カスタマーサクセスの将来性は?今後の市場価値・身につくスキルを告白

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カスタマーサクセスの将来性
カスタマーサクセスに興味がある人

カスタマーサクセスに興味があるけど、将来性はあるのかな?スキルが身につかず市場価値が高まらない職種に転職するのは危険だろうし…

カスタマーサクセスへの転職を考えるにしても、将来性や身につくスキルがわからないと不安で具体的な一歩は踏み出せないですよね。

一方でカスタマーサクセスの実態に関する情報はまだ世の中に少ないです。なぜならば、カスタマーサクセスとは新しい職種で、実体験を発信している人が少ないからです。

この記事では、実際にカスタマーサクセスの仕事を経験したことのある私が、カスタマーサクセスの将来性や身につくスキルについて実体験に基づき解説しています。この記事を読めば、カスタマーサクセスの将来性について理解し、カスタマーサクセスへの転職を目指すべきか判断できます。

目次

カスタマーサクセスの将来性

企業が提供するサービスの提供モデルが「買切り・所有型」から「継続利用型」のサブスクリプションビジネスへと移行している現在、カスタマーサクセスは非常に将来性のある仕事です。

なぜならば、顧客にサービスを継続利用してもらうことで投資コストを回収し利益が出るサブスクリプションビジネスでは、顧客のサービス活用と成果に伴走するカスタマーサクセスがビジネス成長を左右するからです。

カスタマーサクセスはサブスクリプションビジネスの将来を支える

たとえばあるサービスを作るのに1億円のコストがかかったとします。

そのサービスを顧客に契約してもらえた場合、顧客1社あたり年間100万円の売上が発生するなら、順調に顧客を増やしていければ投資したコスト1億円は短期間で回収できます。

しかし、解約する顧客も増えていった場合、合計の売上は増えていきません。

例えるなら、穴の空いたバケツに新しい水を注いでも、穴から水が漏れ続けて水が溜まらない状態です。

そこで、契約済みの顧客へカスタマーサクセスがフォローして解約防止に取り組むことで、契約数を減らして収益を確保するのです。

また、新規顧客への販売よりも既存顧客の解約を防止する方がコストが少なく、アップセル・クロスセルの機会を多く創出できます。

カスタマーサクセスが既存顧客の解約を防止することは。同じ金額を新規で販売する以上の価値があるのです。

以上の点から、カスタマーサクセスが企業経営に必須な役割機能であり、将来性のある仕事であることがわかります。

カスタマーサクセスが身につくスキル

  • 法人顧客とのビジネスコミュニケーションスキル
  • 提案・プレゼンテーションスキル
  • 物事を構造的に捉えてわかりやすく相手に説明するスキル
  • 定量的なデータ分析スキル
  • 業務を設計し実行までやり抜くプロジェクトマネジメントスキル

以下、順に解説します。

法人顧客とのビジネスコミュニケーションスキル

カスタマーサクセスにとって、ビジネスコミュニケーションスキルは最も重要で身につきやすいスキルの一つです。

コミュニケーションを通じて得られるスキルに”共感力”があります。顧客に直接相対するカスタマーサクセスは、顧客の思考や感情を推察し、寄り添いながら価値を提案することで長期的な信頼関係を構築します。

言葉だけではなく、微細なニュアンスや表情・身体の動きから本心を読み取る力を身につけられます。

また、カスタマーサクセスは顧客だけではなく社内とのコミュニケーションにおいてもスキルを高められます。

顧客の声を社内の各部門にスムーズに共有・連携する役割を担うため、顧客のニーズや不満・不安を言語化し、社内へ適切に伝える力を身につけられるのです。

提案・プレゼンテーションスキル

カスタマーサクセスは、顧客のビジネス成果に伴走するために常に顧客の状況を把握し、能動的かつ積極的に提案を行います。

実際に私がカスタマーサクセスの業務を通じて身につけた提案・プレゼンテーションスキルは以下です。

プロダクトのデモ紹介

商談時に、プロダクトの実画面を見て契約有無を判断したいと希望する顧客は一定います。その際、カスタマーサクセスとして、技術的な課題解決案を含めて、プロダクトの使い勝手や価値を提案しました。

プロダクトに関する機能・事例の知識に加え、顧客のニーズとプロダクト知識を紐づけて課題解決案を提案・プレゼンテーションするスキルを身につけられました。

オンボーディングの伴走支援

顧客がプロダクトの利用を開始する際、プロダクトの操作方法を理解してもらう必要があります。

顧客にプロダクトの操作方法を理解してもらい、利用の準備をする工程をオンボーディングと呼びます。

より短い期間で理解してもらえば迅速に利用を開始して、最短でビジネス上の成果を生み出せます。

カスタマーサクセスは顧客の要望を把握し、成果を出すために必要なプロダクトの設定・利用方法を簡潔かつわかりやすく説明します。

オンボーディングにおけるカスタマーサクセスの具体例
  • WBS作成
  • 進捗管理
  • 習得を容易にするためのオンボーディングプログラムの作成・提供
  • 利用者・マネージャー等の利用者属性ごとの教育・説明会

顧客にあわせた提案をおこなう体験を通じて、論理的思考やプレゼンテーションのスキルが身につきます。

利用拡大・アカウント開拓

プロダクトの利用が定着化した後は、さらなる価値を提供するための提案活動を開始します。

現在の利用部門において、さらに活用いただくための事例・活用イメージの提案をしたり、組織図から他部門の利用可能性をヒアリングし、提案・プレゼンテーションに繋げる活動は非常に重要です。

なぜならば、活動を通じて企業全体にプロダクト利用が浸透することで成果が拡大し、解約防止に繋がるからです。

物事を構造的に捉えてわかりやすく相手に説明するスキル

顧客へ価値を届けるためには、短い時間で理解できる資料作成と伝え方が重要です。カスタマーサクセスは顧客に関する様々な情報を整理し、関連性や全体像をわかりやすい表現に視覚化するスキルを身につけることができます。

以下に、私が実施していた構造化の例を紹介します。

目標と活動アクティビティの構造化

顧客の成功を実現する最初の一歩は「何が顧客のビジネスにおける成功なのか」を知ることです。私は、ツリー構造でビジネスのKGI/CSF/KPIを表現して顧客と認識合わせしています。

KGI最終目標。
「何を達成したいのか?」を表す。
CSF目標達成に必要な重要な要素。
「何が重要か?」を表す。
KPI進捗を測るための具体的な指標。
「どれだけうまく進んでいるか?」を表す。

顧客が何を目標に業務をしているのかを可視化すれば、以下について顧客と同じ目線で議論・共有できます。

  • 現状の問題点とその原因
  • 原因を解消するために取り組むべき課題
  • 課題を解決して目標達成するために、カスタマーサクセスが担当する製品・サービスがどこで価値を生むのか

カスタマージャーニーマップの作成

カスタマーサクセスを実現する組織作りでは、顧客体験のプロセスと状況に沿ったシナリオを定義したカスタマージャーニーマップの活用が重要です。

顧客のフェーズ毎に、目標、提供サービス、ポジティブ・ネガティブのシナリオをマトリクス構造で可視化することで、組織の問題・課題・目指すべき姿をの共通認識を形成できます。

業務の構造化

顧客の問題・課題を発掘するための手段の一つが、業務の構造化です。私は業務フローの可視化にスイムレーン図をよく用いています。

スイムレーン図とは

プロセスやフローを視覚的に表現するための図で、特定の役割や部門ごとのレーンに分けたフローチャートの一種です。各レーンに沿ってタスクやステップが配置され、プロセスのどの部分がどの部門や個人によって担当されるかを明確に示せます。

現状の業務を可視化することで、問題・課題の議論がスムーズにできます。

その後、理想の業務フローを可視化し、伝えたい理想像を顧客にわかりやすく説明します。

業務を設計し実行までやり抜くプロジェクトマネジメントスキル

カスタマーサクセスは、営業フェーズで顧客に約束した期待を実現させることが求められます。社内においてもコンテンツの制作や業務改善といったプロジェクトを推進することもあります。

工程はできる限り短く、高い品質で進め、納期を意識したプロジェクトマネジメントを求められます。

以下に、私が身につけ大事にしているプロジェクトマネジメントスキルを紹介します。

進捗管理

プロジェクト全体を可視化したスケジュール表を作成します。

プロジェクトの開始から完了までの工程タスクとマイルストーンを明記し、各タスクの納期と役割分担を共有することで、関係者全員が進捗管理を共有可能です。

可視化することで進捗を判断でき、遅延が発生した場合は早期に対策を打ちます。

課題管理

プロジェクトの問題やリスクを表に可視化します。

課題毎に解決までの過程と結果を記録に残すことで、問題発生時にも過去に遡って記録が確認できます。

特に複数人のプロジェクトである場合、「言った言わない問題」が発生しやすいため、誰がいつ何を発言して決まったのかを言語化して記録に残すことは重要です。

巻き込み力

プロジェクトを円滑に進めるためには、顧客や社内関係者からの協力を引き出し、目標を達成する必要があります。

自分一人でやれる範囲は限られているので、関係者と良好な関係を維持しながら適切なタイミングで最大の協力を得るためのコミュニケーション力や段取り力が身につきます。

決断力

プロジェクトには問題がつきものです。解決方法が1つしかないことは稀で、多くは複数の選択肢から1つを決定して進めます。

そのため、複数の選択肢から自ら責任をもち決定・実行するスキルが自然と身につきます。

理由が明確な場合は決断しやすいですが、中には類似する選択肢が複数ある状況もあります。そんなときも、自身が責任を持ち迅速に決断することで、プロジェクト関係者の信頼を獲得し納期を守りやり抜くことに繋がります。

定量的なデータ分析スキル

カスタマーサクセスが複数の顧客に対して少ないリソースで最大の効果を発揮するためにはデータ活用が必須です。

以下に、私が実施しているデータ活用の例を紹介します。

ヘルススコア

顧客の解約兆候やアップセル機会を可視化し、アプローチする対象顧客を明確にする指標がヘルススコアです。顧客のプロダクト利用状況データやアンケート回答を利用してスコアリングし、リソースの最適活用を実現します。

プロダクト活用スコア

プロダクトの利用状況データから、顧客のプロダクト活用状況をスコアリングします。あまりログインされていない、特定の機能を利用していないなど、活用不足の顧客を可視化し早期にフォローすることでスムーズなプロダクトの習得に伴走します。

ROIレポート

顧客のプロダクト利用状況データやヒアリング結果をもとに、顧客の費用対効果を可視化したレポートを作成します。

ROIとは

Return On Investmentの略称で、費用対効果を表します。

契約更新前の訪問で報告することで、プロダクトの成果を顧客に理解してもらい顧客企業で契約継続の承認が通りやすくなります。

カスタマーサクセスの市場価値

カスタマーサクセスの市場価値は今後上がっていきます。

なぜならば、カスタマーサクセスは新しい分野であり、業務内容が型になっていないからです。業務の型がなくても顧客に価値を提供していける人材は希少性が高いです。

更に、最近はカスタマーサクセスには解約防止だけでなく、アップセル・クロスセルも期待されることが多いです。

従って、顧客折衝力の高い営業職からカスタマーサクセス職へ転職するケースを多く耳にしますが、カスタマーサクセスの実務経験がある人材はまだまだ希少です。

以上をふまえ、カスタマーサクセスの市場価値は今後も高くなっていくでしょう。

カスタマーサクセスの今後

カスタマーサクセスは製品・サービス購入後の顧客体験における全てを担っている状況です。そのため、今後は分業化が進むと考えています。

カスタマーサクセスの分業化の例
  • カスタマーマーケティング: 既存顧客へのマーケティング
  • カスタマーセールス: 既存顧客へのアップセル・クロスセル
  • オンボーディング: 利用開始直後の製品・サービスの習得、業務運用開始までの支援
  • カスタマーサクセス: 既存顧客の製品・サービス利用定着化、満足度最大化
  • CS Ops: 顧客折衝時のコンテンツ制作、顧客情報の分析・可視化・フィードバック

カスタマーサクセスの認知度拡大と分業化に伴い、カスタマーサクセス職への参入障壁も低くなることが想定されるため、新卒・中途採用が増えてくると考えられます。

まとめ

以上、カスタマーサクセスの将来性から市場価値まで詳細を解説しました。

改めてまとめると以下の通りです。

カスタマーサクセスの将来性将来性は高い。
なぜならば、顧客にサービスを継続利用してもらうことで投資コストを回収し利益が出るサブスクリプションビジネスでは、顧客のサービス活用と成果に伴走するカスタマーサクセスがビジネス成長を左右するから。
カスタマーサクセスが身につくスキル法人顧客とのビジネスコミュニケーションスキル
提案・プレゼンテーションスキル
物事を構造的に捉えてわかりやすく相手に説明するスキル
定量的なデータ分析スキル
業務を設計し実行までやり抜くプロジェクトマネジメントスキル
カスタマーサクセスの市場価値カスタマーサクセスの市場価値は今後上がっていく。
なぜならば、業務の型がなくても顧客に価値を提供していける人材は希少性が高いから。
カスタマーサクセスの将来性将来性は高い。
なぜならば、顧客にサービスを継続利用してもらうことで投資コストを回収し利益が出るサブスクリプションビジネスでは、顧客のサービス活用と成果に伴走するカスタマーサクセスがビジネス成長を左右するから。
カスタマーサクセスが身につくスキル法人顧客とのビジネスコミュニケーションスキル
提案・プレゼンテーションスキル
物事を構造的に捉えてわかりやすく相手に説明するスキル
定量的なデータ分析スキル
業務を設計し実行までやり抜くプロジェクトマネジメントスキル
カスタマーサクセスの市場価値カスタマーサクセスの市場価値は今後上がっていく。
なぜならば、業務の型がなくても顧客に価値を提供していける人材は希少性が高いから。

カスタマーサクセスに興味がある人は以下の記事を参考にしてください。

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