IT業界に興味があるけど、職種がたくさんあってよくわからない…
IT業界の職種って多いしカタカナばかりだし何が何だかイマイチわからないですよね。
実は、IT業界の各職種は役割や仕事内容が異なります。例えるなら、食の世界と同じです。
以上の3つの職種は、同じ食に関わる仕事ですが、仕事内容は異なります。
同様に、IT業界の各職種も仕事内容は異なるのです。
この記事では、10年以上IT業界で働いている筆者が、IT業界の各職種の具体的な仕事内容と平均年収を解説しています。
この記事を読めば、IT業界の各職種の仕事内容を理解し、自分が目指したい職種を見つけるヒントを得られます。
IT業界勤務 ヒロマン
- 10年間IT業界に勤務し、IT企業3社にて営業と企画開発を経験。
- 長時間労働・顧客からのクレーム対応役といった高ストレス業務に耐えながら2回の転職を経験。
- 現在はIT業界で仕事を楽しみながら毎日9-18時勤務で年収800万の生活中。
IT業界のエンジニア系職種 7選
IT業界で働く人といえばITエンジニアをイメージする人が多いです。
ITエンジニアはシステムエンジニア(SE)と呼ばれることも多いです。
システムエンジニア=ITエンジニアと思ってください。
実はITエンジニアはその役割に応じて複数に分類されます。
この記事では、ITエンジニアの以下7種を順に解説します。
プログラマーはエンジニアの出発点
プログラマーは、その名の通りプログラムを書く職種です。
特定のプログラム言語を用いて、コンピューターへの指令であるプログラムを書き、アプリやシステムの機能を作っていきます。
「パソコンの黒い画面にカタカタ打ち込んでいる」という一般的なITエンジニアのイメージがそのまま当てはまります。
プログラムを書く行為であるプログラミングはIT技術の基本中の基本です。
全てのITエンジニアは必ず一度はプログラミングを学んでいます。
未経験からITエンジニアを目指す場合はまずプログラマーを目指すのが一般的です。
プログラマーの仕事内容
- 設計書に基づきプログラムを書く
- 書いたプログラムが想定通り動くかテストする
プログラマーは自分の好きなようにプログラムを書くわけではありません。
何をどんな風に作るのかが示されている設計書を渡されて、設計書に基づきプログラムを書いていきます。
上級プログラマーの場合、設計書の作成も任されるケースもあります。
プログラムを書いたら想定通りに動くかテストをして、問題があれば修正します。
他人が書いたプログラムをテストすることもあります。
プログラマーの世界は奥が深い
…なんか単純作業ですね。
IT技術の基本中の基本ですし、初心者向けの職種なのですか?
プログラマーは決してレベルの低い職種ではありません。
一言で「プログラムを書く」といっても、考慮すべき観点が多くあり、意外と奥が深いです。
- 効率の良い構成になっているか?
- 他の誰かが見やすい構成になっているか?
- 後から他の誰かが修正する時に手を入れやすい構成になっているか?
レベルの高いプログラマーがそのスキルを競い合う「競技プログラミング」という世界もあります。
最も品質が高いプログラムを最も早く書けたプログラマーは賞賛され、莫大な賞金をもらえるのです。
レベルの低いプログラマーが適当に書いたプログラムは通称「クソコード」と呼ばれ酷評されます。以下はITエンジニア向けのSNS「qiita」に投稿されたクソコードに関する記事です。
クソコードにならない為に、これだけは守って欲しい7つのこと
1700以上のいいねがついており、いかにエンジニアがクソコードを嫌っているかわかります。
プログラマーの平均年収
各調査機関やメディアが調査した、プログラマーの平均年収をまとめました。
上記はあくまでも平均年収です。
「プログラマー」と一言でいっても、スキルレベルや所属する企業に応じて年収は大きく変わります。
未経験~現場経験1年程度の新米プログラマーであれば、年収400万が妥当でしょう。
一方で、高いレベルのスキルを持つプログラマーならもっと年収は上がります。
実際、Google、Facebook、Amazonといった外資系の大手IT企業の上級プログラマーであれば年収数千万円はもらえます。
- フリーランスなら並みのスキルでも年収1,000万は珍しくない
- そこまでハイレベルではなくても、日本国内で並レベルのプログラマーであれば、フリーランスになると年収1000万超えは決して難しくありません。
なぜならば、企業がプログラマーを社員としてではなく業務委託で契約する場合、月額90~80万で契約することは決して珍しくないからです。
まともなプログラマーは需要に対して供給がひっ迫しており70万以下で企業が契約するのは非常に難しいのが現状です。
90万×12か月=年収1,000万以上を稼ぐのは決して難しくありません。
フロントエンドエンジニアは画面を作る
フロントエンドエンジニアとは、皆さんが普段使っているアプリの画面を作るエンジニアです。
他のIT職種と比べると何を作るのかわかりやすいため、未経験から目指しやすい特性があります。
単純にプログラムを書くだけでなく、「この画面は使いやすいだろうか?」といったユーザーの操作性への考慮も必要となります。
ITエンジニアは論理性を追求する傾向がありますが、フロントエンドエンジニアは「画面を操作する人の気持ち」等、論理とは反対の感情面も考えながらシステムを作ります。
フロントエンドエンジニアの仕事内容
- 画面関連の設計書を作成する
- 設計書に基づきプログラムを書いて画面を作る
- 画面が想定通り動くかテストする
まず、作るアプリの目的やユーザーの操作性を考慮しながら、どんな画面にすべきか案を考え、設計書を作成します。
- 画面遷移図
- 画面仕様書
設計する際は、見た目の良さだけでなく以下のような技術的な考慮も必要です。
- どんな作りにしたら最も速く表示できるか?
- 後から修正する際に最も手間がかからない設計は?
設計書を作ったら関係者に確認してもらい、OKが出たら実際に画面を作る作業に入ります。画面設計をチェックする関係者は、企業や作るアプリ内容によって様々です。
画面を作る作業では、実際にプログラムを書いて想定通りに動くかテストをして、問題があれば修正します。他人が書いたプログラムをテストすることもあります。
フロントエンドエンジニアの年収
調査元 | フロントエンドエンジニアの年収 |
求人ボックス | 600万 |
バックエンドエンジニアは裏側の処理を設計し開発
バックエンドエンジニアは、画面には見えない裏側の処理を作ります。
…裏側の処理…?
何ですかそれ?
画面作ったら終わりではないのですか?
例えるなら、車を想像してください。
目に見える車の部品は、せいぜい10~20個程度でしょう。しかし、外からは見えない中身も含めると、1台の車を構成する部品は約3万個にのぼります。
バックエンドエンジニアの仕事内容
- 機能別に設計書を作成する
- 設計書をプログラマーに渡してプログラム作業を依頼する
- プログラマーが書いたプログラムが想定通り動くか確認する
まず、作る機能の目的を考慮しながら、どんな処理の流れにすべきか考え、設計書を作成します。
作る機能の単位は開発する企業に応じて異なります。例えば、ECサイトを開発する場合の機能の例は以下です。
- 新規会員登録する機能
- 欲しい商品をカートに入れる機能
- カートに入れた商品の購入を確定する機能
設計書を作ったら関係者に確認してもらいます。OKが出て設計書が完成したらプログラマーに内容を説明して、プログラムを書いてもらいます。
10年前のIT業界では、設計書は紙で印刷してホッチキスで止めて関係者へ配布するのが普通でした。しかし現在ではリモートワークやデジタル化の流れに伴い、紙で印刷する文化は無くなり電子ファイルで設計書を関係者へ共有しています。
プログラマーが書いたプログラムを受け取ったら、設計書通りに作れているかチェックします。
バックエンドエンジニアが自分でプログラムを書くこともあります。
バックエンドエンジニアの年収
インフラエンジニアは縁の下の力持ち
インフラエンジニアとは、アプリやシステムを動かすための基盤を設計し構築する職種です。
IT基盤に関わることから、「基盤エンジニア」と呼ばれることもあります。
基盤…?何ですかそれ?
実は、アプリやシステムは、ブログラムを書いただけでは絶対に動かすことはできず、必ず基盤が必要になります。
例えば、スマートフォンやPCといった触れる物理的なコンピューターと、皆さんが普段使っているアプリとの関係に似ています。
SNSやアプリを使いたいと思ったとき、スマートフォンやPCがなければ絶対に使えませんよね?
同様に、アプリやシステムを提供する側も、それを動かす物理的な環境が必要なのです。
インフラエンジニアは、アプリやシステムを動かすためにはどんな環境が必要かを考え、調達し、用意します。
全てのアプリは基盤の上で動いている
インフラエンジニアの仕事内容を理解いただくために、IT基盤について解説します。
あなたが普段使っているアプリやSNSは、世界のどこかに置いてあるコンピューター装置の中で動いています。
え?私のスマホの中で動いているのではないのですか?
一部はあなたのスマホの中でも動いていますが、大半は異なります。
あなたはスマホを通じて、世界のどこかに置いてあるコンピューター装置にアクセスして、SNSやアプリを使っているのです。
その証拠に、インターネットが使えない環境ではSNSやアプリを動かせないですよね?
これはインターネットを使えないと世界のどこかのコンピューター装置にアクセスできないからです。
インフラエンジニアは、自社が提供するアプリやシステムを安定的に動かすには、どんなコンピューター装置をどう活用すべきかを考え、実際にセットする役割を担います。
アプリやシステムを安定的に動かすためのコンピューター装置は相称してIT基盤とも呼ばれ、役割別に以下のように分類されています。
種類 | 役割 |
---|---|
サーバー | アプリやシステムを動かす基本装置 |
OS | アプリやシステムとサーバーとをつなげる仲介役 |
ストレージ | データをためるバケツ |
ネットワーク機器 | 人々のPCやスマホからサーバーへの通信を振り分ける旗振り役 |
インフラエンジニアの仕事内容
- IT基盤の選定・設計
- IT基盤の構築
まず、アプリやシステムの目的に応じて、どんなIT基盤が必要かを考えて設計書を作ります。
どんなIT基盤が必要かは、そこで動かすアプリやシステムの種類に応じて全く異なります。
動かすシステム | 必要なIT基盤 |
---|---|
ECサイト | 24時間365日動かしたい。 止まるとユーザーが買い物できないので、ビジネス上の機会損失になる。 たくさんのユーザーがアクセスしても動き続ける。 ボタンを押した後の動きが遅いと離脱されてしまうので処理速度を上げたい。 |
自社の社員が使うスケジュール管理システム | 休日は使えなくて良い。 平日のみ、自社の社員が問題なく使えれば良い。 |
アプリの利用者数、利用が多い時間帯、アプリに登録するデータの量、アプリを構成するプログラムの大きさなど、多くの観点を考慮して必要なIT基盤を設計します。
尚、IT基盤は自社だけでゼロから作り上げることは困難なので、外部のメーカーから必要な機器やサービスを調達することになります。
どんなスペックの製品やサービスを、どれくらい、いくらで調達するかコストもおりこみます。
尚、10年前は物理的なコンピューター装置をメーカーから購入するのが一般的でした。
しかし現在では、利便性を背景に、物理的なコンピューター装置を購入するよりもインターネット経由でサービスを利用する方が多くなっています。
皆さんが普段iCroudやDropBoxといった外部サービスに写真や動画を保存しているのと同様のイメージです。
IT基盤の調達が完了したら、設計書に基づいてIT基盤を構築していきます。
具体的には、一般的なITエンジニアのイメージ通りの、黒い画面をカタカタ操作していく作業を進めます。
インフラエンジニアの年収
保守運用エンジニアはシステムのお医者さん
ここまでは、作るもの別にエンジニア職種を紹介してきましたが、システムの状態別でエンジニアの職種を置いているケースもあります。
保守運用エンジニアとは、既に開発が完了して世の中で動いているシステムを、問題なく動かし続けるエンジニアです。
え?プログラムって1回完成させたら後は勝手に動き続けますよね?
そもそも「指令された処理を繰り返し動かす技術」がプログラムですし。
原則はその通りですが、「安定して動かし続ける」には保守運用エンジニアが必要です。
なぜならば、様々な理由でシステムが止まる可能性があるからです。
- 開発時には見落としていた欠陥があった
- SNSでバズった結果、アプリへのアクセスが予想以上に高まった
- IT基盤に使っている機械が故障した
システムが問題なく動いているかを監視し、何か問題があれば必要な対策を施さなければなりません。
また、開発した時には考えていなかった機能や、「来年追加しよう」と考えていた機能を後から追加することは珍しくありません。
その場合、今動いているシステムが誤動作しないように機能追加する必要があります。
保守運用エンジニアの仕事内容
- システムが正常動作しているか点検
- 定期メンテナンスの計画と実施
- 利用状況に応じたシステム改修計画の立案
まず、システムが問題なく動いているか定常的に点検します。
ただし全てを自分の目で見るのは不可能なので、不自然な動きをしていた場合は自動的に通知してくれる監視の仕組みを導入することになります。
日常の点検を通じて、システムに手を入れるべき作業のリストが溜まってきたら、定期メンテナンス実施します。
定期メンテナンス中はシステムを止めるので、夜間に実施するケースが大半です。
たまにシステムメンテナンスの案内を見かけると思います。
その裏では、保守運用エンジニアがシステムの安定稼働のために一生懸命仕事しているのです。
システムの機能を追加したり、ユーザー数の増加に伴いIT基盤を拡張する際も、保守運用エンジニアがリードします。
IT業界では、全く新しいものを開発するのと同じくらい、今動いているものを問題なく改善することは難易度が高いのです。
保守運用エンジニアの年収
調査元 | 保守運用エンジニアの年収 |
経済産業省 | 608万 |
ITスペシャリストは凄腕の職人
特定の技術について、高い技術力を持つのがITスペシャリストです。
企業によって呼び方が異なり、「上級SE」と呼ばれることもあります。
実は、ITの世界では1人で全ての技術を完全にマスターすることは不可能です。
なぜならば、枝分かれした複数の技術がどんどん進化していく現代では、1人で全てを追い切ることはできないからです。
例えるなら、全ての料理ジャンルを完璧に極めた料理人が存在しないのと同様です。
料理と同様に、特定のジャンルに特化して技術力を極めているエンジニアがいます。
それがITスペシャリストです。
- データベースエンジニア
- セキュリティエンジニア
- ネットワークエンジニア
ITスペシャリストの仕事内容
- 他のITエンジニアから技術の相談を受けアドバイスする
- 難易度の高いアプリ開発には自ら参加して設計・レビューする
ITスペシャリストは特定の技術に関しては他のエンジニアよりも高い技術力があります。
普通のエンジニアでは解決できない問題が発生した際、相談を受け付けてアドバイスします。
重要度や難易度が高い開発プロジェクトでは、自ら参画して設計書を作りプログラムを書くこともあります。
ITスペシャリストのうち「ネットワークエンジニア」の仕事内容については『【ネットワークエンジニア】えもんだ社長のブログ』にてわかりやすく解説されています。
ITスペシャリストの年収
調査元 | ITスペシャリストの年収 |
経済産業省 | 758万 |
ITアーキテクトは全体設計のプロ
ITアーキテクトとは、システム全体の方向性・仕組みから、運用保守までを見通して全体を設計できるエンジニアです。
ITスペシャリストが「特定技術に特化したプロフェッショナル」なら、ITアーキテクトは「システム開発全体を見渡せるプロフェッショナル」です。
情報処理推進機構が提供している国家資格に「システムアーキテクト試験」があります。
難易度は最難関です。
この試験に合格すると、対外的に「私はITアーキテクトです」と宣言できます。
ITアーキテクトの仕事内容
- 作るシステムの目的に応じてどんな技術を使うべきか選定
- システムの技術的な全体設計図を書く
- システム開発の進め方のルールを設計
ITアーキテクトの年収
IT業界のマネジメント系職種 3選
以上、IT業界のエンジニア職種を解説しました。
しかし、IT業界の仕事はエンジニア職種だけではありません。
エンジニアとして経験を積んだ先のキャリアチェンジ候補として、マネジメント職種があります。
実際にプログラムを書いてアプリやシステムを開発するエンジニア職種に対して、マネジメント職種では自分で手を動かしてプログラムを書くことはほぼありません。
その代わりに、マネジメント職種は以下の役割を担います。
- 企業として成し遂げたいビジネス目的をもとに、どんなアプリやシステムを作るのか計画する
- 計画を予定通り完了させてビジネス目的を達成できるよう、エンジニアチームを管理する
エンジニア職種と比べるとマネジメント職種は担当する業務の抽象度が上がります。
ヒト・モノ・カネを活用して最大の成果を得るために、技術知識・ITスキル以外にも様々な知識・経験が必要となるため難易度が高く、平均年収も高めです。
本記事では以下3つのマネジメント系職種を順に解説します。
プロジェクトマネージャーはゴールへ導く総司令官
プロジェクトマネージャーとは、システム開発プロジェクトの責任者として、計画、人員、予算、納期、リスク等を管理します。
プロジェクトが成功するか失敗するかはプロダクトマネージャーの力量に依存します。
以下の特性を持つ仕事を指します。
- やってみる前に、何をしたらどんな結果が得られるかはわからない
- 「こうなったら達成」というゴールがある
- 「○○までに達成しなければならない」という期限がある
プロジェクト型の仕事はIT業界以外でも存在するため、他の業界でもプロジェクトマネージャーという役割を置いていることがあります。
プジェクトマネージャーの仕事内容
- プロジェクト計画書の作成
- プロジェクトの進捗・品質・問題・予算等の管理
まずは、システム開発プロジェクトの出発点となるプロジェクト計画書を作成します。
- プロジェクトの目的
- プロジェクトの背景
- プロジェクトのゴール
- プロジェクトのスケジュール
- プロジェクト推進体制
- プロジェクト予算
プロジェクト計画書を作成してプロジェクトが始まったら、プロジェクトの進捗・品質・問題・予算等を管理していきます。
…管理ってなんかショボくないですか?
プログラミングもしないようだし…
プロジェクトマネージャーって窓際族的な仕事ですか?
プロジェクトマネージャーには必ずしもプログラミングスキルといったITスキルは必須ではありません。
プログラミング実務はできないプロジェクトマネージャーも存在します。
しかし、プロジェクトマネージャーは難易度の高い職種です。
なぜならば、プロジェクトに関わる人達は自分の役割・与えられた仕事を達成することを目指す一方で、プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体に責任を持つからです。
プロジェクトを進めていく過程では、多くの問題や障壁が発生します。
全てが予定通りに完了するプロジェクトは存在しません。
なぜならば、プロジェクトとは、「やってみる前に、何をしたらどんな結果が得られるかはわからない仕事」だからです。
分類 | 発生しうる問題 |
---|---|
タスク | プロジェクトメンバーに割り振った仕事の遅延 コミュニケーションの認識齟齬 仕事の品質の低さ |
人 | プロジェクトメンバー間の人間関係 プロジェクトメンバーの体調不良 プロジェクトメンバーのモチベーション |
技術 | 技技術的障壁の発生 要件の考慮漏れ |
コミュニケーション | 経営層からの期待値のズレ 関連する他部署との衝突 スケジュール変更による関連部署との調整 |
プロジェクトマネージャーは、起こりうる様々な問題を事前に予測の上対策を講じておき、それでも問題が発生したら原因を分析して対策を実行します。
「問題が発生したのでプロジェクトの目標を達成できません」では済みません。
どんな問題が起きようとも乗り越えてプロジェクトを成功に導く責任を負うのがプロジェクトマネージャーです。
プロジェクトマネージャーの年収
プロダクトマネージャーは製品の導き役
プロダクトマネージャーは、自社の製品(プロダクト)が進むべき方向性を定める人です。
プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーとはどう違うのですか?
ゴールと期限があるプロジェクトを推進するプロジェクトマネージャーに対して、プロダクトマネージャーには明確なゴールと期限がありません。
なぜならば、自社製品を開発して提供するIT企業は、自社の製品を市場に提供し続けることを目指すからです。
期限=終了時期があるとしたら、それは製品の販売・提供終了を意味します。
プロダクトマネージャーは、自社製品が市場で評価されて売れ続けるよう、製品が進むべき方向性を考えます。
考える製品の方向性の例
- 市場の中のどのユーザーをターゲットにするか?
- ユーザーのどんな課題を解決するのか?
- ユーザーに競合よりも自社を選んでもらうためには何をウリにするか?
- この先どんな機能をいつ作ってどんな順番でユーザーに届けるべきか?
- 現状の自社製品に対するユーザーの不満は何か?その原因は何で、どう解決するか?
- 自社製品の収益は今どんな状態で、今後どうなっていくのか?
ユーザーのニーズを集めるには営業部門、製品の開発計画を考えるにはエンジニア部門、収益計画の策定には経営層との連携が不可欠です。
複数部門の関係者と合意形成しながら仕事を前に進めていくという意味では、プロジェクトマネージャーと同様の高いコミュニケーションスキルが必要となります。
更に、自社製品を成長させていくために、市場において自社製品が今後のどのポジションをとっていくのかを考えるマーケティング思考も必要なのがプロダクトマネージャーです。
プロダクトマネージャーの年収
調査元 | プロダクトマネージャーの年収 |
Indeed | 740万 |
ITコンサルタントは経営戦略とIT戦略の二刀流
ITコンサルタントは、企業の経営課題を分析し、IT戦略を提案します。
企業のIT戦略とは、ゼロから生まれるものではありません。
- 自社のアプリを通じてビジネスを拡大する
- システムで社内の業務を自動化して業務効率化を図る
- 顧客満足度を高めるために、顧客一人一人のニーズを把握できる顧客管理システムを導入する
企業にとってのIT戦略とは、経営課題を実行するための手段です。
企業の経営戦略、経営課題をもとにIT戦略は作成されます。
- 新規事業を立ち上げ、5年以内に新たな収益の柱とする
- 既存の国内事業の収益を向上し、新規事業へ積極投資できる財務基盤を確立する
- 安定した売上を確保するために、顧客満足度を高める
- 市場ニーズ・自社の資産・競合の状態を分析し、新規サービスを立ち上げる
- 業務運営体制・フローを効率化してコストを削減し、利益率を上げる
- 顧客のデータを収集・分析して即事業に反映できる体制を作る
企業の経営課題を分析し、ITによる具体的な課題達成策を提案するのがITコンサルタントです。
経営課題を分析するには、IT知識だけでは足りず、経営戦略に関する幅広い知見も必要となります。
また、提案先は企業のトップである経営層です。
自身が考えたIT戦略を経営層に提案して経営層に承認をもらうには、高いレベルの提案スキルが必要です。
提案内容が論理的に的を射ているかだけでなく、提案先企業内の派閥や組織力学も考慮した政治的動きも時には必要になります。
ITコンサルタントの年収
IT業界のビジネス系職種 5選
「IT業界」と聞くとITエンジニアといった技術職を想像する人が多いですが、営業系の職種も必ず存在します。
IT業界では、エンジニアが開発した製品・サービスを販売したり販売先の顧客とやりとりする営業系の職種を「ビジネス系職種」と呼ぶことが多いです。
IT企業は営業なんて雇わずに、AIとかで販売しちゃえばいいのでは?
「営業」ってなんか古臭い感じがして、IT業界に合っていないのでは?
企業向けの製品・サービスを開発しているIT企業においては、営業は無くてはならない存在です。
なぜならば、
- 企業向けのIT製品は100万円以上する等金額が大きいため、企業が購入を意志決定するには営業からの提案が必須だから
- IT製品は十分な下調べなしに購入するとまともに動かないリスクがあるため、企業が購入を意志決定するには営業を通じた詳細調査が必須だから
実際、Google、Amazon、Microsoftといった外資系の巨大IT企業も、企業向けビジネスにおいては営業職を置いています。
外資系IT企業の営業職の年収は1,000万超えが多く、IT企業が営業を重要視していることがわかります。
また、最近はIT製品・サービスを営業が販売した後、顧客に継続的に利用してもらうための職種「カスタマーサクセス」の重要性も増しています。
本記事では、以下の5つのビジネス系職種を順に解説します。
フィールドセールス(IT営業)は売上をつくる
フィールドセールスは、自社の製品やサービスを企業向けに提案して契約を勝ち取ります。
いわゆる「営業」です。
提案先の企業が抱える課題を分析して、自社の製品・サービスのメリットを伝えて契約締結するまでを担います。
企業向けのビジネスを主としているIT企業は、フィールドセールスが機能しなければビジネスとして成り立たず倒産します。
なぜならば、ほとんどの企業は、フィールドセールスからの提案を受けずにIT製品・サービスを契約することはないからです。
IT業界では個人向けの営業はいません。
なぜならば、IT企業の商品やサービスを営業が個人に売り込むのは採算が合わないからです。
実際、あなたも個人向けのアプリの営業を受けたことはないはずです。
フィールドセールスの仕事内容
- 提案先顧客に製品を紹介するとともに、顧客の課題をヒアリングし分析する
- 自社の製品が顧客の課題を解決するシナリオを考え、提案書を作成する
- 顧客へ提案内容を説明し、理解・納得させて契約を締結する
「自社の製品・サービスを顧客に購入してもらい売上を作る」という観点では、他の業界の営業と変わりません。
既に営業経験がある人ならば、過去の経験を活かして活躍できます。
フィールドセールスの具体的な仕事内容は以下の記事でも解説しています。
フィールドセールスの年収
以下の記事では、フィールドセールス(IT営業)への転職におすすめの転職エージェント5選を解説しています。
インサイドセールスは商談を創り出す
IT業界の中では、商談機会を作ることを専門とした「インサイドセールス」というポジションを置いている企業が一定数存在します。
見込み顧客に自社の製品・サービスを提案して契約を勝ち取る役割を担うフィールドセールスに対して、インサイドセールスは提案機会そのものを創り出す役割を担います。
インサイドセールスの仕事内容
- 見込み顧客の連絡先リストに対して、電話・メール・チャット等を駆使して、商談のアポイントをとりつける
- 見込み顧客とのアポイント日時を調整したら、実際にアポイントの場に出席して提案するフィールドセールスへ情報共有する
フィールドセールスと大きく異なるのは、インサイドセールスは契約締結までの業務は担わない点です。
商談の機会創出に特化するインサイドセールスを置くことで、IT企業は効率的に商談の機会を獲得できます。
インサイドセールスの年収
調査元 | インサイドセールス年収 |
Indeed | 469万 |
インサイドセールスへの転職を検討している人は、インサイドセールス特化型の転職エージェント9Eキャリア(キュウイーキャリア)がオススメです。9Eキャリアの評判やデメリットなどの詳細は以下の記事で解説しています。
≫ 9Eキャリアの評判!カスタマーサクセス・インサイドセールス特化のメリットとは
マーケティングは見込み顧客リストを獲得する
IT業界におけるマーケティングとは、見込み顧客(リード)リストを獲得する役割を担います。
見込み顧客リストがなければ、営業は提案先の顧客をゼロから見つけなければなりません。
飛び込み営業や、公開されている企業の代表電話に電話するといった手段はありますが、極めて効率が悪いです。
そこで、マーケティング担当者が自社の製品・サービスを世の中に認知させて、見込み顧客を獲得します。
BtoCサービスを提供しているIT企業では、自社のwebサイトが営業マンの役割を果たします。
消費者の購入を促すWebサイトの開発をマーケティング担当者が指揮します。
自社の製品・サービスのマーケティング戦略を考える役割の「プロダクトマーケティング」という職種も存在します。
こちらはプロジェクトマネージャーに近しい位置づけであり、見込み顧客リストを獲得するマーケティングとは異なる職種です。
BtoBマーケティングの仕事内容
- 魅力的なホームページを作り、見込み客からの問い合わせを誘導する
- 成功事例を紹介するウェビナー・セミナーを実施して出席者を募る
- 展示会に出展して訪問者と名刺交換する
- Web/新聞/雑誌/SNSといった媒体に広告を出稿して問い合わせを誘導する
ホームページ、ウェビナー、広告といったコンテンツに対して問い合わせをしてきた企業は、自社の製品・サービスに関心がある見込み顧客となります。
少しでも興味・関心を引き付けるコンテンツを作成して優良な見込み顧客リストを作るのがBtoBマーケティング担当者の使命です。
BtoCマーケティングの仕事内容
- 自社のIT製品・サービスをユーザーに買ってもらう・ダウンロードしてもらうための最適なチャネルとコンテンツを考え、開発を指揮する
- Web/新聞/雑誌/SNSといった媒体に広告を出稿して売上を上げる
普段あなたがスマートフォンを触っていると、様々な場面でアプリの広告が出てくるはずです。
スマートフォンアプリの提供元がIT企業なら、その企業のマーケティング担当者が考えた広告と言えます。
カスタマーサクセスは「自社製品の愛用」を促す
カスタマーサクセスは、自社の製品を購入してくれた顧客(カスタマー)に対して、製品を使い続けてもらい、顧客を成功(サクセス)に導く職種です。
現在カスタマーサクセスを置いているほとんどの企業の主力製品は、月額料金制の企業向けシステムです。
- 営業管理システム
- 会計システム
- 業績管理システム
- 社員情報管理システム
月額料金制の商品ビジネスを成り立たせるには、顧客に利用を継続してもらい月額利用料を得ていくことが必要です。
そこで、自社の製品を顧客に使いこなしてもらうことで、継続利用による安定的な収益を確保する役割を担うのがカスタマーサクセスです。
カスタマーサクセスの仕事内容
- 営業が新規受注後、担当顧客へ自社製品の導入を支援
- 自社製品を利用中の顧客へのフォロー
- 自社製品を利用中の顧客へ追加提案
営業が提案して受注したら、顧客担当のバトンタッチをカスタマーサクセスが受け、自社の製品を使いこなしてもらうよう顧客を支援するイメージです。
以下の記事では、カスタマーサクセスの仕事内容、年収、残業時間、1週間のスケジュール例等詳細を解説しています。
カスタマーサクセスの年収
カスタマーサポートは日常の顧客対応役
カスタマーサポートは、自社の製品・サービスを使っている消費者や企業から電話やチャットで問い合わせを受けて回答します。
尚、IT業界のカスタマーサポートはただ顧客対応するだけではありません。
実は、カスタマーサポートに寄せられる顧客の問い合わせとは、かなり貴重な情報です。
なぜならば、実際に製品・サービスを使った上での不明点や使いにくさといった声が眠っているからです。
優秀なカスタマーサポートは、寄せられた問い合わせ内容をデータ分析して、自社サービスの改善を提案することもあります。
カスタマーサポートはユーザーの日常に最も近い存在であり、製品・サービス改善のための宝の山を知っている存在と言えます。
カスタマーサポートの年収
カスタマーサポートの具体的な仕事内容、将来性、必要な資格などは以下の記事で解説しています。
>カスタマーサポートとは?コールセンターとの違いや仕事内容を解説
未経験から目指せるIT業界の職種は限られる
以上で解説した各職種は、未経験で目指せるものと目指せないものがあります。
未経験から目指せる職種
以下の職種は、IT業界未経験でも転職は十分可能です。
- フィールドセールス(IT営業)
- インサイドセールス
- カスタマーサクセス
- カスタマーサポート
なぜならば、以上の職種において重要なのはIT知識・スキルよりも顧客とのコミュニケーションスキルだからです。
もちろんIT知識も必要となりますが、転職後の自己学習や業務を通じた学びで事足ります。
逆に、IT知識・スキルがあっても、コミュニケーションスキルが低いと面接で判断されると上記職種の内定をもらうのは難しいです。
スキルを身につければ未経験から目指せる職種
以下の職種は、業務に必要な知識・スキルを学び身につけておけば、IT業界未経験でも転職可能です。
- プログラマー
- フロントエンドエンジニア
- バックエンドエンジニア
- インフラエンジニア
- マーケティング
逆に言えば、知識・スキルが全くない状態からの転職はできません。
なぜならば、上記の職種は、専門知識がないと業務を進めることが全くできないからです。
例えるなら、通訳の仕事と同様です。
英語のリスニング・スピーキングスキルがあれば、通訳の仕事は何とかこなせるでしょう。
しかし、英語が全く話せないなら仕事になりません。
各職種を目指すために必要な知識・スキルとその習得方法は以下の通りです。
職種 | 必要な知識・スキル | 知識・スキルの身につけ方 |
---|---|---|
プログラマー | プログラミング | 書籍で独学 Webサービスで独学 エンジニアスクールで学ぶ |
フロントエンド エンジニア | マークアップ言語 javascript Webサービスに関する知識 デザイン | 書籍で独学 Webサービスで独学 エンジニアスクールで学ぶ |
バックエンド エンジニア | プログラミング Webサービスに関する知識 データベース サーバー | 書籍で独学 Webサービスで独学 エンジニアスクールで学ぶ |
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未経験から目指せない職種
以下の職種は、どんなに知識やスキルを身につけても、IT業界未経験から転職することはできません。
- ITスペシャリスト
- ITアーキテクト
- ITコンサルタント
- プロジェクトマネージャー
- プロダクトマネージャー
なぜならば、上記の職種は、IT業界の他の職種からレベルアップした先に目指せる上位職種であり、IT業界での実務経験が必須だからです。
実際、IT業界の他の職種よりも年収は高水準に位置します。
上記の職種を目指すなら、まずはIT業界のいずれかの職種に転職して経験を積んだうえでキャリアアップする流れになります。
IT企業の職種は多岐に別れるので自分の興味関心にあわせて目指そう
以上、IT企業の15の職種を解説しました。
それぞれの仕事内容に応じて求められるスキルや、性格の相性が異なります。
自分が得意/不得意、好きなこと/嫌いなことに応じて、目指したい職種を設定して転職活動することをオススメします。
読んでいただきありがとうございました。