IT業界内の転職

【年収も暴露】SIer営業からSaaSスタートアップに転職した体験談

SIerからSaaSに転職した体験談

今SIer営業のあなたは、以下のようなことを考えたことはないでしょうか?

SIer営業
  • 最近、SaaS企業が勢いある
  • SIer営業の自分から見ても良いサービスを提供している
  • 機能追加のスピード感もすごい
  • でも、SaaSスタートアップで働くってどんな感じなんだろう・・・
  • やっぱりスタートアップって給料も労働環境も悪いのかな・・・・?

スタートアップ企業といえば、給料も労働環境も大手企業に比べれば悪そうな印象があります。

しかし実は近年、スタートアップ企業の待遇は上がり続けており、平均年収は一部上場企業に迫りつつあります
以下は2021年12月の日経新聞ネット記事の引用です。

有力新興の平均年収、上場企業超えも 21年度5%増

スタートアップが優秀な人材確保に向けて待遇改善に動いている。日本経済新聞社がまとめた2021年の「NEXTユニコーン調査」では、2020年度の平均年収は上場企業の平均に匹敵し、21年度は630万円と5%(29万円)増える見通しだ。背景には採用競争の激化がある。給与引き上げに見合う成長を実現できるかが大きな課題になる。

引用元:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC263080W1A121C2000000/

これは、スタートアップ企業が、大手企業の優秀な人材を引き抜いて自社の事業をより拡大しようとしている背景があります。

私は大手SIer営業で10年間勤務した後、SaaSスタートアップ企業に転職しました。
なので、大手SIer企業とSaaSスタートアップ企業、どちらの労働環境も把握しています。

この記事では、大手SIer企業とSaaSスタートアップ企業との労働環境の違いを、実際に両社で働いたことのある私が実体験をもとに紹介します。

この記事を読むと、外からは知ることができない、SaaSスタートアップ企業での労働環境の実態を知ることができます。

この記事の結論

SIer企業からスタートアップSaaS企業へ転職した際の体験談

  • 年収はそこまで低くない、福利厚生は薄い
  • 業務の中で必要なITツールを活用できる
  • 人事労務周りのシステムはかなり快適
  • 高給取りおじさんがいない
  • 生涯働く場所ではないので自分でキャリア戦略を立てる必要がある

日系大手SIer企業から、スタートアップSaaS企業へ転職

私の体験談を紹介する前に、参考情報として私がどんな企業に属していたか紹介します。

私は新卒から約10年間、社員5000人以上規模の日系SIer企業で勤務していました。
具体的には以下SIer企業のうちどれかです。

大手SIer企業群
  • 富士通
  • 日立
  • NEC
  • NTTデータ
  • 野村総研
  • 日本ユニシス
  • SCSK
  • 日鉄ソリューションズ
  • オービック
  • ISID

10年SIer営業として勤務した後、プロダクト企画側のキャリアを深めていきたいという思いから、スタートアップSaaS企業へ転職しています。

そもそもスタートアップ企業って?

スタートアップ企業

スタートアップ企業ってベンチャー企業とどうちがうの?

今大企業で働いている方は、「スタートアップ企業」とは何を指すのかわからない方もいるかと思います。
ベンチャー企業とスタートアップ企業の違いも含めて、以下解説します。

ベンチャー企業とは

「ベンチャー」という言葉は「アドベンチャー(adventure)」を元に作られた和製英語です。

日本国内では「新しい事業を立ち上げ、その成長過程にある企業」という広い意味合いで使われています。

どちらかというと小規模の企業を指すことが多かったのですが、企業規模が大企業同様まで成長しているベンチャーは「メガベンチャー」等と呼ばれています。

メガベンチャー企業の例

リクルート、ヤフー、サイバーエージェント 等

スタートアップ企業とは

スタートアップの明確な定義はありません。
スタートアップという言葉はアメリカのシリコンバレーで生まれました。

一般的には起業や新規事業の立ち上げを意味する言葉ですが、特に革新的なアイデアで短期的に成長する企業を指します。

スタートアップ企業でも年収700万以上は出た

スタートアップ企業の年収

まずは最も気になるであろう年収事情を公開します。

退職時(32歳)のSIer営業の年収

年収830万

  • 月給(税引前):43万/月
  • 諸手当:4.5万/月
  • 賞与(税引前):260万/年
スタートアップSaaS企業の年収

年収750万

  • 月給(税引前):51万/月
  • 諸手当:0.5万/月
  • 賞与(税引前):132万/年

え・・・?
年収下がってません??

はい。私はSIer営業職からSaaS企画職への転職だったため、そもそも年収アップは狙っておらず年収ダウンはいとわない転職活動でした。

転職活動開始当初から「下限年収700万」を設定して転職活動していたので、自分としては納得の年収でした。

ここでお伝えしたいのは、スタートアップSaaS企業でも年収700万以上のオファーは出るということです。

スタートアップ企業って給料安いイメージがあるかもしれませんが、企業のフェーズに寄って異なります。

創業当初のフェーズにおけるスタートアップ企業は資金が乏しく、現金の代わりにストックオプションを支給するケースもあります。

ストックオプションとは?

あらかじめ定められた「価格」、「数」、「期間内」に株式を購入することができる権利。
ストックオプションをもらった社員は、会社が上場した後にストックオプションを権利行使して株式を取得し、その株式を市場等で売却することによって利益を得られます。

一方で、ある程度製品が市場に受け入れられているフェーズにあるスタートアップ企業は、年収700万円程のオファーは意外と出す傾向にあります。

以下、スタートアップ企業のビジネス職種の給与テーブル例です。

スタートアップ企業 ビジネス職種の給与テーブル
  • メンバークラス:~400万
  • リーダークラス:400~600万
  • マネージャークラス:600~800万
  • 部長クラス:800万以上

尚、SIer営業出身でSaaS営業ポジションを希望の場合は、以下を理由にいきなりリーダークラス以上のオファーをもらえる可能性が高いです。

SIer営業がSaaS企業からオファー待遇を優遇されやすい理由
  • システムやITサービス提案の基本的な動き方を理解している
  • SIer自体が比較的給料の良い企業が多く、相応の年収を出さないと入社してもらえない
  • エンタープライズ企業への営業経験はスタートアップ業界では希少性が高い
    (エンタープライズ企業への営業経験があるSIer営業の多くは給与水準の高い外資IT企業へとられてしまう)

実際、私も入社時はマネージャー職ではなかったものの、SIer営業時代の経験を買われてマネージャークラスのオファーをもらえています。

尚、エンジニア職の場合は上記の給与テーブルの通りではありません。

福利厚生は薄い

一方で、大企業と比べたデメリットももちろんあります。

福利厚生面は、大企業と比べるとやはり劣ります。
私の転職前後では以下のような変化がありました。

私は転職当時は独身で子供もいなかったので、そもそもSIer時代にもらっていた手当が少なく、福利厚生面での影響は少なかったです。

ここで注意いただきたいのは、転職活動時に今の年収をきかれた際は「手当含めた合計を回答する」ということです。

内定をもらえた後に、後だしで「福利厚生含めると前職ではもっともらえていたので・・・」と交渉することはやめた方がいいです。
先方に迷惑がかかりますし、入社時の印象も悪くなります。

転職活動をするなら、手当も全部含めた年収がいくらなのかを洗い出しておきましょう

そして転職活動中に、応募先の企業から年収を聞かれた場合は手当含めた合計額を回答してください。
そうすれば、応募先企業は手当も含めたあなたの年収額をもとに、オファー年収を検討してくれることになります。

ITツール・サービスを業務の中で活用しやすい

スタートアップ企業ではITツール活用しやすい

仕事において活用できる便利なツールやサービスはたくさんありますよね。

でも、SIer企業にいた頃は会社が許可したサービスしか使用を認められていませんでした。
DLしようとするとシステム的にはじかれたり、DLしてもそれが情報システム部門をすぐ検知して厳重注意してきたりしました。

SIerはお客様企業の情報資産をお預かりするという側面もあり、よくわからないツールを導入してもしもお客様の情報流出をしてしまったら大変なことになります。
ルールや仕組みによってセキュリティを強化しておくのは当然です。

問題は、そのルールや仕組みにがんじがらめになって、新しいツールを使うことのハードルがものすごく上がってしまっていることです。

例えば、私が所属していたSIerでは、2021年の退職当時以下のような事態が発生していました。

  • MS製品のMicrosoftTeamsを使っていいのは社員だけけ
  • 常駐しているビジネスパートナーさんはTeamsを使ってはいけない
  • ビジネスパートナーさんとの社内コミュニケーションはメールを使う
  • 何故なら現在の情報セキュリティルールにのっとるとそうなるから

今時社内でのチャットツール利用が認められないなんて・・・

それ以外にも、ドキュメント作成のツールはExcelとパワーポイントのみでした。

一方で、私が入社したスタートアップ企業では「業務上必要であれば申請の上使っていい」という形です。

例えば、私は以下のようなサービスを使いました。

  • 画面デザイン作成:Figma
  • 業務フロー作成:draw.io

Ier時代は一生懸命Excelとパワーポイントでドキュメント作成していたため、「こんな便利なサービスを業務で使っていいのか・・・ !」と感動しました。

人事労務や社内管理系のシステムは快適

SIer企業の社内システムは正直使いづらいものが多かったです。

SIerの勤怠管理システム
  • 毎回ログインするのがめんどくさい
  • 画面が使いづらい
SIerの経費精算システム
  • 入力しづらい
  • 入力した後、プリントアウトして領収書を添付して実印を付与して総務担当者に提出する
稟議申請
  • システムではなくExcel
  • Excelで作成して印刷して押印するハンコリレー

SIer企業は、優秀なエンジニアはお客様のシステム開発PJに回されます。
社内システムを開発・改善するためのリソースは限られるため、システムが使いづらくなるのは仕方ないことかもしれません。

一方で、スタートアップSaaS企業は、社内システムは外部のSaaSを最大限活用していました。

社内業務に使われるSaaS
  • freee
  • Moneyforward
  • らくらく精算
  • チームスピリッツ
  • rakumo

SaaSは多くのユーザーに使ってもらえるように日々使いやすさが改善されていく仕組みです。
そのためSIer時代の社内システムとは比較にならないほど使いやすかったです。

例えば、経費精算の領収書も、スマートフォンで撮影してアプリ内で登録するという形です。(原本は別途会社へ提出します)

SIer時代、私は出張や移動が多かったことから毎月経費申請には1時間以上かかっていたのですが、スタートアップSaaS企業は毎月15分程で完了しています。

生涯働く場所ではないので自分でキャリア戦略を立てる必要がある

自分のキャリア戦略を立てる

以上、良いところばかり紹介してきましたが、大手SIer企業では考えていなかったことを、スタートアップ企業では考える必要があります。

それは自分のキャリア戦略です。

今後変わっていく可能性はありますが、スタートアップ企業は「急成長を志向するビジネスパーソンの集まり」という側面があります。

年齢構成も大企業に比べれば圧倒的に若いです。

現状、スタートアップ企業には60代や50代の人材はいないのです。

以下、SIer企業とスタートアップSaaS企業の社員 年齢構成の一例です。
(あくまでも一例であり、企業規模に応じて異なります)

SIerとスタートアップSaaSの社員年齢構成

もちろん、今後の社会の動きに応じて、スタートアップ企業が50代以上を採用する可能性はあります。
しかし、猛スピードで成長していくスタートアップ企業が、50代、60代の社員を抱えるかというと疑問です。

つまり、現状スタートアップ企業とは生涯働く場所ではなく、自分が50代、60代になったときにどこでどう働くかは自分で戦略を考えて実行しなければなりません。

大手SIer企業なら、定年まで抱えてくれるから安心ですね

今までは確かにそうでした。でも今後も定年まで抱えてくれるかは怪しいところがあります。

早期退職を募集する大企業が増えていることも事実です。
実際、大手SIer企業の1社でもある富士通も早期退職を募集していました。

富士通、早期退職実施 50歳以上の幹部社員対象

富士通が50歳以上の幹部社員で早期退職の希望者を募ることが4日、わかった。富士通と国内グループ会社の大半で実施し、課長以上、役員級未満を対象とする。

引用元:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC263080W1A121C2000000/


「大手SIer企業にいれば定年まで抱えてくれる」と期待してSIer企業に所属するのは少々リスクが高いでしょう。

まとめ

以上、大手SIer企業からスタートアップ企業に転職した際の待遇や労働環境事情について体験談をご紹介しました。

大手SIer企業からスタートアップSaaS企業へ転職した体験談
  • スタートアップSssS企業でも年収700万以上は出る
  • 福利厚生は薄い
  • 業務の中で必要なITツールを活用できる
  • 人事労務周りのシステムはかなり快適
  • 生涯働く場所ではないので自分でキャリア戦略を立てる必要がある

尚、この記事は待遇や労働関係を中心に紹介しましたが、実際の業務については以下の記事でも紹介しています。

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読んでいただきありがとうございました。