意し、契約を締結する

上記のスキル又はその素質が自分にはあり、IT営業として活躍できそうと応募先企業に思わせることが不可欠です。

自分の今までの経験を棚卸し、IT営業に必要なスキルとの共通点を見出し、職務経歴書に盛り込みましょう。

未経験からの転職では転職エージェントを使い倒す

未経験でIT業界を目指すには、転職エージェントの活用が絶対に必要です。

なぜならば、転職エージェントを通さない応募は誰でもできるため応募が殺到し、企業側の担当者が応募内容を細かく見ることができないからです。

すると企業の採用担当者はざっくりとした基準でふるいにかけてしまう恐れがあります。

あなたはITエンジニアやIT営業として活躍できる可能性があるのに、IT業界未経験という理由だけで落とされてしまうのです。

IT企業への転職時は応募先企業の分類を把握する

以上、IT業界の5つの分類を解説しました。

  • 皆が使っているアプリを提供するインターネット業界
  • コンピューター装置を製造しているハードウェア業界
  • 企業が使うアプリを提供するソフトウェア業界
  • 皆のスマホをネットにつなげる通信キャリア業界
  • 企業のIT活用を支援する情報通信サービス業界

未経験からIT業界への転職を目指すなら、応募先のIT企業がどの分類に属するのかは必ず把握しておきましょう。
あなたのこれまでの経験と応募先企業の分類に応じて、未経験から転職できる可能性は大きく変動するからです。

読んでいただきありがとうございました。